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<旦那が行方不明>久しぶりに旦那が帰ってきた!家族で楽しい食卓になったのに【第6話】

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前回からの続き。家に帰ってこなくなった旦那の携帯に、親しげなメッセージを送って来る「るみ」という女性に、思い切って私は電話を掛けてみました。でも彼女はちっとも悪びれることなく旦那とのつき合いを話し、挙句に「自分の子どもと仲よく遊んでいる」と言い出したのです。

私はその後、旦那には「旦那の携帯から、るみに連絡を取ったこと」は伝えず、悔しさに満ちたあの出来事を、私は心に秘めて過ごしました。数日後、いつもよりも早い時間に旦那が仕事から帰ってきました。「ただいま~!」かつての旦那と変わらない、機嫌が良さそうな声です。

「あ、パパだ! パパおかえり~!!」「おかえりなさ~い!」

いつもより早い父親の帰宅が嬉しい子どもたちは、玄関に向かって駆け出します。「おー、いい子にしてたか?」旦那は子どもたちを抱きしめました。私もきっと優しい笑顔になっていたことでしょう。その視線に気がついた旦那は私に向かって優しく微笑んでこう言ったのです。

「久しぶりに、お前の作ったオムライスが食べたいな」

涙が出そうでした。私たちのところに帰ってきてくれた。それだけでもホッとすることができたのに、珍しく料理のリクエストがあったことで、私は張り切って夕食の準備をはじめました。

キッチンから見えるこの景色。私が料理を作っている間、旦那はずっと子どもたちと楽しそうに遊んでいる。「パパは疲れているんだから、ほどほどにしてよ~!」注意する私と、その声が聞こえていないのか、旦那と一緒に大笑いしている子どもたち……。つい数ヶ月前の「わが家」が戻ってきたようでした。今日一日の何気ない話をしながら、家族で囲む久しぶりに夕食。最後に旦那が「ありがとう、美味しかったよ。ごちそうさまでした」私の作った料理に手を合わせ、笑顔でお礼を言ってくれました。「やっといつもの旦那に戻ってくれたんだ……」私は嬉しくなって「また作るね!」と。その約束を聞いた旦那はただ微笑んでいるだけ……。再び訪れた“日常”という幸せを噛みしめることに夢中で、私は旦那の表情から何も感じることができませんでした。

翌朝、目覚まし時計がなり、目を覚ますと隣に寝ていたはずの旦那がいません。「先に起きてるのかな……?」ベットから出て旦那を探しましたが、リビングにも、キッチンにも、トイレにも、他の部屋にもいません……。

……いない……。一体どこに……?

ふと玄関を見て見ると、旦那の携帯が置かれていました。

そして、その日から、旦那がこの家に帰ることはありませんでした。

<編集部コメント>
数カ月ぶりに家族に流れた穏やかな空気。ゆきはさぞ安堵したに違いありません。でもそれはつかの間の平和だったようです。サトルは携帯電話を置いて、家出をしてしまった模様。こんな状況で会社に電話を掛けたり義実家に連絡したりすることは、少し気が引けるかもしれません。それでもママたちはすぐに探しますか? それともしばらく放っておきますか? ママの考えかたひとつで選択肢はかわりそうです。

【第7話】に続く。

文・渡辺多絵 編集・編集部 イラスト・なかやまねこ

※この話は体験者本人のご協力の元作成しています。

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