<優しい義母のウラの顔>離婚は俺のせい?夫婦が破綻した本当の理由は【第10話まんが:夫の気持ち】
前回からの続き。数年前の話です。俺(タクヤ)は妻のシノと息子のケント、娘のルミとの4人家族。結婚して間もなく、妻のシノが母さんのことを嫌がるようになってしまった。母さんの失敗に悪気はないのに、シノは毎回ひどく怒る。その間に入るのはとても気疲れすることでもあった。すれ違いは続き、とうとうシノは子どもたちを連れて家を出ていってしまった。そんなとき母さんの余命がわずかということが分かり、シノと子どもたちに病室に来てもらった。けれどシノは母さんからの謝罪を無視したらしい。俺は心底ガッカリして、シノと別々の道を歩むことにした。
母さんの葬式に、シノは来なかった。来なかったというよりも、姉や妹をはじめ親戚一同が「呼ぶな」と言ったので呼ばなかった。俺が面倒をみられないため子どもたちも呼べなかった。
「シノさんとお母さんの間に何があったのよ?」そう聞いてきたのは、病院での俺とシノの言い争いを見ていたおばさんだ。俺は母さんとシノの間にあったこれまでの出来事を話した。
「シノに、母さんが本当は優しい人だって伝わらないまま終わってしまったのは、心苦しいけどね……」俺がそう言うと、姉が怒りをあらわにする。「あの人にそんなこと分かってもらう必要はないわよ!」それを聞いていたおばさんは静かにうなずく。「お母さんがシノさんに嫌がらせをしていたっていう証拠はないんだものね」「そうそう。それなのに……」
母さんの葬儀ではみんなが俺に同情して、優しい声をかけてくれた。やはり、今回の件で悪いのはシノだ。俺は間違っていない。そんなシノに母さんは謝罪をしてくれた。それなのにシノは、母さんの思いを無下にしたんだ。
「味方っていうか、普通に疑問に思っただけよ? その『お母さんは悪くないフィルター』越しで物事を見ていたら、そりゃすべてシノさんが悪くなるわよ」
「だって……あのときのシノさんの顔……。嘘をついているようには思えなかったわ……」
おばさんの言葉の意味を、すぐに理解することはできなかった。シノが母さんのことを理解してくれていれば、母さんのことを許してくれていれば、俺たちはうまくいっていたはずだ。それなのに、なぜ離婚が「俺のせい」になっているのだろう……。しかし次第に俺は「シノに変わってもらうこと」だけを求めていた自分に気付いたのだ。俺はシノのために何もしてこなかったのだと……。ただ時すでに遅し。間もなく俺とシノの離婚は成立したのだった。
原案・ママスタコミュニティ 脚本・渡辺多絵 作画・りますけ 編集・井伊テレ子