いつでも、どこでも、ママに寄り添う情報を

<子ども嫌いのママ>【後編】ちゃんと育てているなら「子どもが苦手」と思うくらい、いいのでは?

011_働くママ_マメ美
前回からの続き。子どもが嫌いだった私が、思いがけず妊娠。出産すれば自然と母性スイッチが入るのだろうと思っていたけれど、実際に産んでみたらそんなものは見当たらず……。「この子をちゃんと育てなければ」という責任感に押しつぶされてしまった時期もありました。
その「責任感」を「愛情」というならば、私にも愛情はあります。わが子がケガをしないか、病気にならないか、給食はちゃんと食べられているか、お友達と仲良くしているか……そんな心配も常にしています。愛情はゼロじゃないし、寝顔を見ながら「かわいいな」と思う夜もあります。

でもやっぱり私は「子どもが嫌い、と思うくらいいいんじゃないかな」と考えています。

子どもの行事で泣いたことはありますか?

たとえば初めて娘から母の日のプレゼントをもらったとき、お手紙をもらったとき、私は感動で泣いたことはありません。友だちの結婚式だったらギャンギャン泣いてしまうのに(笑)。子どもの行事で泣いたことはないのです。「よかった、ここまで育った。ありがたいな。かわいいな」はあるのですが……成人式には「ああ、これで私はいつ死んでも大丈夫」と安心して泣くかもしれません。高齢で産んだひとり娘だから、というのは多分にあるでしょう。

どこか客観的に子どもを見ながら育てている自覚はあります。それに「産まれてきてくれてありがとう」なんて、こっ恥ずかしくてできません! でも私と同じようなお母さんって、実はたくさんいるのではないでしょうか。声に出して言わないだけで……。

経験していない領域に踏み込むのは怖い

そもそも私は「人」は好きなんです。相手が大人だったら、少々変わった人でも「そういう人なんだな」と思って付き合えます。でも相手が子どもになると「得体が知れないから嫌い」となってしまう。「わ~、どうしよう。どう接したらいいんだろう?」となってしまうのです。「子を持つ母親として接しなければ」という意識が出てきてしまうのかもしれません。だから接点を持ちたくないと思ってしまう面もあります。

わが子と同じくらいの年齢までなら、自分に経験があるので「ああ、娘もこんな感じだったな」と不安にならずに済むのですが……。娘よりも年が上だったり、性別が違ったりすると、どう扱っていいのかわからなくなってしまいます。

経験がないという意味では、これから先、娘が思春期になったときが怖いです。わが子のことが嫌いになってしまうかも……と不安ばかり。もし私が子ども好きで愛情がたくさんあったら、子どもの思春期や反抗期も乗り越えられるんじゃないか、と考えてしまうのです。そう思ってしまうこと自体、まだまだ私が未熟だからかもしれません。これから先も、自分と向き合うことになりそうです。

それでも、子どもを産んでよかった

「そもそも子どもが嫌いなら、産まなきゃよかったじゃないか」と言われたら? 「ねぇ~」と答えるしかありません(笑)。だってもう産んでしまったから。今子どもが存在しているのに、「産まなきゃよかった?」という質問には、イエス・ノーで回答できません。でも「産んでよかった」とは言い切れます

私は、子どもを産んだら私の世界は狭くなると思っていました。でも実際は世界が広がりました。子どもの世界と私の世界の一部が重なって広がったような感じです。それに子どもを産んで勉強になったことはたくさんあるし、修行にもなっています。それは子どもを好き・嫌いとは別の話です。

子どもを持てない人、持たない人、それぞれ事情があります。「子どもが嫌い」と表立って言いづらい状況はありますよね。でもそんな事情を無視して言わせてもらえるならば……「お母さんだけど、子どもが嫌いって思ってもいい」「そういう感覚を持っていい」と知って救われる人はいるんじゃないでしょうか。「私は子どもが嫌い」と誰かに伝えたり、ネットに書き込んだりしなくてもいいんです。ただ「思っちゃいけない」と自分を追い詰める必要はない。「自分と同じようなことを考えている人がいる」そう知ってもらえたら嬉しいです。

【人気】の記事:ママたちがちょっと気になる”日常の当たり前の中にある疑問”とは?

文、インタビュー・千永美 イラスト・マメ美

【つぎ】の記事:<無視する旦那・すれちがい夫婦>何も主張ない旦那、夫婦の話し合いできないんだけど【第1話まんが】

関連記事

<子ども嫌いのママ>【前編】女性だったら母親だったら、子どもを好きなのは当たり前?
こんにちは。ママスタセレクト編集部のKです。小学校低学年の娘がいます。子育てをするなかで、わざわざ主張するほどではないけれど、「こんなことを考えているのは私だけじゃない。いや、きっと結構いるはず!...
<新米ママ>【前編】家事と育児を両立できないダメな母親。優しい旦那さんにも当たり散らして……
赤ちゃんを出産した直後は慣れない育児に追われて、パニックに陥ってしまうママたちも少なくないでしょう。「全部きちんとこなさなければ!」と考える完璧主義な人ほど、頭が真っ白になってしまうこともある...
<マイホームvs賃貸>【前編】1LDKの部屋に家族4人暮らし。引っ越したいけど旦那は「必要ない」
夫婦間で意見が合わず困った経験があるママは少なくないことでしょう。その原因が「大きな買い物」となると、しっかりとした話し合いが必要になるかもしれません。 『私は昔からマイホームが夢です。子ど...