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<母乳?ミルク?>10年間で「母乳のみ」育児のママは半減!?10年前と今で違う授乳事情

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赤ちゃんのお世話のなかでも授乳は大きな仕事でしょう。母乳であればママが1人で担わなくてはならず大変ですが、ミルクなら旦那さんや実母、義母など多くの人が赤ちゃんに授乳することもできますよね。そこで今回はピジョン株式会社がおこなった「授乳期母子状況調査」の結果を詳しくご紹介します。

10年間で「母乳のみ」は半減。その背景には女性の社会進出が影響か

今回の調査の一部結果は、2014年に行った調査から2024年までの10年間の変化を含むものです。全国の20~44才の女性計20,000人のうち、第1子妊娠中の妊婦447人と、子どもが1人で生後3才未満など条件に合致する1,558人の回答を抽出しています。

まずは現在子どもに授乳で与えている母乳とミルクの割合について、2014年と2024年の結果を見ていきましょう。

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この10年間で「母乳のみ」の割合は半減しましたが、「主に母乳で、育児用ミルクも足す」「どちらも半々くらい」などを含めても2024年の母乳育児の割合は80%を超えていました。

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ママが仕事をして保育園などに赤ちゃんを預けるとなると、必然的に預け先でミルクを飲ませることになります。授乳方法の変化はママの就労の変化ともいえ、今回の調査でも「現役」で働くママは5%から11%へ、「産休・育休取得中」のママは30%から57%へ増加しています。それにともなって「復職予定者」の割合も71%から78%へと増えていました。先ほどの調査で「母乳のみ」が半減した背景には女性の社会進出が大きく影響していることがうかがえます。

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液体ミルクを与えているママは23%も!

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授乳への意識についてママに尋ねると、0~5ヵ月児のママの64%が「授乳は、周囲(旦那や家族)と協力しておこなうことだと思う」と回答。授乳はママが1人で負担するものではなく、家族みんなでやるものという意識がこの10年間で高まっているようです。

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また現在の授乳に対する満足度を問うと、0~5ヵ月児のママの70%が「満足している」「やや満足している」と回答しました。

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0~5ヵ月児のママが子どもに現在与えているものとして当てはまるものをすべて選択してもらったところ、「さく乳した母乳」は10ポイント増加して29%。2018年から国内での製造販売が可能となった「液体ミルク」は23%という結果でした。

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状況や場所などに応じてママたちが柔軟に子どもに与えるものを選択できるようになったことがよく分かりますね。

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母乳育児のメリットを知らない妊婦さんも

現在「母乳のみ」または「主に母乳を与えている」0~5ヵ月児のママの割合は27ポイント減少したことがこの10年間での大きな変化でしょう。これは母乳育児の特性をママ自身が十分に理解していない可能性が考えられます。

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妊婦さんを対象に母乳育児の特性について「聞いたことがあり、内容もよく理解している」項目を尋ねたところ、いずれも内容を認知していないというママが約半数いました。これから出産や子育てを控えているママたちが母乳育児のメリットや知識を知らない現状もあるようです。

世界保健機関(WHO)と国連児童基金(ユニセフ)は、乳児にとって母乳は理想的な食べ物としています。免疫力を高めて感染症を予防し、子どもの将来の肥満や2型糖尿病を予防すること、母親の将来の乳がんや卵巣がんを予防する効果もあると紹介しています。もちろん体質的に母乳が出にくいママもたくさんいるでしょう。しかしまずは母乳育児を頑張ってみて、授乳が安定してからミルクを足してみたり、家族で協力していけたらいいですね。

文・AKI 編集・あいぼん イラスト・水戸さゆこ

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