いつでも、どこでも、ママに寄り添う情報を

おたがいさま!筆箱を壊されてしまった娘との会話から学んだこと

娘が、自分のお年玉で買って大事にしていた筆箱を、お友達に壊されてしまいました。

自分で買った筆箱だったので、汚れたら拭く、机から落ちないように守るというほど大切に使っていたのですが、まだ買ってから一ヶ月も経っていないある日、お友達に消しゴムを入れる小さな場所の蓋を無理に開けられて、バキっと折れて取れてしまったのです。

今日は一日泣きたかった

それは一瞬のことだったので止められなかったのだとか。そしてその日は「朝礼も、授業中もずっと泣きたかった」と帰宅してから泣きました。

しかしそのお友達は意地悪で壊したのではなく、折れてしまった瞬間にあわてて「ごめんね、ごめんね、ごめんね! 本当にごめんね!」と一所懸命テープで直そうとしてくれたのでした。その姿を見て、娘は「いいよ」と言うしかなかったそうです。
IMG_0436

どうしたらよかった?

私「学校で泣いてもよかったんだよ。怒ってもよかったんだよ」
子「うん、△□ちゃんならそうしたかもしれない。だけど、◯◯ちゃんは意地悪でやったんじゃなくて、びっくりしてずっとあやまっていたから、怒れないよ」
私「そうだね。もしあなたが逆の立場だったら、お友達も、……いいよって言ってくれたかもしれないしね。そう思って、あきらめるしかないよね」
子「でも…お年玉で買った大事にしてた筆箱なのに……悲しさはなくならない」
私「じゃあ、悲しかったっていう気持ち、せめて昨日言えなかったひとことを、明日言ってみたら?」
子「言えない」
私「そうだよね、ママでも言えないかもしれないな。それに一カ所壊れたくらいで、小さなポケット分100円ください、なんておかしいし、意味ないでしょ」
子「でも、悲しさが消えない……」
私「……誰も悪くないけど、悲しいっていうこと、あるよね」
子「そんなときはどうすればいいの?」
私「悲しい気持ちが消えるまで待つ……」
子「待つってどうやって?」
私「じっと、耐えるしかないな」
子「それでも消えない悲しさはどうしたらいいの?」
私「時間が消してくれることもあるよ」
子「時間てどのくらい?」
私「一週間とか二週間とか……もっとかもしれないけど、その間に、それを少し消してくれるようないいことも起こるかもしれないし」
子「いいことが起きなかったら?」
私「起きるよきっと。良いことと悪いことは繰り返してくるから」
IMG_0435

こんなことの連続

これがもしランドセルや制服の破損となると弁償云々の話になる場合もあるのでしょうが、使おうと思えば使える状態の文房具ですから。私としても「そんなこともあるよ。残念だけどあきらめよう」と言って終わりました。ただ「心に傷がついた」とまで言っていた娘(笑)。「新品同様に大切にしていた筆箱がキズモノになったから悲しい。もう以前のように大切にできないかもしれない。できれば買い替えたい!」という気持ちを、いかにガマンしてリカバリーするかが大事だなあ、と思いました。この先、そんなことの連続ですものね。

おたがいさま

一日経って、娘の悲しい気持ちは、思ったより早く薄らいできたようでした。「もしかしたら自分が逆の立場だったかもしれない」という想像力が芽生えたかもしれません。「おたがいさま」とおさめることに親子で慣れていきたいと思います。
IMG_0434

以前幼稚園で、ある男の子がお友達と遊んでいて、前歯が折れるという大きな怪我がありました。その男の子のママが「おたがいさまだし、もしかしたら逆の立場だったかもしれないから」と、相手の親に何も求めなかった姿には感動しました。そこまでの怪我なら私なら何か言ってしまったかもしれません。「おたがいさま」の範囲をできるかぎり広く持つことは自分の生きやすさにもつながるし、許しあう気持ちを身につけていくことは、長い将来の中で、子どものためにもなるのではないでしょうか。

文・yuki イラスト・おぐまみ

関連記事

純粋なままでいてほしい!「小学生の勘違い」3選
子どもの発想は、常に新鮮で楽しいものです。 それは小学生になって「少ししっかりしたかな?」と思えるようになってからも続きます。 教室の天井に謎の足跡。学校にオバケがいる!? ある日、小学一年...
小学生の女の子……鼻の下にひげが!「産毛」の処理方法は?
ママスタにこんなお悩みが寄せられました。 『小3女子。鼻の下の毛が濃くて、お友達に「ヒゲ」とからかわれてるみたいです。だから剃ってほしいと。でもカミソリ負けするんじゃないかとか、いろいろ考え...
読書好きな小学生のママたちが教える「子どもを読書好きにするコツ」
「子どもが本好きになったらいいな」と思うこと、ありませんか? 本を読むことで、想像力が豊かになる、読解力が高まり学力向上につながる、漢字の読み書きが得意になる、語彙力が高まるなど、いいことが...