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<わが子が突然の長期入院>一変する生活。家族の関わり方を見直すとき

私はハルカ38歳。2つ年上の夫(コウイチ)とともに、中学1年生の長女(ミオ)、小学校4年生の長男(ケイ)を育てています。わが家は共働きで家事や子育てに慌ただしく、毎日忙しいけれど「一人ひとりできることをしよう」という気持ちを大切に生活していました。

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ケイが入院してから、私たちの生活は大きく変化。急な状況の変化に備えて、会社に在宅勤務の許可を求め、出社が必要な日があれば夫に協力してもらうことに。そして、ケイをサポートする時間が十分に取れるように夫とミオと相談して家事を分担。病院へすぐに行けるよう調整をおこないました。

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看護師さんによると、疾患の説明や検査など、医師が担っていた業務の一部を他の医療スタッフに 任せたり、分担したりするという、チームで患者さんをケアする体制(タスク・シフト/シェア)が導入されているようです。患者さんが安全で安心、質の高い医療を受けられるようになり、同時に医師の長時間労働の改善にもつながるとのことで、2024年4月から本格的にスタートする「医師の働き方改革」に向けた取組の1つとのことです。チーム体制で協力して分担するのは、なんだか家庭における家事分担と似ているかも。

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※医師のサポートを専門とする職種

「医師の働き方改革」と聞くと、病院に勤めていない自分には関係ないのでは……とふと考えてしまったのですが、実は日頃から自分や家族のことで病院に関わる可能性をもっている私たちとは、きっても切り離せない関係。看護師さんから聞いた“みんなで最適な医療を支え合うために、私たちができること”を5つ簡単に紹介します!

(1)タスク・シフト/シェア、複数主治医制
「タスク・シフト/シェア」
タスク・シフト/シェアとは、医師が担っている業務を、医師と医療スタッフ間での合意のもと、他の医療スタッフ(看護師、薬剤師、臨床検査技師、事務職(医師事務作業補助者)など)に移管したり(シフト)、共同で行ったり(シェア)することです。様々な医療職種が各職種の専門性を活かしていくことなどを通じて、患者さんに提供する医療の質の向上にもつながります。例えば、患者さんへの疾患の説明、検査、病棟における服薬指導、医師の指示に基づく治療対応や術後の管理などについて、医師以外の様々な医療スタッフが担うことがあります。

「複数主治医制」
複数主治医制とは、患者さんの治療を行う医師がチームを組み、1人の患者さんに複数の医師が対応することです。複数の医師がその患者さんの主治医として、治療方針に意見を出し合えることや、緊急時などに迅速に対応できる体制となることを通じて、患者さんに提供する医療の質の向上にもつながります。例えば、担当する患者さんへの対応を複数の主治医が時間帯によって分担するなどの取り組みが始まっています。

(2)時間内診療
「平日の昼に行く時間がないから」といった理由で、夜間や休日などの診療時間外に緊急性のない受診をすることは、「コンビニ受診」ともいわれています。医師など医療機関で働くスタッフの負担を増やすことにつながり、提供される医療の質の低下を招くものとして懸念されているのです。普段から決められた診療時間内での受診にご協力をお願いします。

(3)かかりつけの医師・医療機関を見つける
なにかあったときに相談できる、身近なかかりつけの医師や医療機関を見つけておきましょう。日頃の状態をよく知っているかかりつけの医師であれば、ちょっとした体調の変化にも気づきやすいため、病気の予防や早期発見、早期治療が可能になります。

(4)自分の住む地区の医療機関の機能・役割を理解する
診療所(いわゆる、「クリニック」や「医院」)や病院は、それぞれ得意な専門分野があり、設備・職種・スタッフ数にも違いがあります。「なんとなく身体がだるいが食欲はある」など、比較的重症感のない症状での外来受診は日中に診療所を受診、「動くことも息を吸うこともしんどい」など、重症感を強く感じる場合は、夜間でも救急外来のある総合病院など、医療機関それぞれの役割を認識して、受診されることをお勧めします。

(5)急な体調不良への対処法を知る
休日や夜間の相談先として「子ども医療電話相談事業(♯8000)」を活用しましょう。電話は、自宅のある都道府県の相談窓口に転送され、小児科医師・看護師から子どもの症状に応じて適切な対処の仕方や、受診する病院などのアドバイスを受けられます。自宅にいながら適切な対処法を教えてもらえたら、保護者も助かるはずです。

子どもが急に体調を崩したときのために、事前にこうした仕組みがあることを知っておくと、いざというときに慌てず対処でき、安心できますね。

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ケイの入院をきっかけに知った「医師の働き方改革」。医療に携わる人たちにも、かけがえのない人がいることを忘れてはいけません。誰か1人に負担がかかるのではなくチームで協力して支え合うからこそ、最高の結果が出せるのかもしれませんね。

私たちができること。まずは、一緒にチェックしてみませんか?

医師の働き方改革について
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提供:厚生労働省