<空気の読めない旦那>息子にズバッ「同居しない」自分の時間が欲しい【第5話まんが:義母の気持ち】
前回からの続き。数年前の話です。私は60代半ばの西田ショウコです。夫が突然病に倒れてしまい、数ヶ月の闘病生活を経て亡くなり、いまはひとりで暮らしています。大切な配偶者を亡くしたことはもちろん悲しかったのですが、私はようやくこれから「自分の時間」を過ごすことができる……と思っていたのです。ところが息子(アツシ)がいきなり「母さんのために同居する」と言い出し、嫁のメグミさんを呼んで説得しはじめました。
「ごめんね! 同居は絶っっっっ対にしたくないの!」私はいままで溜め込んできた想いをアツシとメグミさんにぶつけます。メグミさんも巻き込んでしまって申し訳ないです。しかし、アツシには何度も伝えたつもりだったけれど、昔から人の話を聞かないというか……変にポジティブというか……。だから、メグミさんにも聞いてほしい話でした。
食事が質素になっていく理由も、私のため息が日に日に増えていくワケも……メグミさんにはすべてお見通しだったようです。「アツシがしょっちゅう来るからでしょ?」メグミさんのいうとおりで、私は深くうなずきました。
アツシは想像していなかった展開にショックをうけます。でも、わかってほしいのはアツシが私を心配してくれている「気持ち」は嬉しかったということ。そこに嘘はありません。
私は、ずっと誰かと暮らしてきました。それはそれで、とても幸せなことだったのですが……これからは「ひとり」の生活を楽しんでみたいと思うようになりました。
夫には感謝しているし、夫が亡くなったことはとても悲しいです。もともと病気が見つかった時点で、お医者さんから長くはないって言われていたから、それなりに覚悟はできていたけれど……。
“これからは第二の人生”だって思っていたところに、アツシにこう毎日来られると気も休まらなかったのはたしかで……(笑)。たまぁに顔を見せに来てくれるくらいがちょうどいいのです。
「でも、元気なうちはいいけれど……もし介護が必要になったときとか」アツシは不安そうに口を開きます。
私が将来介護が必要な状態になったとしても、しっかりお金を貯めてあるから、いざとなったら迷わず施設へ入れてほしいという意思を2人に伝えました。老後、アツシやメグミさんの世話になるつもりは一切ありません。
アツシはいままで「私のため」と思って実家に通ってくれていました。その気持ちが分かるからこそ、私もハッキリと「もう来ないで」とは言い出しにくかったのです。「来なくていい」と言っても前向きなアツシのことです。「母さんは遠慮している」と思っていたのでしょう。今回はメグミさんにも来てもらって、自分の思いをキッパリ伝えることができたので良かったです。アツシ、気持ちだけは受け取っておくからね。私のことを一番に考えてくれて本当にありがとう。
脚本・渡辺多絵 作画・猫田カヨ 編集・井伊テレ子