<両親へのお金は?>身内の話し合いに冷静な夫「金銭の援助は最終手段」【第8話まんが:姉の気持ち】
前回からの続き。これは最近のお話です。私は3きょうだいで育ったアユミです。母親の違う5才年下の弟(サトル)と、8才年下の妹(コハル)がいます。私を産んだ実母は3才のときに亡くなり、父の再婚相手である現在の母からは明らかなきょうだい差別を受けて育ちました。しかし弟と妹は母から愛情を注がれて育ったため、私が実家への仕送りを渋っていることを「信じられない」と言います。私(アユミ)の夫のケンジも立ち合い、きょうだいで話し合いをすることになりました。
私は2人に質問をします。「親が子どもを育てるのは当たり前なんじゃないの?」コハルは「確かにそうだけど、その当たり前に胡坐をかいて親が困っているときに手を差し伸べないのは違うんじゃない? まぁ、お姉ちゃんは子どもがいないから分からないよね」
「私に子どもがいるとかいないとか関係ある? 子どもを育てることがいかに大変かなんて考えればわかるわ」「いや、俺も子どもが生まれる前はそんなこと思わなかったけれど……子どもが生まれてから、自分が親の立場になったことで改めて気がつくことって多いんだよ」そう語る兄に姉は「ふーん……。でもそれはこんなことしてもらったって思い返せるくらい、いい親子関係だったってことでしょ?」
「え?」姉からの思ってもみない反論に私たちは言葉がでません。義兄のケンジさんが「とりあえず現実的なことを話そうよ。……まずさ、ご両親はまだ60代半ばだよね?」「はい」
きっと私がきちんとした説明をしたとしても、2人に私の言葉は届かないでしょう。ケンジからの言葉なら落ち着いて聞いてくれるはずです。「きょうだいみんなで手を差し伸べることも大事だけど、今この時点でご両親が子どもからの援助を受けないと生活が苦しいっていうことがまず問題じゃないかな?」
「人間のサガでさ……一度お金をもらったら、また次ももらえると期待してしまうものなんだよね。今からご両親の生活を援助する前提でいたら、この先どうするの? 自分たちの生活や人生もあるのに、ご両親の生活をずっと支えていけるの?」「それは……」
「2人にはお子さんがいるよね? そのお子さんたちが成長すれば今よりもっとお金がかかると思う。そのとき援助ができなくなったからって子どもがいないこと理由にアユミに全部任せるつもりなのかな?」
当事者になるとつい感情に任せて突っ走ってしまうこともあるでしょう。第三者ならではのケンジの言葉を、弟も妹も黙って聞いていました。元はといえばこの話し合いの場が持たれたのは、私が両親へ援助を「する」「しない」という話からです。しかしその前に、両親への仕送りや金銭援助の話を進めるのが妥当かどうかを検討しなくてはいけません。冷静に話してくれるケンジの存在に救われたのでした。
【第9話】へ続く。
原案・ママスタコミュニティ 脚本・渡辺多絵 作画・猫田カヨ 編集・井伊テレ子