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人間関係で迷ったときの選択とやりたいことへの一歩の踏み出し方【Re.muse勝友美さん・第2回】

勝友美さん2
前回からの続き。
幼稚園や小学校の役員会などでママ友との「価値観の違い」に悩むママたち。「断りたいけれど波風を立てたくない」というジレンマに直面することってありますよね。オーダーメイドスーツ店「Re.muse」(レ・ミューズ)の代表取締役として日々多くの人と触れあう勝友美さんは、「価値観の違い」をどう解消しているのでしょうか。ママたちへのアドバイスを含め、人との関わり方について伺いました。
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断る?それとも子どものために引き受けるべき?

――子どもの幼稚園や小学校の役員など、「断るか引き受けるべきか」で迷うママもいます。勝さんは、迷ったときにどんな基準で判断しますか?

勝友美さん(以下、勝さん):物事を判断するとき、2つの視点があると思います。1つ目は、自分で判断していいとき。自分1人だったら、やりたくないことはしないという判断になると思います。やらなかったときに起きる負債も自分が背負えば問題ありません。

ただ、自分の判断がまわりの人に影響を与えるケースもあります。これが2つ目の視点です。たとえばママ同士の付き合いや子ども同士の関係性において、「私はできません」と言って断ると、プラスではなくマイナスに影響することもあると思います。やりたくないことを断って自分の願いが叶った。でも、ママ友や子ども同士の付き合いがマイナスになった。それは本当に自分が望んだ結果なのでしょうか。

自分の感情なので、どちらが正しいということはないんですよ。私は好きだと思える結果になるような判断をしたいと思っています。

後悔しない選択をしたい

――やるかやらないか迷ったときはどう判断しますか?

勝さん:「この仕事を引き受けるのは、正直大変だな」と思うことは、あります。そんなときは、仕事を受けたときの成果物を考えて判断します。とくに、成果物が大きなものだったら、絶対に受けるべきだなと思うんです。もし、「疲れているから」「忙しいから」といった理由で受けなかったら、あとで「なんであのときもっと頑張れなかったんだろう」と思うんですよね。だから、そう思わないためにも全力でやります。

冷静に考えるほど行動できなくなる

――ママたちのなかには、「自分らしく生きたい」と思いながらも、子どもや家族がいると、一歩を踏み出せないなと悩んでしまう人もいると思います。

勝さん:冷静に考えるほど踏み出せなくなり、行動できなくなることも多いと思いますよ。私は28歳で起業しましたが、そのときに借金を背負い、仕事もやめていて、結婚を考えていた彼氏には「起業するなら別れる」と言われ、婚約者もいなくなりました。心配をかけるから、親にも言えない。冷静に考えたら、こんなタイミングで起業しないですよ。やるべきじゃない。

だけど会社員も向いていないし、結婚して専業主婦になるのも向いていない。ただ、やりたいことだけはある。だから起業するしかなかったんです。

――起業や人生の選択など、一歩を踏み出そうと考えているママたちは、どうしたらいいですか?

勝さん:悩んでいるうちは、やらない方がいいかもしれないですね。というのも、飛び出すべきタイミングが来ていないのに飛び出すと、あとで本当にそれで良かったのか考えてしまうと思います。でも、人生には周期があって、限界を超える必要がある瞬間や大変な時期というのが訪れます。そのときに自分にとって本当に大切なものや変えるべきものが明確になるはずです。

――いまの生活が安定していて、自分らしく生きたいから何かをやりたいと悩むママたちもいます。その場合、必要なことはなんですか?

勝さん:覚悟です。私は、会社を立ち上げたときからずっと「100年先まで愛されるブランドを作る」って言い続けているんですね。仕事だから、いいときもあればそうじゃないときもあります。でも、やると決めたら大変なことがあっても前に進み、乗り越えるだけです。

応援してくれる家族がいたら頑張れる

――不安になって足がすくむことはないですか?

勝さん:不安は、ちょうどいい刺激だと思っています。たとえば、人前で話をする場合、失敗しないか不安になるから事前に練習しますよね。「不安を感じる=現実が見えている」ということなので、とてもいいことだと思います。

不安を感じてそのまま立ち止まる人もいるかもしれませんが、私は一歩踏み出してもいいと思いますよ。失敗しても家族がいて、自分を愛してくれる最愛の子どもがいるママは、私からしたら最強ですよ。もし失敗しても、「何が失敗なの?」と思うんですよね。

――支えてくれる家族がいるのは心強いですね。

勝さん:私は2023年に初めてパリコレに挑戦しましたが、かなりハードな経験でした。終わってから1ヶ月間くらいは、放心状態が続いたほどです。

パリコレへの初出展は、私にとってすごく大きな挑戦だったんです。でもパリコレという目標に向かって高く飛んだ後に、着地する場所がないとも感じました。「着地する場所」とは、家族や自分自身の居場所のことです。このような着地点がないと、高いところからの着地は非常につらいものです。私は初めてその苦しさを、身をもって実感しました。

――たしかに、家族に「おかえり。頑張ったね」と言われたら、それだけでかなり心が癒されそうです。

勝さん:「子どもがいるし、時間がないからできない」と感じることもあると思います。そんなときは、今できることを見つけて少しずつ挑戦していったらいいと思います。私からしたら家族や子どもは最強の応援団ですよ。応援してくれる家族がいて、しかも「ママ大好き」と言ってくれる子どもがいたら、それだけでものすごく頑張れるし、たとえ失敗してもまた次に挑戦する勇気もわいてくると思います。家族の応援を受けながら、自分の夢や目標に向かって少しずつ前進していきましょう。

第3回へ続く。

取材、文・長瀬由利子 編集・kunel イラスト・よし田

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