<旦那が行方不明>帰ってこなくなった旦那との、いきなりの再会は【第19話】
前回からの続き。家族で夕食のオムライスを食べたあと、突然旦那が家を出て行きました。携帯は家に置いたままで、連絡もつきませんでした。会社に電話すると、もう辞めているとの返事。義実家に連絡しても何も知らないようでした。旦那の同僚から聞き出した手がかりを頼りに、やっとのことで見つけ出した旦那はシングルマザーの同僚と一緒に暮らしていたのです。彼が元気なことを確認して、安心した私は離婚を決意します。実家に帰り、新しい生活を始めた私の元に、なんと旦那が姿を現して……。
旦那が帰ってこなくなってから、子どもたち3人と実家に戻った私。しかし新生活は、そう簡単にうまくはいきませんでした。
子どもたちは保育園に入ることができましたが、友達ができず、周りの保護者から「都会からの出戻りの親子」と噂される始末。さらに生活が一変した実母もイライラして声を荒らげることが増え、家の中は緊張感が漂っていました。
子どもたちに悲しい思いをさせて、つらい気持ちでいっぱいになっていた矢先、旦那がいきなり私の前に現れました……。
「あぁ。全部終わったんだ。迎えに来たから、一緒に戻ろう」
訳がわからない……。しかも一緒に帰ろうだなんて勝手すぎる……! 久しぶりのパパとの再会に喜ぶ子どもたちでしたが家の中に入ってもらい、旦那と外で話し合うことにしたのです。
声を荒らげないようにと思いましたが、気持ちが抑えられません。強い口調で旦那に詰め寄ります。
「勝手なことばっかり言わないでくれる?」
「ごめん。でも帰ろう?」
「あなたは私たちを捨てて、あの女のところに行ったんでしょ?」
「そこは言い訳しないよ。……でも捨てたつもりはないし、はじめから離婚するつもりもなかったんだ」
「黙っていなくなっておいて、よくそんな大ウソがつけるわね」
急に姿を消して他の女と暮らしておいて「離婚するつもりはなかった」だなんて! そんなこと信じられるはずがありません。旦那は必死で私を説得しようと話し続け、そこで思いもよらなかった旦那の本音を知ることになりました……。
旦那は何か吹っ切れたような顔で、私の目を真っすぐ見てゆっくりと失踪した経緯を語り始めました。
「俺たち……ちゃんと夫婦として向き合ってこれていたのかな?
少なくとも俺は、お前に弱っている自分をさらけ出すことができなかった……家事も育児も完璧なお前の前だと、ますます自分が情けない人間に思えて、自分の不甲斐なさに苦しくなって……お前たちから逃げ出してしまったんだ……」
それは初めて聞いた旦那の胸の内。旦那のしたことは到底許せることではないけれど……私の振る舞いが旦那を追い詰めていたのかもしれないと初めて気づきました。
結婚して初めて聞いた旦那の本音だったのかもしれません。家を飛び出したのは私も原因のひとつだったの……?
「私……別に完璧なんかじゃ……」
「でも、本当に勝手な言い方だけど、離れてみて身に染みたんだ。お前たちが誰よりも大切だって……お前たちと一緒にいたいって……。本当、気づくの遅いよな。いきなり信用してくれなんて思わない。でももう一度チャンスをくれ。今度こそ本当にお前たちを幸せにするから」
「そんなこと言って、また弱ったらあの女のところに戻るんでしょ?」
「もう二度と連絡を取ることはないよ。それこそ信用してもらえないけど、本当に浮気とかじゃないから」
「…………まだ言うか……」
「な。一緒に帰ろう。もう一度家族として一緒に暮らそう」
一緒に帰ろうという言葉にどう返事をしていいか戸惑っている私に、何度も頭を下げ、力強い口調で訴え続ける旦那。
「もう一度信じてください! お願いします」
<編集部コメント>
何ケ月も続いたサトルの帰宅拒否に苦しめられたゆき。急に行方がわからなくなったサトルのせいで、大きな不安と恐怖を感じたことでしょう。北村るみの家で、家族ともども同棲をしていたと知って、傷つき打ちのめされたに違いありません。離婚を決意して、3人の子どもを女手一つで育てていくという覚悟は、そうとうなもの。でもゆきはそれを実行したのです。今さらのこのこと現れて、「離婚するつもりはなかった」と言ったサトルの「軽さ」に、ゆきと一緒に憤るママたちもいるのではないでしょうか。3人の子どもには父親が必要と考えていること、実家での暮らしがうまくいっていないこと……浮気はしていないと言い張るサトル。どちらに転んでもなかなか苦しい状況です。ママたちはゆきと同じような状況に陥ったとき、旦那さんを受け入れることができますか?
文・渡辺多絵 編集・編集部 イラスト・なかやまねこ
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