<余命半年の義母>「旅行はムリでしょ」母の友人にやんわり怒られ、反省【第9話まんが:夫の気持ち】
前回からの続き。俺は35歳のリョウマ。先日妻チハルが双子のアカリとマヒルを出産し、父親になったばかりだ。しかしちょうど同じころ、実家の母さんに大きな病気がわかった。残念ながら手の施しようがなく「余命半年」とのこと。これまで育ててくれた母さんにはできる限り恩返しがしたい。母さんに「身体が動くうちに夫や息子、孫たちと2泊3日で北海道旅行をしたい」と言われて、俺は絶対にその願いを叶えてあげようと決めた。
チハルは双子育児の大変さを盾に、母さんの願いをちっとも叶えようとしてくれなかった。どう説得しても「ムリ」の一点張りで、話し合いは一方的に打ち切られてしまった。
そして父さんと母さんがせっかく孫に会いに家までやってきてくれたのに……。旅行の話をめぐってチハルがブチぎれ、俺たちは険悪な雰囲気になってしまった。
だから俺は家を出て、しばらく実家で生活しようと決めたんだ。余命宣告された母さんに恩返しをするために。そしてとある休みの日……。
訪れたのは母さんの古くからの友人だ。「驚いたけど……でも、気を強く持ってね」いたわりの言葉をかけられ、母さんはしんみりと話しはじめた。「身内以外のほうが身内よりも優しいわね……。聞いてよ! 嫁が『旅行なんてムリ』って……私の最後の願いなのに……」
一緒にリビングで過ごしていた父さんや俺も話に加わる。「そうなの……ちなみに……お子さんはおいくつ?」そう聞かれたので俺は答えた。「今日でちょうど生後3か月なんです! 双子の女の子なんですよ!」すると意外な言葉が返ってくる。
「孫が可愛いのはよ~くわかるわ。でもね、産まれたばかりの双子の赤ちゃんを連れまわすのはムリがあるわよ。それにあなたもこの時期の北海道なんて、何かあったら大変じゃない? ムリは禁物よ、あなたも、奥さんも」優しい口調ではあったが、俺はやんわりと怒られたような気がした。気心の知れた友人に諭されて、母さんも思うところがあったようだ。
チハルには「やっぱり近場の温泉宿にしたよ」と報告しよう。そう決心した俺は、久々に自宅に戻ったのだが……。家のなかは真っ暗。人の気配がまるでない。よく見るとチハルの生活用品や、双子のベビーグッズがごっそり消えている……!?
別に俺たちは無理に子どもたちを連れまわすわけじゃない。温泉宿でゆっくり過ごすんだから大丈夫だと思っていたけれど……。まさか世間的には怒られるようなことだったとは。母さんも「何かあったら大変」という友人のいたわりの言葉を受け、近場の温泉へ泊まるプランで妥協してくれたのだった。しかし久しぶりに自宅に戻ってみると、チハルと子どもたちの姿がない。きっと実家に帰ってしまったのだろう。このまま戻ってこなかったらどうしようと、俺は青くなったのだった。
原案・ママスタコミュニティ 脚本・煮たまご 作画・猫田カヨ 編集・井伊テレ子