新潟県三条市 滝沢亮市長・第5回「豊かな自然を生かして子どもたちにアウトドア体験を」
前回からの続き。
「アウトドアのまち三条」を宣言した新潟県三条市。市内の下田(しただ)地域を中心に、キャンプ場をはじめ、登山、渓流釣りやラフティング体験など、一年を通してアウトドアが楽しめます。地元のアウトドアメーカーと協力してアウトドア体験に力を入れる現状について、滝沢亮市長にお話を伺いました。
「アウトドアのまち三条」を宣言
──自然豊かな三条市ですが、2023年7月に「アウトドアのまち三条」を宣言されました。
滝沢亮市長(以下、滝沢市長):三条市は、スノーピークやキャプテンスタッグをはじめ、国内有数のアウトドアメーカーの集積地です。また、実際に山や川、数多くのキャンプ場など自然にも恵まれていています。
──宣言に至った背景にはどのようなものがあったのでしょうか。
滝沢市長:三条市は「ものづくりのまち」として有名ですが、なかでも「ものづくり」の技術力を活かしたアウトドア用品を製造・販売する企業が増えています。特に、2022年度は、ふるさと納税による返礼品の半数以上がアウトドア用品でした。全体の約58%、総額29億円にもなります。地場産業を盛り上げ、新たな三条市の魅力を発信できればという思いから、「アウトドアのまち」宣言に至りました。
また、レジャーとして人気のキャンプですが、実は、水道や電気のない生活やテント泊を体験することで、自然災害時の防災力向上にも役立つという一面もあります。この防災力についても同時に発信してきたいと考えています。
季節ごとに楽しめるアウトドア体験
──三条市ではどのようなアウトドア体験ができますか?
滝沢市長:キャンプは雪中キャンプも含めてオールシーズン楽しめます。五十嵐川(いからしがわ)や守門川(すもんがわ)などの渓流では、イワナやヤマメ釣りができます。4月から9月の時期には、五十嵐川でプロのガイドとラフティング体験をするのもいいと思いますよ。ほかにも、バードウォッチングやサイクリング、登山、体力に自信のある大人向けにはトレイル、里山体験などがあります。日帰り温泉もあるので、キャンプと合わせて利用してみるのもおすすめです。
──アウトドアメーカーが手がけた施設もあるそうですね。
滝沢市長:そうです。キャンプも施設での宿泊も、目的に合わせて使い分けていただければと思います。
今年の夏は39度を超える暑い日もありましたが、豊かな森の中では涼しく過ごせます。
── 屋内施設だとどんなところがありますか?
滝沢市長:隈研吾さんが設計した、図書館や科学館、鍛冶ミュージアムなどがある複合施設「まちやま」。オープンして1年で70万人もの利用がありました。クライミングウォールやネット遊具、キッズスペースなどがある体育文化会館「たいぶん」。乳幼児が気軽に遊べる子育て拠点施設「あそぼって」や「すまいるランド」などがあります。
滝沢市長からママたちへ
──最後に三条市に住むママ、そして三条市に関心を寄せるママたちにメッセージをお願いできますか?
滝沢市長:三条市は、東京から新幹線でわずか2時間のアクセスの良さや、豊かな自然環境でのアウトドア活動の機会、そして発展する産業や豊かな食文化などがあります。特に子育て世帯にとっては、街全体でのサポート体制が整っており、妊娠期から大学卒業までを支援する仕組みもあります。
東京のように中高一貫の私立進学校はありませんが、その分、幼い頃から地場産業や地元の大学との交流を通して、自然と学習意欲がわいてくる環境で子育てができます。子育て政策や教育に関してはまだまだ改善の余地があると感じています。私自身も、現在幼い2児の子どもを育てる父親であり、まだまだわからないことがたくさんあります。そのため、みなさんからの要望やリクエストをどんどんお寄せいただけると嬉しいです。
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取材・編集部 文・長瀬由利子 編集・荻野実紀子 イラスト・善哉あん