<お義母さん、ムリだって!>笑顔に救われ……大変な思い出は、いつか楽しい思い出に!【後編まんが】
前回からの続き。私(マリ)は首都圏に住む35歳の専業主婦です。明るく優しい夫(ユウタ)、元気な子どもたちと毎日を楽しく過ごしています。
遠方に住んでいる義両親は年に一度、10日ほどまとめてわが家に泊まりに来ます。義両親は観光が趣味。日中は外出し、夕方にはお土産を買って帰ってきて子どもたちと遊んでくれるので、私も助かっているくらいです。そんな義母の願いは私たち夫婦抜きで双子とおでかけをすること。体力的にも厳しいと判断して、行き先は動物園だけにして、親の私たちが同行することを認めてもらいました。そして、てんやわんやの一日が終わりました。
一息ついたあと、義母は一枚の古い写真を見せてくれました。そこには、若い頃の義両親と小学生くらいの夫が写っていました。背景には、見覚えのある入場ゲートが。義母が私たち夫婦抜きでおでかけしたいなどという無茶ブリをしてきたのは、この日の再現をしたかったからのようです。
義父は「でもお前30年前もヘトヘトになってたぞ?」と、笑いながら話しかけてきました。その後ろから子どもたちが「じぃじ~、ばぁば~」と呼びかけています。
子どもたちはとても嬉しそうな表情で「今日ねめっちゃめーっちゃ楽しかった! また一緒に行こうよ!」と、早くも次のおでかけの誘いをしています。義母も嬉しそうに「もちろんよ!! おばあちゃんどこでも行くからね!」と次の約束をしているようでした。
義母の無茶な計画には参りましたが、今日のおでかけを終えてみて、私はちょっと義母の気持ちがわかる気がしました。
子育て真っ只中の当時はおでかけが大変でも、子どもたちの笑顔によって楽しかった思い出としてずっと記憶に残るのだろうなと感じました。今は双子たちとの生活で大変なことが多く、外出から帰ると疲れ果てています。でも、いつか子どもたちが巣立った後、双子を育てる悩みも苦労も最高の思い出になる……! そう気づかせてもらえたのでした。
子どもを連れてのおでかけは大変です。いくら準備をしても想定外のことは起こるし、思い通りにいかずにイライラしたり悲しくなったりすることなんてザラです。もう帰りたい! と、何度も思います。でも、一日の終わりに子どもたちが笑顔で「楽しかった」なんて言うと苦労が全部帳消しになって、次はどこに連れて行こうかな、と考えている自分がいます。義母は、育児時代の大変だったことが「楽しかった思い出」に変わっちゃってるんですね。
子どもを育てる日常は、苦労が山のようにあります。でもいつかきっと、楽しかった思い出として懐かしむことができる、私はそう信じています。
原案・編集部 文、作画・カヲルーン 編集・横内みか