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【前編】<親の介入はどこまで?>小学生同士のトラブル。どこまでママが踏み込んでいいのか迷います

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子どもの頃のお友達トラブルを覚えていますか? 今なら笑ってしまうような小さなトラブルから、トラウマになってしまうほど深く傷ついたものまで、いろいろあったことでしょう。では、そんなトラブルに際して自分の母親がどのように関わってきたかは覚えているでしょうか?

今回の座談会は、小学校低学年~中学年の子ども同士のトラブル、なかでも女の子同士のトラブルに関するお悩みから始まりました。

<今回のメンバーはこちら>

白石さん:小学3年生の女の子を持つママ。自身が子どもの頃に引っ込み思案だったため、娘には周りの子と楽しく過ごしてほしいと願っている。

岡さん:小学2年生の娘がいる。娘のことになると心配が先に立ってしまう自覚あり。でも強い子になってほしいという思いも。

佐伯さん:子どもは中学生の長男、小学校5年生の次男、小学1年生の長女の3きょうだい。毎日賑やかな大家族を仕切る元気ママ。

宮原さん:高校3年生の息子と、高校生1年生の娘がいる。わが子の成長につれ、子ども同士のトラブルに関わることはグンと減ったとか。

「トラブル発生→ママ出動」でいいの?

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白石さん:私は子ども同士のトラブルに自分がどれくらい関わっていいのか、いつも迷っているんですけど、どうですか?

岡さん:分かります! いじめとかの大きなトラブルじゃなくて、本当にちょっとした、子ども同士のトラブルとか。介入すべきかどうか、介入するタイミングってどこだろうみたいな。

白石さん:うちの娘、いつもお友達(Aちゃん)と待ち合わせて一緒に登校してるんです。先日、娘がちょっと遅れてしまったんですね。で、Aちゃんが先に登校して、それで良かったんですけど、その日の放課後にAちゃんママからLINEが来て……。

佐伯さん:え、もしかして苦情?

白石さん:Aちゃんと娘は違うクラスなんですけど、登校したあと娘とAちゃんが廊下で目が合ったらしいんです。そしたら娘が目をそらした、と。Aちゃんは自分が先に登校したことを娘が怒っているんじゃないかとママに相談したみたいで。私はそんなこと全く知らなかったから娘に話を聞いたら、目が合ったときにAちゃんが他の友達に囲まれていたから、ちょっと嫉妬というか、いじけちゃったというか……。なんかモヤモヤして目をそらしてしまったらしくて。

宮原さん:それが「無視した」みたいに取られちゃったと。

白石さん:そう。なので娘には、遅れたことをAちゃんに謝るべきだったことや、目をそらしたことでAちゃんがどう思ったかを話して。Aちゃんママからの提案で、その日のうちに互いに母親同伴で話し合って解決できたんですけど。

佐伯さん:向こうから連絡があったからトラブルを知ることができたんですね。

白石さん:Aちゃんママとは普段から仲良くさせてもらってる関係だから解決できたわけですけど。もし相手が私が知らない子だったら……と思うと、どうだったろうと考えちゃうんですよね。きっともう、それはそれで子ども同士で解決するしかないんだろうなとは思うんですけど。でも今が小3で、このまま高学年になったら、子ども同士で解決できるのかな。

先のことを考えると……

白石さんの場合のように、先方の親御さんから連絡があったときは、こちらも親として対応するのが自然な流れですよね。それにAちゃんが母親に相談したということは、自分だけでは解決できないと思ったからでしょう。今回の白石さんの対応は問題ないように思えます。ただ友達同士の気持ちのすれ違いなんて、これからも数えきれないくらいあるはず。白石さんが「子ども同士のトラブルに自分がどれくらい関わっていいのか、このままでいいの?」と不安になるのも分かります。

子ども同士のトラブル解決を急ぐのは誰のため?

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岡さん:白石さんの気持ち、分かります~! 私が考えすぎなのかもしれないですけど、娘のことになると「こじれないように、こじれないように」って早め早めに先手打っちゃうの。先日も娘が、買った覚えのない鉛筆キャップを持ってて。「これ、どうしたの?」って聞いたら「Bちゃんに『これ、かわいいね』って言ったら『そんなに気に入ってないから、いるならあげる』って言われたから、もらった」って。

宮原さん:子ども同士の物のやり取りって、大丈夫かなって思っちゃいますよね。

岡さん:そうなんですよ。私のほうが不安になっちゃって「Bちゃんは本当は渡したくなかったけど、流れで仕方なく娘にあげたっていう経緯が、もしかしたらあったんじゃないか」と勝手に思い込んじゃって。Bちゃんのお母さんは知ってたんで連絡したんです。先方は「使い古しだし、本人もあげたかったからあげたって言ってますんで、もしよかったら使ってください」みたいな返事をいただいて。

佐伯さん:大人な対応ですね。

岡さん:そこで私も「あれ、ちょっとやりすぎた?」と感じて。子ども同士の揉めごとになる前に、トラブルの芽を摘んでおこうとしてしまった。

白石さん:なんか子どもを信じきれてないというか。子ども同士もいろいろ交渉したり、ちょっと失敗したりすれば勉強になると分かってはいるんですけど。でも、ほったらかしができない。

岡さん:しかも「親である自分が解決したほうが絶対に早く解決する」って分かってるから、つい動いちゃうんですよね。

佐伯さん:もちろん暴力とか物や体を傷つけたとかになったら、それは親の出る幕だと思うんですけど、線引きがすごく難しいですよね。

白石さん:それに大きなトラブルに発展したら「子どもが大変」と思う気持ちはもちろんあるんですけど、そこに「母親である自分の保身」もあるというか。

岡さん:相手の親子と気まずくなりたくないとかね。

ママ同士の関係に影響はある?

ママ友間のトラブルが子どもに影響を及ぼす心配もあれば、子ども同士のトラブルがママたちの関係に響く可能性だって当然あるでしょう。親子そろってお互いに気持ちよく過ごしたいと思うものです。けれどママ自身の心の平穏のためにトラブル回避ばかりしていると「子どもの成長」はどうなるのか? ママたちの苦悩は続きます。

女同士だからこそ、心配になるママたち

宮原さん:小学校低学年~中学年って微妙な時期じゃないかな。まだ言葉足らずというか、子ども自身が自分の気持ちを伝えきれないことも多いし。

岡さん:まだもう少し、子どもに付いていてもいいですかね?

白石さん:お友達とのトラブルってしんどいけど、大人への階段なんですよね。たとえば今回うちの娘が感じた「仲がいい子が他の子と楽しそうにしてたからモヤモヤした」なんて、これからも絶対ある。それは相手からしても同じ。そこに折り合いをつけたことに、今回は気づきがあったのかなって思っていて。さらに親が入ったからこそ言語化できたかなとプラスには捉えてるんですけど。

佐伯さん:うんうん。

白石さん:でも高学年になっても親が出ていけるかというと、そうもいかないだろうし。

宮原さん:スピーディな問題解決を優先させるか、早いうちから経験を積ませるか悩みますよね。

岡さん:難しい。女子ならではの陰湿な部分とか、微妙な心の機微とか。そういう大変さをママ自身知ってるから、「まだこの小さい子では解決は無理だろう」と思ってやっちゃうけど、それだと経験値は上がらないし。こういうこと、うちの旦那に話しても全然ピンとこないみたいで(笑)。

白石さん:そうそう。そんなこと思いもしないっていうか(笑)。「細かすぎない?」って言われます。

小さいうちだからこそ関われる領域もありそう

ママたち自身が、女の子同士の人間関係で苦労してきたからこそ「こういうことが、より大きいトラブルを招くことがある」と予測できる部分がありますよね。だから先回りして解決したり、話し合いの場に立ち会ったりするわけです。子どもはなぜ母親がそこまでするのかピンと来ないかもしれません。しかしそこで親が相手の気持ちを説明したり、どうして謝るべきかを話したりすることは、お子さんの成長につながるのではないでしょうか。

子どもに笑顔で過ごしてほしい。それがママの願い

白石さんは「私自身が子どもの頃、思ったことを周りの友達に言えなくてしんどかったこともあった」そうです。だからこそ「娘が毎日笑顔で学校生活を送るために、親はどこまでどうしてあげたらいいのか」悩んでしまうのだとか。

いつもママが先回りしてトラブル回避ばかりしていては、子ども自身の成長は妨げられてしまうかもしれません。かと言って、いきなり手を離してもお子さんは戸惑ってしまうでしょう。人間関係の機微は大人になってからも難しいもの。そんな簡単にコミュニケーション能力が身につくものではありません。女同士で分かりあえる部分があるからこその共感も伝えながら、一歩ずつ一緒に前進していって、いつか自然と手を離していけると理想的ですね。

後編へ続く。

インタビュー、文・千永美 編集・ここのえ イラスト・Ponko

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