<親として情けない>わが子の発達障害をまだ受け入れられない。当事者のみなさん、乗り越えましたか?
わが子が発達障害と診断されたママから苦しい胸の内を綴った、このような相談がママスタコミュニティに寄せられました。
『親として情けなく思うのですが、わが子の発達障害をうまく受け入れられず、辛いです。みなさんはどのように受け入れたり、乗り越えたりしましたか?』
脳の働き方が生まれつき違い、それにより行動面や情緒面に特徴がある発達障害。発達障害には、自分の気持ちを相手へ伝えたり、相手の気持ちを読み取ることが苦手な「自閉スペクトラム症」、落ち着きがなく待てない、ミスが多いという特性がある「注意欠如・多動症(ADHD)」、学習障害(LD)などがあります。
大切なわが子に発達障害の疑いがあったり、実際に診断されたりすれば親はわが子の将来の社会的生活に思いをめぐらせ、ショックや混乱、不安を感じるのは当然なのかもしれません。また投稿者ママのように受け入れ方が分からず、悶々と育児の日々を過ごすことも珍しいことではないはず。ママスタコミュニティのママたちは、投稿者ママにどのような言葉を寄せるのでしょうか?
「わが子の将来を考えると、不安が押し寄せる」ママたち
まずはわが子の発達障害を「なかなか受け入れられない」と打ち明ける投稿者ママに、深く共感するママの声をご紹介します。
『簡単に乗り越えられないよ、当たり前だよ。進学できるのか、就職できるのか、親亡き後生きていけるのか、不安でたまらない』
『うちは3歳のときに診断され、今は中学生。明らかに健常の子とは違うと思っているのに、乗り越えたとは言えないな。私はたぶん一生こんな気持ちなのかなと思う。とにかく自分が長生きして、子どもの居場所を見つけてあげるのが目標』
子を思うがゆえ、ママが憂えるわが子の将来。わが子の幸福な未来を用意したいと切望しながらも、それが叶えられるか分からない現実に、歯痒さや焦りを感じている気持ちがひしひしと伝わってきます。一方で乗り越えたとまでは言えないけれど、わが子の居場所を見つけるのが目標と、不安を受け止めるママの強さも垣間見られましたね。
「わが子の発達障害、私はこんな風に受け入れました」
投稿者ママのように途方に暮れていた時間を経て、わが子の障害を受け入れたママからはこんな経験談が寄せられました。
『私は日々子どもの「ありのまま」を見ていたら、そうだよなと受け入れられるようになったよ』
『悶々としてるうちに時間が無駄に過ぎてしまう。「とにかく療育。今できることを!」というポリシーで乗り越えてる』
『療育の先生が「ママ頑張ってるね」などと褒めてくれて、単純に自信がついた。それから親子で旅行して無事に帰れたときとか、「こんなことができた!」と成長を感じてまた自信がついた。この子の成長には自分が必要なんだと気付いて、そんな風に思ったら苦しくなくなった』
停滞していた心の時間が、ふたたび流れ出したのを感じるコメントですね。そのタイミングやきっかけは、もちろん人によってさまざまでしょうが、どのママもハッと気付かされるような思いに至るのではないでしょうか? できることを積み重ねていこうと悟ったママの姿からは、親として学ぶところが多い気がしますね。
外部に頼ることで、良いきっかけが生まれることも。
投稿者ママが前を向くきっかけになればと、具体的なアドバイスをくれたママも登場しました。
『発達障害と診断がつく前は、人に育て方が悪いと言われたり、私自身「産まなきゃ良かった」と思ったりした。でもね、子どもに合ったケアを早めに受ければ、まとまりがついてくると思うよ。息子は今26歳だけど障害者枠で仕事ができてる。将来を見据えて、より自立できるようにしたいと思ってるよ。溜めこまずに専門家に相談するとかして、少しでも気を楽にしてね』
『「普通」にとらわれないことが大切だと思う。発達障害の子でも、そうじゃない子でも、個性があって比べたらきりがない。適切な支援を受けて、みんなで頑張ろうという気持ちを大事にするといいかも』
子どもに対しては専門の適切な支援を施し、ママ自身は悩みを分かち合ったりできる場を見つけることが大切なのかもしれませんね。ママがもやもやしている現状を打破できるような希望をどこかで感じ取ることができれば、それがママの自信やお子さんの幸せに繋がっていく可能性もあるのではないでしょうか。
「ときの流れ」と「ありのままの気持ち」を味方につけて
「子どもの発達障害を受け入れられない」とトピックを立てた投稿者ママ。発達障害のわが子を受け止めきれず、無理やり自身を奮い立たせたり、親としての自分を責めたりすることもあるのかもしれません。ここまで先輩ママたちの経験談やアドバイスに触れてきましたが……。最後は、投稿者ママの心情にそっと寄り添うようなママスタコミュニティのママたちの言葉をご覧ください。
『無理に頑張らなくても、ときがたてば自然と対応を考えられるようになって、いつの間にか受け入れてるんじゃない? 結局は時間が大切なんだと思う』
『時間がかかるのは仕方ないよ。私は人に「うちの子、発達障害なんだ」と話すのが辛くて、3年かかった。今はとりあえず、目の前のできることをしよう』
『いい母親になろうと思わなくていいと思う。素直に自分の気持ちを認めたら少し楽になるのかも』
ママたちのコメントからは、長い年月のなかでやっとわが子の障害を受け入れられるようになったということを感じ取れますね。苦悩した過去を経て語られる言葉からは、重みや深みを感じざるを得ません。ひとりのママが「自分の気持ちを認めれば楽になる」と話したように、ママの感情を善悪関係ない部分で認めてみれば、煮詰まる気分も少し解放されるかもしれませんね。ときの流れを味方につけ、自分の感情を蔑ろにせずに日々を重ねれば、わが子に向き合うためのヒントが見えてくる可能性もあるのではないでしょうか。そして目の前のできることを積み重ねていくこと。これが苦しい今を幸福な未来へ繋ぐ、極意なのかもしれません。
いつしか、投稿者ママがお子さんと屈託なく笑い合える日がくることを願って。
文・みちはら宵子 編集・きなこ イラスト・Ponko
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