<自覚のない毒親>「娘のため」言い訳してきた日々。気付いた娘の本音……【後編まんが:母の気持ち】
前回からの続き。
何十年も前。まだ携帯もインターネットもないころ。上の息子が生まれてすぐ、私は旦那の転勤で見ず知らずの土地に。新しい暮らしに慣れず、知り合いもいない孤独な日々。そんななか「あんたの旦那、稼いでるんでしょ!」と実母はお金をせびってくる……。
親はまともではなく、旦那も新しい職場に慣れるのに精一杯で、私には頼れる人がいませんでした。そんなある日、ご近所でたまに顔を合わせる山本さんに声をかけられます。
山本さん「Xにヘンな噂をする人もいるけどね、私はいいものだと思ってる。なにより勉強会が楽しくて。話だけでも聞きにこない?」
山本さんが言うなら、と興味本位で参加して以来、すっかりXの理念、またその勉強会と称した活動の楽しさにハマってしまいました。Xで関わる人たちはみんな親切で、とても居心地が良かったです。「居場所がある」というのは、こんなにも心の支えになるのかと感激したほどです。
私はときに子どもたちも連れ、熱心に勉強会に励みました。好きなものの良さを多くの人と共有できる喜びに夢中になりました。
時は流れ、娘の結婚が決まりそうなとき、唐突に娘から言われます。
しばらくして娘に子どもが産まれます。
孫と遊んでいると、娘は妙に刺々しい態度です。
私ははじめての育児にイライラしているのかと思っていました。
しかしある日、「私とは遊んでくれなかったのにねー」と言われて合点がいきました。
娘はXとXの活動に入れ込んだ私をずっと不満に思っていたようです。振り返れば、娘にはさみしい思いばかりさせていたのかもしれません。
私も娘を育てながら、自分が育った環境を思い出すことがありました。きっと娘も孫を育てながら同じように思い出していたのでしょう。
私は娘の言動から、娘と少し距離をおくべきだと思いました。
しばらくして。(もうすぐ七五三じゃないかしら)孫のためにと、Xのお菓子を送ります。
私は気付きました。
「よかれ」と思った行動や言動が、娘には強制と捉えられていたのだと。娘のためといいながら、自分のためばかりだったのだと……。
客観的に自身の行動を振り返ることができ、自分のことを少し恐ろしく感じました。
もしかしたら私は世間とズレているところがあるのかもしれません。世間では私みたいな母を毒親と呼ぶのでしょうか。
Xに夢中になりすぎるあまり、おろそかにしてしまった娘との時間は戻ってきません。娘との時間を大切にするためにも、自身を客観的にみる視点は忘れてはいけなかった……と今さらながら痛感しています。
原案・ママスタコミュニティ 脚本・rollingdell 作画・べるこ 編集・秋澄乃
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