<続・離婚のワケ……>離婚15年「申し訳なかった」前妻の元に置いてきた息子への謝罪【中編まんが】
前回からの続き。これは最近の話。俺は妻(ゆら)と10年前に再婚して娘(みき)と3人暮らしをしています。前妻との離婚を決めたのは「人間扱いされていない」と感じたことが原因でした。家に帰っても無視をされ、話しかければ「うるさい」と怒鳴られ……。息子(ジュン)まで見下すように口をきかなくなり、絶望した俺は家を出たのです。あれから15年が経っていました。
ある日のこと、ジュンから「会いたい」と連絡がきました。いまジュンは大学を卒業し、社会人として働いていると手紙に綴られています。
待ち合わせの喫茶店に着くとジュンはスッと立ち上がり、俺に頭を下げました。実際に会うのは15年ぶりです。ジュンを見るのも中学入学時の写真が最後だったので、すっかり大人になっていて……まるで別人のようです。
2人でコーヒーを頼み、しばらくお互いの様子を探り探りで沈黙が続きました。そんななか、ジュンが話を切り出します。
「あの……父さんに謝りたくて……。俺、働き始めてやっとわかったんだ。父さんがどれだけ苦労をしていたか」言葉を詰まらせながらも、ジュンの身に起きた近況を話してくれました。
「俺、家を出ようと思っているんだ。きちんと自立したくて。その前に父さんに会って謝りたかったんだよ、本当にごめんなさい」涙ぐむジュンにいろいろな感情があふれ出します。
ジュンはしきりに謝ろうとしていましたが、謝罪をするのは父親である俺のほうです。前妻の性格に問題があるとわかっていながら、当時はジュンを置いて出てきてしまった……その判断しかできなかった。あのころと比べて、見違えるように大人になったジュン。自分なりに考えがあって、気持ちの区切りをつけるために俺に会いにきてくれたのでしょう。
「ジュンは悪くないんだ。俺がもっとしっかりしていれば……俺のほうこそ申し訳なかった……!」いままで伝えられなかった想いをやっと言葉にできました。それは、ジュンの言葉に嘘はないと分かったからです。
心から信じていた母親に裏切られたと感じたとき、ものすごいショックだったでしょう。どうかこれからは自分で選んだ道を歩いていってほしい。そして、ジュンが思う幸せを見つけていってほしい。俺は心からそう思いました。
原案・ママスタコミュニティ 構成・物江窓香 作画・猫田カヨ 編集・井伊テレ子