【コラム:くわばたりえ 干し野菜ってこんなに美味しいん?! 】第5回 くわばたりえさん 向後さん対談 後編
(くわばた)
干し野菜を食べると、つわりが楽になるって聞いたんですけどほんまですか?
(向後)
どうでしょう(笑)。干し野菜を食べることで直接つわりが楽になるとは言い切れませんが、私は1人目を妊娠したときつわりがかなりひどかったんですけど、食を見直して、野菜中心の食生活にしたら2人目の妊娠は、つわりがすごく楽だったんです。
(くわばた)
やっぱりそうなんやぁ。私、干し野菜を紹介する番組で聞いたなぁって思いだしたんです。
友達にもつわりがひどい子いるから、干し野菜教えてあげたら良いですね!
(向後)
干し野菜は妊婦さんやママにとって大切な栄養素がたくさん摂れるんです。大根は生大根と比べて干すことにより、野菜に含まれるカルシウムが20倍、鉄分50倍、食物繊維が23倍ほど増すので、日々の食生活で必要な栄養素をしっかり摂取できるのが干し野菜なんです。水分が飛んでしんなりして、かさも減るのでたくさんのお野菜を食べることができます。あとは、体重管理も妊婦中は大変ですよね。干し野菜は食感がよくたくさん噛むのでおすすめですよ。
(くわばた)
へぇ~! それは、絶対知っていた方が良い情報ですね!
最近、スーパーで売ってる野菜って甘みも味もあまりないなと思ってたんです。
ロケで地方の農家に行って、採れたての野菜を食べる機会があるんですけど、そういう野菜とスーパーで買う野菜は全然美味しさが違うじゃないですか?
なのに、スーパーで買ってきた野菜が、干すだけでこんなに甘みや旨味が出て、美味しくなるということにほんまびっくりしました!
(向後)
干すことで水分が減り、甘みと旨味が凝縮されるんです。太陽の光でジワジワと干すことでアミノ酸がぶどう糖などに分解されるため甘みが増します。それがくわばたさんの感じた「いつもの野菜がこんなに変わるの?」という味になるんですね。
(くわばた)
年間通して1番干し野菜を作るのに適した時期っていつなんですか?
やっぱり夏?
(向後)
干し野菜に必要なのは日差しです。洗濯物と同じで、晴れてカラッと乾燥した日ほど、野菜もよく乾きます。湿気が大敵なので、梅雨時は要注意です。
(くわばた)
そうかぁ。湿気があかんのか!
(向後)
ベストシーズンは秋~冬にかけての湿気の少ない時期です。夏も強い日差しがあるのでお野菜が早く乾きおすすめですが、夕立には注意です。
(くわばた)
最近よく見るんですよ。雑誌とかでも「野菜を干そう!」という特集があって、その中で3段くらいの網の道具を見るんですよ。あれでも良いんですか?
(向後)
もちろんです。今日も持ってきてます。あれは干物用なんですが、活用できますよ。
(くわばた)
干物用なんや? なるほどねぇ。
なぜかっていうと、うちのベランダは大きい通りに面してるから、ザルの上に乗せて干すのはちょっと抵抗があるなぁと思ってたんやけど、干物用の網に野菜を並べて、窓際に干せば良いですね!
(向後)
大丈夫ですよ! 網で干すのは風通しもよく、日が当たる窓辺など室内で干すのも鳥や虫の被害も避けられるのでおすすめです。あと、レタスやほうれん草など葉物は干してると風に飛ばされてちゃったりするので、洗濯のときに使うピンチハンガーに葉っぱを1枚1枚干す方もいるんですよ!
(くわばた)
えぇ? あの洗濯バサミがいっぱいついてるやつ? あれに野菜干すの? (笑)。
何干してんねん! て思われそうやな(笑)。面白~い!
(向後)
はじめにもお伝えしましたが、干し野菜を作るために買い揃える道具は何もありません! 家にある物で手軽に楽しく干し野菜を作っていただければと思います! (笑)。
(くわばた)
干し野菜って日本だけの物? これって、海外の人もやるんですか?
(向後)
もちろんです。海外でもドライフルーツとかドライトマトってありますよね。
もともとは、保存用として考えられていると思うんですけど、海外でも「野菜を干す」という文化はありますよ。
(くわばた)
そうやね! 確かに~。昔の人がいろいろ考えてくれてるんやねぇ。
先生が1番好きな干し野菜ってなんですか?
(向後)
私は、ニンジンの食感とカブの甘みですね! あとは、保存で絶対にするのはキノコ類。
(くわばた)
キノコは絶対良いですよね! さっきちょっと食べたエノキが美味しすぎて、あれはクセになるよねぇ。めっちゃ美味しいもん!
(向後)
おつまみにもなるし、炒め物にも、スープにも使えるので常備しておくと便利です。乾きが足りなければ、100℃にあたためたオーブンで20-30分加熱するとばっちりです。完全ドライの干し野菜を作る際は、この「オーブン仕上げテクニック」も知っておくといいですよ。
あとおすすめは、生姜ですね!
(くわばた)
生姜!? スライスして?
(向後)
そうです。干して保存しておくと、ちょっとした時に使えるんです。スープや炒め物や飲み物にもすぐ使えるので。
(くわばた)
どうやって保存するんですか?
(向後)
私は完全ドライにした状態で、ジップロックに入れて冷凍しておきます。
(くわばた)
へぇ~! いや、これは絶対やります! 道具も高いのかと思ったら何も買う必要はないんですね。
手軽に野菜が美味しく、栄養素も増える干し野菜をいろいろ教えてもらって、勉強になるわぁ。
子どもと一緒に作ってみようと思います!
向後 容代(こうごひろよ)
ベジターレ主宰。野菜を通じて日本の美味しいやこだわりを広めるベジターレ。黄金に輝くトマトジュースや野菜のブーケ、とれたて野菜と果実の生ジェラートなど、価値ある野菜を素敵なギフトに仕立てたベジギフトが大人気。野菜を楽しく育て、楽しく食し、野菜の持つビタミンカラーを観て元気になれる「楽育食観(RISM)」を伝えるベジデザイナーとして活動中。6歳、3歳の2児の母。■ベジターレ公式WEB:http://vegetare.jp/
次回は、干し野菜を使った絶品レシピ3品目のご紹介です!
お楽しみに!
取材、文・上原かほり 撮影・chiai