いつでも、どこでも、ママに寄り添う情報を

<老人ホーム拒否>【後編】「自宅にいたい」と希望する人が、180度考えが変わったきっかけとは?

005_介護_Ponko (1)
前回からの続き。投稿者さんのおじいさんはもうすぐ80歳。介護が必要となったため老人ホームへの入所を勧めたところ、「老人ホームには行きたくない、これからも自宅で過ごしたい」と断固拒否されてしまいました。おじいさんの気持ちに応えてあげたいとは思ってはいるものの、フルタイムで働いているため自宅での介護は難しいようです。
家族が老人ホームを嫌がった経験があると話すママたちからは、共感の声が届きました。介護が必要になった高齢者が「自宅で過ごしたい」と考えるのは、よくあることなのかもしれませんね。

おじいさんに説得を試みるも……

さて投稿者さんはお母さんと一緒に、おじいさんへの説得を試みたようです。

『祖父には「今の状態では家での介護は無理なので、安全安心のために老人ホームに入ったほうがいい」と話しました。祖父の気持ちも痛いほどわかるとも言いました。でもどうしても嫌だと言います。病院の担当の方に聞いたら「体の状態的に介護付きの老人ホームでないと無理」と言われました』

病院の方に介護付きの老人ホームを勧められたため、今一度「介護付きの老人ホームに入って欲しい」と説得することにしたようですね。しかし……。

『何度も祖父に説明するのですが、祖父は納得してくれません。病院の方も話してくれていますがなかなか……。今は「要介護3」で、杖を使わないと歩くこともままなりません。入院前にもよく転倒していましたが、入院している間にその状態がもっと悪くなったんです。そのこともすべて祖父に伝えているのに……。祖父は母や私が手伝えばいいと思ってます。それは無理だと言ったら「1人で頑張ってみたい」と言います』

どうやら投稿者さんのおじいさんは、要介護3と認定されているようですね。厚生労働省によると、要介護3とは日常生活の動作においてほぼ全面的な介護が必要となる状態のこと。つまり着替えやトイレ、お風呂や食事などの場面すべてにおいてサポートが必要な状態なのでしょう。だからこそ介護の手が行き届く介護付き老人ホームを勧めているのですが、おじいさんは頑として聞き入れてくれません。それどころか「お前たちが介護をすればいいだろう」「それが無理ならば自分1人で暮らす」と、到底無理だとわかりそうなことを主張しているのだそう。これでは投稿者さんが困ってしまうのも当然でしょう……。

「自宅がいい」その気持ちはわかるけれど……

「お前たちが介護をしろ」「できないなら自分は1人で暮らす」と主張したおじいさんに対して、ママたちは戸惑いを隠しきれません。

『おじいさんの気持ちはすごくわかる。でも家で介護ができる状態ではないことを考えると、私はただのわがままだと思ってしまう。家族が無理して家で自分を看てくれれば、おじいさんはそれでいいのかな。家族の負担とか考えないのかな』

『そりゃあ家族のほうがわがまま言えるもんね。歳をとった親はいくら頭がしっかりしてるようでも、小さい子どもと同じなんだよね……説得は難しい』

気持ちはわかるけれど……と前置きをした上で、「おじいさんの主張はわがままだと思う」とのジャッジを下したママたち。投稿者さんやお母さんは、決して「介護をしたくないから」という理由でおじいさんに老人ホームを勧めているわけではありません。おじいさん自身の安全や家族の負担を考えると、老人ホームへの入所がいちばんいいと考えた結果でしょう。その気持ちを無下にするようなおじいさんの主張は、ややわがままだと捉えられても無理はないのかもしれません。

老人ホームのイメージを変えてもらおう

『無理矢理入れたくはないけど家族も疲れちゃうよね……』

投稿者さんやお母さんだって無理強いをしたいわけではありませんよね。しかしこのまま自宅介護を選択したらおじいさんの介護で疲れ果ててしまうかもしれません……。なんとかしておじいさんに納得してもらう方法はあるでしょうか?

『デイサービスやショートステイを使って慣らしていくのはどう?』

『うちの祖父もデイサービスすら嫌がってたよ。でも一度行ってみたら楽園だったらしく、それからイメージ変わって老人ホームにも行ってくれたよ』

現時点でおじいさんは老人ホームに対してあまりいいイメージを抱いていないのかもしれませんね。同様の経験をしたママたちからは「実際に利用してみたら印象が変わるかもしれない」とのアドバイスが届きました。いきなり老人ホームに入所してもらうのではなく、デイサービスやショートステイなどを利用して少しずつ慣らしていくのはどうでしょうか。だんだんと介護施設を利用することへの抵抗感も薄れていくかもしれません。

老人ホームへの入所を巡っておじいさんと意見が対立してしまった投稿者さん。「自宅にいたい」というおじいさんの気持ちがよくわかるからこそ悩んでいるのでしょう。しかし家族が充分な介護ができない今回のケースでは、おじいさんの身の安全が保証できない場合も考えられます。おじいさんはもちろん、家族みんなが納得いく選択ができるといいですね。

文・motte 編集・荻野実紀子 イラスト・Ponko

【つぎ】の記事:<義姉と母の老後>60代兄が亡くなった!実家に残された老親と義姉の3人暮らしは【第1話まんが】

motteの記事一覧ページ

関連記事

<老人ホーム拒否>【前編】介護が必要な祖父が「自宅にいたい」と一点張り。説得に疲れてしまいました
育児がひと段落し始めたら、今後は介護の悩みが頭をもたげてきた……なんて話はよく聞きますよね。介護問題はいろいろな人の気持ちが絡まり合うからこそ、こじれると難しいもの。今回の投稿者さんのおじいさんは...
<なんで嫁が介護要員?>【前編】「妻が親の介護をしてくれる」と考えている男性が多くない!?
人間歳をとれば、他人からの何かしらのサポートが必要となるときがやってきます。たとえば車の運転ができないとなれば、代わりに買い物を頼むこともあるでしょう。日常生活における動作にサポートが必要にな...
「介護は誰にでもできる仕事」と旦那さんに軽く見られた介護職のママ。励ましの声が続々と
あなたは介護の仕事にどんなイメージを持っていますか? 介護職として働くあるママは、旦那さんに「介護なんて誰にでもできる仕事だろう」と言われてしまったそうです。ママは「介護の仕事を甘く考えすぎ……!」と...
参考トピ (by ママスタコミュニティ
祖父が老人ホーム入りたくないと言う