<空気の読めない旦那>母を思い「皆で住めば寂しくない!」同居の決意【第4話まんが:旦那の気持ち】
前回からの続き。これは数年前の話。俺は西田アツシ。父さんが突然病に倒れてしまい、数ヶ月の闘病生活を経て亡くなってしまった。母さんはずっと父さんと一緒にいたから、いきなりひとり暮らしになってしまって……絶対に寂しいはずだ。長男の俺が母さんのそばで支えてあげなくちゃ。そう思って俺は毎日のように実家に通うようになったのだが……。
いつになっても母さんの様子は変わらなかった。リビングで一緒にテレビを観ていても、どこかボーっとしている。(そうか! これじゃ足りないんだ。もっと実家にいる時間を増やせばいいのか)と俺は重大決心をしたんだ。
「……母さんと同居しないか?」俺はメグミに打ち明けた。いまの母さんには家族のあたたかさが必要だと思った。同居の話は母さんが言い出したわけじゃない。でも、寂しそうにしている母さんを見ているのはツラいんだ。母さんはいまだに俺やメグミに気を使って「自分の家庭を大切に」って言うけれど……。
メグミは母さんのことをなにもわかっちゃいない! 母さんは、本当は寂しくて心細くて仕方ないのに……強がっているだけなんだよ。
「いや、お義母さん本人が何も言っていないのに、勝手な憶測で同居なんて大切なこと決めるのもどうかと思うよ?」メグミがどこか呆れた表情で言い返してきた。
俺「もういい。俺はしばらく実家に泊まるから!」
メグミ「はぁ……もう、自分が納得するまで思う存分親孝行してきたら……?」
母さんとの同居話に納得してくれないメグミの態度に腹を立てた俺は、家を飛び出した。
「母さん、もう大丈夫だよ。俺がしばらく実家にいるからさ」大きなバッグを持って実家に帰ってきた俺を見て母さんは慌てていた。「なななななな……何を言っているの? 私は本当に平気なのよ?」俺が母さんのためにここまでしてるのに、まだ強がっているみたいだ。
母さんに俺の想いを伝えることにした。「俺は同居も考えているんだ! みんなで住めば、母さんも寂しくないし、老後も安心だろ?」メグミとはそのことでケンカになってしまったけれど、落ち着いて話せばきっとわかってくれると俺は信じている。
母さんは俺の話を聞いて、何か言いたいことをかみしめていたようだった。言葉では言い表せないくらい嬉しいんだ。俺は間違ってなかった!
母さんからは「明日、メグミさんたちを呼んでくれる? これからのことを話し合いましょう」と前向きな返事をもらえた。やっぱり母さんは同居がしたいと思っていたんだな。けれど自分から言い出せないし、メグミにも気を使っていたんだ……。やっぱり母さんの気持ちを分かってあげられるのは俺しかいない。すぐにメグミに連絡をすると、明日実家に来てくれることになった。メグミだってきっと同居に同意してくれるはず、俺はそう信じている。
脚本・渡辺多絵 作画・猫田カヨ 編集・井伊テレ子