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ランドセルは小学2年生で背負うのをやめました【Re.muse勝友美さん・第1回】

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テーラー業界では日本初となるパリ・コレクションに出展した、オーダーメイドスーツ店「Re.muse」(レ・ミューズ)。今回ママスタセレクトは、28歳で「Re.muse」を創業した代表取締役の勝友美さんにインタビューしました。華々しい活躍を続けている勝さんが、ブレない信念を持ち続けられている秘訣とは……? 第1回目は子ども時代の経験から大人になった今、「自分らしく」生きるために心掛けていることを伺いました。
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幼少期の挑戦と病気への向き合い方

――2023年はパリ・コレクションにも出展されています。現在の活躍にいたるまで、どんな幼少期を過ごされたのか、気になるママも多いと思います。子どもの頃はどんなふうに過ごしていたのでしょうか

勝友美さん(以下、勝さん):私は、3歳で病気を患い入退院を繰り返していました。そのため幼稚園や小学校では、体育の時間はいつも見学。特に幼稚園のときなどは、体操をする機会もほとんどなかったので、みんなと同じ体操服を買ってもらえませんでした。たまに体操に参加できるときは、私だけがみんなと違うTシャツと短パンを履いていて、ちょっと居心地の悪い思いをしたことを覚えています。

――子ども時代のことで、印象に残っている出来事はありますか?

勝さん:5歳くらいの頃かな。クラスの子たちとかけっこをしたときに、みんな一斉に同じ方向に走ったのに、私だけが逆方向に走って。それをみて園の先生は「この子はこれでいいんです」と言ってくれたんです。

母はそれを聞いて「いや、絶対にうちの子まずいでしょ!」と思ったらしいんです(笑)。だけど私が28歳で起業することになったとき、「みんなと同じことをすることだけが正解ではないと先生は伝えたかったんだろうな」と当時を振り返っていましたね。

――勝さんは、幼い頃から自分の意思をしっかりと持っていたのでしょうか。

勝さん:自分自身、とくに意識していたわけではないのですが、「みんながやるなら自分も!」みたいな感覚はなかったですね。

ランドセルは自分には似合わない

――勝さんは、小学校2年生頃からランドセルを背負わず登校されていたそうですね。

勝さん:ランドセルがあまり好きではなくて、自分には似合わないと思っていました。当時住んでいた地域では、小学校高学年頃からランドセルのかわりに自分の好きなカバンで登校する子が多かったんです。私は2年生だったので、ランドセルを背負わなくなるのがみんなよりちょっと早かったくらい。

――ご両親はどんな反応でしたか?

勝さん:大人になってからランドセルの件を母に聞いたら「気づいてなかった」と言っていました(笑)。ただ、私は幼い頃から他の子とは異なる行動をとっていたので、母からすると「子どもってそんなものかもしれない」という感覚だったようです。私自身、それが将来何かにつながるとは思っていませんでしたし、両親もそう考えていなかったと思います。

できない部分も含めて今の自分に満足

――勝さんは「今の自分に100%満足している」と感じているそうですね。

勝さん:「100%満足している」の意味は、自分の欠点や劣っている部分も含めて自分自身を100%好きでいることが大事、という意味です。私が誰かと比べて優れているわけでも、完璧なわけではありません。できない部分も含め、100%自分が大好きだと思えるんです。そういう価値観でいるほうが、圧倒的に幸福度が高いと思っています。

自分の生き方に100%満足することはたぶん死ぬまでないし、逆に満足したと言ったら、さぼってしまうかもしれない。結局人生は、すべて捉え方次第だと思います。私は38年間生きてきて、この考え方のおかげで「自分らしい生き方」ができているなと感じます。

――そう思えるのは、ご両親の影響が大きいのでしょうか。

勝さん:両親の影響はあると思いますが、今の自分の考え方を両親から教えられて育ったわけではないです。ただ何をやっても、何があっても信頼してくれるので、やっぱり私のなかではすごく大きい存在だなと思っています。

自分らしく生きるために考えるべきこと

――勝さんのように「自分らしい生き方をしたい」と感じている方も多いと思います。

勝さん:今「自分らしい生き方」が注目されていて「やりたいことが見つからない」「見つからない自分はマイナス」みたいな風潮がありますよね。でも正直、私からしたらまったく気にすることはないと思います。周りの人を見ても、本を見てもきっと答えはないんですよ。自分が心地いい場所を見つけられるのは自分だけ。自分が何を大切にしていきたいのかを知る、それだけでもいいと思います。

――つい他人のことが気になってしまうママもいそうです。

勝さん:仕事で活躍したい人もいれば、家族と一緒にいることが心地いい人もいますよね。どれが正解で不正解ということはないと思いますよ。みんなそれぞれ描きたい絵があるならば、同じ絵を描く必要はないんです。「本物そっくりにかけた人がうまい人=成功している人」みたいに感じる人もいるかもしれませんが、どれがいいかは人それぞれ違いますよね。

自分らしく輝くためには、他人と比較して落ち込んだり優越感に浸ったりするのではなく、自分自身の内面の声を大切にすることが必要です。それぞれの個性や才能を生かし、自分が本当にやりたいことを追求すること。自分自身が今の生き方を肯定できたら、人生の満足度は自然と上がってくると思います。

第2回へ続く。

取材、文・長瀬由利子 編集・kunel イラスト・よし田

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