【福井県坂井市 池田禎孝市長・第1回】結婚応援も積極的!?のびのび子育てができる環境とは
福井県坂井市で市長を務める池田禎孝(いけだよしたか)市長。福井県庁で35年間勤めたのちに、2022年4月より坂井市市長として活躍されています。笑顔で話される姿が印象的な池田市長に、「子育てするなら坂井市」をうたう福井県坂井市の子育て支援や、のびのび子育てができる魅力的な環境についてお話を伺いました。
北陸新幹線が延伸!歴史ある街並みと、豊かな自然の「福井県坂井市」
――池田市長は坂井市のご出身と聞きました。坂井市の魅力を教えてください。
池田禎孝市長(以下、池田市長): 坂井市は福井県の北部に位置し、約9万人が暮らす街で、福井県のなかでは福井市に次ぐ人口です。柱状節理「世界三大絶勝」とよばれる「東尋坊」の景色はとくに有名で、そのほかにも「奇跡の修復城」とよばれる「丸岡城」や、300年続く街並みの「三國湊」などの観光地もあります。食でいえば、越前がにや甘えびといった魚介類をはじめ、若狭牛や油揚げ、もみわかめなどの名物があります。また観光地はもちろんのこと、「海・山・川」といった豊かな自然が魅力の街です。最近では「農業をやりたい」という理由での移住者も増えてきていますね。
――北陸新幹線の敦賀(つるが)延伸も話題となっています。
池田市長:2024年3月16日に北陸新幹線の金沢-敦賀間が開業となり、関東地方から福井県へのアクセスが便利になりました。東京から坂井市へ北陸新幹線を利用すると約3時間、新幹線延伸前に比べると約40分の短縮です。坂井市に北陸新幹線の駅はないのですが、坂井市近辺の芦原(あわら)温泉駅や福井駅を経由してお越しいただけます。
――新幹線延伸によってどのような変化がありそうですか?
池田市長:関東と近くなることで、観光客が増えることは確実だと思います。ビジネス面でもよい方向に進むのではないかと期待します。たとえば、東京に住んでいる方が坂井市で副業を試してみる。うまく軌道に乗りそうだと感じたら、家族で坂井市に引っ越してくるなんてこともできるのではないかと考えます。
子育て政策は18年前から。全国に先駆けた「ふく育県」福井県の子育て支援
――池田市長は福井県庁で長く勤務されていました。福井県は「ふく育県」として子育てに力を入れているそうですが、どのような取り組みをしてこられたのですか?
池田市長:福井県は18年くらい前から子育て政策に力を入れてきました。最初は「3人っ子応援プロジェクト」というものを打ち出して、3人目以降のお子さんの保育料無償化することから始めました。保育料無償化だけでなく、たとえば病気になったときの一時預かりや病児保育は、3人目以降の未就学のお子さんは無料にしていたんですよ。
――まだまだ子育て支援が十分でなかった当時としては、画期的な取り組みだったのですね。
池田市長:今は国も異次元の少子化対策としていろいろと打ち出していますが、福井県は早くから取り組んでいましたね。こうした取り組みの甲斐もあって、福井県の合計特殊出生率(※)が2018年に1.67と全国7位まで上がったことがあります。
結婚応援まで!「結婚するなら坂井市」を掲げて
――以前から手厚い子育て支援のある福井県のなかでも、坂井市が今、力を入れていることを教えてください。
池田市長:坂井市も子育て支援をメインに置きつつも、まずは結婚することをサポートしたいと考えて「結婚の応援」に力を入れています。おそらく全国でも早かったと思うのですが、2023年4月に「結婚応援課」という部門も作りました。
――市が結婚応援とはユニークですね。具体的にどのような取り組みを行っていますか?
池田市長:主に3つの柱があります。1つめは結婚を望んでいる方が、その一歩を踏み出し希望が叶えられるよう結婚に向けた機運の醸成を高める取り組みを行います。2つめは独身者向けに坂井市独自の婚活イベントを開催して出会いの機会を作ることです。過去にはスポーツや鉄道、BBQなど趣向をこらしたイベントを開催したことがあります。3つめは新婚世帯の生活や家賃などの経済的な支援を行うことです。たとえば新婚世帯を対象に坂井市内で利用できる10万円分の商品券を配っています。
今後も結婚応援課とともに「結婚するなら坂井市」をスローガンとして、結婚応援に力を入れていきたいと考えています。
(第1回インタビューを終えて)
全国に先駆けて子育て支援に力を入れていた福井県。坂井市では、子育て支援とともに「結婚応援」にも力を入れていることをお聞きしました。こうした取り組みによって、若いうちから結婚のイメージが持てたり、坂井市であれば安心して結婚生活をはじめられそうだと感じたりするのではないでしょうか。
インタビュー第2回目では、共働き世帯の割合が全国1位の福井県について、坂井市の子育て支援やママが働きやすい政策についてお聞きします。
取材、文・有村実歩 編集・しらたまよ