【算数・国語のプロに聞く!第2回】親子で算数の脳トレ!ぶんかい算をやってみよう
前回からの続き。うちの子は算数が苦手で、と悩んでいるママはいませんか? またこれから小学校に上がる年齢の子のママのなかには、算数の授業についていけるか不安に感じる人もいるでしょう。今回、「音読道場連盟」代表、小学生オンラインスクール「音読キッズ」を運営する前田大介先生に、算数が楽しくなる「ぶんかい算」を教えてもらいました。大人の脳トレにもぴったりですよ。
算数を遊びにする「ぶんかい算」
――前田先生が考案された「ぶんかい算」とはどのような計算方法ですか?
前田大介先生(以下、前田先生):数を分解して、楽に計算しようという方法です。例えば「14×4」を計算しようとすると、ちょっと難しいですよね。おそらく頭のなかで、あるいは紙に書いて筆算をすることになると思います。答えは、「56」です。しかしちょっと計算方法を変えると、筆算の必要なく、九九の知識だけで計算できるようになります。
「14×4」の14は、「7×2」に分解できるというのがわかりますでしょうか。「14×4」の計算式は、「7×2×4」に分解できます。そして先に、「2×4=8」を計算する。「7×8」にすると九九の知識で「56」と簡単に答えが出ます。
数字を掛け算に分解し、計算しやすいところから計算して、楽に答えを出しちゃおうというのが、ぶんかい算という計算方法です。
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親子でできる脳トレということで、例題を出してみますね。数字を見て、分解してみてください。
問題を解いてみよう!
黒丸(ドット)の数は24個あります。たてとよこの数を数えると答えが出しやすいですね。実際の量で24個を見てからかけ算することも大切です。
答え:
ケ:8 コ:3 サ:6 シ:4
慣れたら、次の問題のように、九九にぶんかいしていきます。
答え
ナ:8 ニ:24
答え
ノ:4 ハ:2 ヒ:2 フ:3 へ:3
ラッキーナンバーを使った例
前田先生:実はぶんかい算では、ラッキーナンバーというものがあるのです。11や13,17,19など暗算しづらそうな数に、それぞれある数をかけると計算しやすい数になります。十の位が「0」であるところがポイント。
でもラッキーナンバーは見慣れないと思います。ということでこれらの数字に慣れてもらうために次のような問題も用意しています。
答え
ア:3 イ:2
ここからぶんかい算をさらに発展させていきます。
この17×6で出る「102」という数字。例えば17×6×4という計算式の中で、先に「17×6=102」を知っていると、あとは102×4の計算です。これだと暗算しやすいと思いませんか。つまり「102」は真ん中の十の位が0だから、繰り上がりを考えなくてよくて、計算しやすいですよ。102×4を百の位から計算し、「1」を4倍、「2」を3倍して、順番に書けば「408」と暗算することもできます。
(編集後記)
筆算なしで計算ができるようになると、算数も楽になりますね! 知っているとかなりおトクです。大人の脳トレにもなるぶんかい算、一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
参考文献:「算数が苦手でもだいじょうぶ! 小学生のための魔法「ぶんかい算(ざん)」の本」
著者:前田大介
監修:松永暢史
価格:本体1,200円(税別)
出版社:KADOKAWA