<異常かな?>わが子には友達いっぱいの”1軍”でいてほしい。気にしすぎる自分が辛い
子どもの頃に「こうなりたい」「これがしたい」と思っていたのに、できなかったこと。誰にもひとつやふたつ、あるのではないでしょうか。コンプレックスにまでこじれると、わが子にその理想を押し付けてしまうことにもなりかねません。
わが子の友達関係が気になって仕方ない。毎日が不安
学生時代にあまり友達がいなかったというママから、ママスタコミュニティに投稿がありました。「友達が多いほうが絶対にいい」という価値観から、わが子の友達関係が過剰に気になってしまうといいます。
『わが子がお友達とちゃんと関わっているかが、気になります。子どもは毎日ちゃんと学校に行き、楽しく過ごしているようです。何も心配することはないのに、不安でたまりません。
学生時代から友達関係にコンプレックスがある私は、友達が多い”1軍”の子に憧れがあります。自分は友達が少ないくせに、子どもには理想を求めてしまう。最低な親ですよね』
お子さんは小学校に毎日楽しく通っているといいます。投稿者さんも、心配は何ひとつないと承知しています。それでも「今日は友達と遊び約束をしてきたかな?」「学校から帰ってくるのが早かったのは、友達と一緒じゃなかったから?」と不安になり、同じクラスの子たちが遊んでいる様子を見ると「うちの子は誘われていないのに!」と落ち込んでしまうのだとか。「私を安心させるために、お願いだから友達と遊ぶ約束をしてきて!」とまで思ってしまい、自分でも「異常だな」と感じているそうです。
「心配しすぎでは?」と驚く声が多く集まるかと思いきや、コメント欄にあふれたのは意外にも「私も同じ!」と共感する声でした。
『すっごくわかる! よくないとわかっていても「今日は誰と帰ってきたの?」「学校どうだった?」と必ず聞いちゃう。わが子には友達いっぱいで傷つかない、幸せな人生を歩んでほしいから。過保護だよね』
『勉強やスポ少なんかより、友達関係が一番心配。遊ぶ約束をしない日が続いたり、うまくいってなさそうなときは怖い夢も見てしまう。仕事中もそのことばかり考えている』
投稿者さんもそうですが、みなさん「よくないこと」という自覚はある。それでも心配がやめられないようです。
自分とわが子を同一視?理想の押し付けは子どもの負担に
問題はお子さんの友達関係にあるのではなく、ママたちの心にありそうです。
『知り合いにそんなママさんがいたな。そのうちお子さんは学校を休みがちになり、不登校になった。理想を押し付けると、子どもに負担がかかるよ』
「こうであってほしい」という親の願望が、わが子を押しつぶしてしまったのでしょうか。「私もめちゃくちゃ不安だけど、子どもにはまったく気にしていない雰囲気で、学校や友達の様子を尋ねています」というコメントもありました。どんなに不安であっても、せめて子どもにはそれが伝わらないようにしたいところです。
投稿者さんの心配しすぎを「時間に余裕があるから」と考える人たちもいました。
『中学受験したら? 塾が忙しくて、遊んでる暇がないよ。近所の同級生と遊ばなくても、気にならなくなる』
『子どもにかまいすぎ。働きに出たら?』
投稿者のお子さんは、勉強嫌いで受験する意思はないとのこと。ただ投稿者さんはすでに仕事をしているそうなので、お子さんの友達関係以外にも考えることはあるはずです。それでもやはり他のママのコメントにもあったように、仕事中もずっと「友達と仲よくしているかな」という不安に襲われているのでしょうか?
『子どもは気にしていないのに、親が気にしてしまう。わかります。子どもの人生を一緒に歩いているのがよくないのかなと思い、自分の趣味を増やしました』
子どもが大きくなり手が離れれば覚悟も決まるのかもしれませんが、小学生はまだ親のフォローも必要な時期。わが子のフォローをしているつもりが、その人生を丸ごと背負い込んでしまっているようです。”わが子にべったり”を解消するためには、ママ自身が他に趣味を作るなど、自分の世界を広げることも有効かもしれません。
わが子と自分は別人格。だからこそ子育ては面白い
投稿者さんは「友達がたくさんいる子は、明るくて元気」「わが子にはたくさん友達を作って、楽しい青春を送ってほしい」と考えているといいます。しかし「友達がたくさんいる=楽しい日々」は真実でしょうか?
『毎日遊びに行っていても、気を遣いまくって心が疲れている場合もある。小学生のときの私』
『投稿者さんがいう”1軍”グループって、ゴタゴタも多いよ。1軍に(見える)グループにいても必死に無理して、自分を偽っている子もいる。お子さんなりに考えての今なんだろうから「うちの子、賢いな」って考えたら?』
友達が多いことには投稿者さんが考えるような”よい面”もありますが、”そうではない面”もあります。「友達は数より質」「ひとりでいることだって大事」といった声も届きました。
自分がなりたかった理想を、お子さんに託している投稿者さん。でも、子どもとママはまったく別な人間です。ママが「いい」と思うことを、わが子もそう思うとは限りません。
『私はその1軍だったから、大勢でワイワイやるのが楽しいと思っていた。でも息子は「大勢は引く。ちゃんとした話ができないじゃん」と言うよ』
いくら親子でも、それぞれが独立した人間です。ママが「これはこう」と思っていた価値観を、わが子がひっくり返してくれることだってあります。その発見や気付きも、子育ての醍醐味のひとつでしょう。
『自分ができなかったことを子どもに求めるのが、そもそもの間違いでは?』
こんな声もありました。心配性は性格ですからすぐに変えるのは難しそうですが、わが子を信じて尊重することが、今の気持ちを楽にする第一歩ではないでしょうか。
文・鈴木麻子 編集・千永美 イラスト・Ponko
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