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<最高のママ友は元カノ>【第4話】家族ぐるみのBBQでおしゃれをしてきたママ友。楽しい時間の先に

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前回からの続き。シングルマザーだと語ったメグミは、実家との確執があると告白しました。事情は違えど、マサエと同じように、自分の実家からは遠く離れて子育てするママだったのです。そのことでマサエとメグミの関係がより深くなっていきました。

マサエが楽しみにしていたBBQの日がやってきました。いつもとは違う雰囲気に息子も興奮して、あっちに行ったりこっちにきたり、そわそわとしているようです。肉や野菜を皿に盛っていると、「ピーンポーン」とインターホンが鳴りました。どうやらメグミ親子が来たようです。玄関を開けると、彼女の満面の笑みが見えました。ベージュのワンピースが彼女の色白の肌を際立たせています。今日は一段ときれい……。

「こんにちは。お言葉に甘えてお邪魔しちゃったけど、本当に大丈夫だった?」
「大歓迎だよ! さあ、あがって! タイキ君もいらっしゃい。パパ、メグミさんいらっしゃったよ」

部屋の奥に声を掛けると、すぐさま旦那のユウゴが顔を出しました。

「あ、どうも。こんにち……は」

一瞬ですが無言の間があったような感じでしたが、マサエの気のせいだったのかもしれません。メグミは初めて会うマサエの旦那さんに緊張したのでしょうか。少しうつむきました。そして遠慮がちに包装紙に包まれた箱を差し出します。受け取ると、かすかに箱から甘い匂いがこぼれてきます。

「あら、ありがとう。なんだか気をつかわせちゃったね」
「ううん……はじめまして。小山内メグミです。今日はお招きありがとうございます」

メグミは、おずおずとユウゴに挨拶をしました。

(あれ? 声が小さい。いつもはしっかりしているメグミさんらしくないな。ユウゴもなんだか緊張している?)

マサエはそう思いました。

「は……はじめまして。いつもマサエがお世話になっているみたいで。デザートもありがとうございます」
「いえ、大したものでは……。こちらこそ、マサエさんにはいろいろ話を聞いてもらっていて」

まるでお見合いをしている男女のように2人ともおずおずとしているので、マサエはおかしくなってしまいました。

「ふたりともカタいよ! さあ、じゃんじゃんお肉焼いて食べよう!」

そう言うとメグミの耳元でささやきました。

「ゴメンね。ウチの旦那、人見知りでさ」
「う……うん」
「どうしたの? 何かあった?」
「ううん、なんでもないよ。お肉が楽しみ」

旦那がせっせと乗せていく肉がBBQコンロの上でジュージューと音を立てています。庭で子どもたちは大はしゃぎ。ごはんもそこそこに走り回ったりジャンプしたり、思い切り遊んでいます。大人たちは炭火で焼いた牛肉に舌鼓を打ちました。気づけば辺りに響く声は大人のものだけになりました。どうやら子どもたちは遊び疲れて、リビングのソファーで寝てしまったようです。メグミが言いました。

「マサエさん、子どもたち寝ちゃっている。ゴメンね。起きたら帰るね」
「2人ともたくさん食べて、たくさん遊んで疲れちゃったのね。こっちのことは気にしないでいいから、ゆっくりしていって」
「ありがとう。でもまた夜寝なくなるといけないし、30分くらいしたら起こして帰るね」
「また遊びにきてね! ウチはいつでもウェルカムだよ! ねえ、ユウゴ?」
「あ……うん」

ユウゴが適当に返事をしました。

(初めて会ったママ友とのBBQに疲れたのかな。さて片づけは明日にするとして、洗いものだけはすませなくちゃ)

そう思ったとき、マサエははたと食器洗い用の洗剤がなかったことに気づきました。

「洗剤切らしていたのを忘れてた。子どもたち寝ているし、ちょっと今からドラッグストアまで買いに行ってきてもいい?」
「おい、そんなの後でいいだろう? お客さんが来ているのに」
「だってBBQの道具を洗うのにも使うから。メグミさん、すぐ戻るからちょっと行ってきてもいい?」
「私は大丈夫よ。マサエさん、行ってきて」

メグミが快く返事をしてくれました。旦那と親しい友だちの存在は、普段子どもを置いてちょっと買い物に行くということができないマサエにとって、解放された気持ちにさせてくれました。マサエは車に乗り込むと、近くのドラックストアへと発進させました。

ユウゴはメグミと2人きりになります。ユウゴは沈黙に耐え切れず、ついに口火を切りました。

「久しぶり……」
「ほんとう……」

メグミが答えます。2人はコンロの火を見つめました。

【編集部のコメント】
マサエの実家から送られてきた肉を食べ、大人たちは子育ての話に花が咲き、子どもたちは非日常の空間を満喫したようです。みんなの満足した顔はマサエにとっても、ご褒美のようなものですね。信頼のおける2人の大人に子どもを預けられるという状況は、ママにとって嬉しいもの。でもマサエのいなくなった席で、怪しい会話が交わされました。どうやら2人は、「初めまして」の関係ではなかったようです……。

【第5話】に続く。

文・編集部 編集・ここのえ  イラスト・Ponko

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参考トピ (by ママスタコミュニティ
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