<常識は変わる>【後編】「長男だから家を継ぐ」を条件にしたら破談になった兄。結婚できるのかな?
前回からの続き。「長男なのに家を買うって今の時代普通なの? そんなの両親がよく許すなと思うのだけれど……」と、身近な友人たちが長男の妻にもかかわらず家を買うことに疑問を感じている今回の相談者さん。しかし長男でも地元から離れたり、仕事や家庭の都合で家を買ったりすることは、ごく一般的にあり得ることだという意見が相次ぎました。ですが相談者さんは、まだ納得がいかないようです。その理由は育った家庭と、お兄さんにありました。
「長男は家を継ぐのが当然」という価値観で育った一家
「そんなの両親がよく許すな」という一文からわかるとおり、相談者さんのご両親も相談者さんのお兄さん(長男)が新しく家を建てることを許さないと言っているようです。相談者さんもそんな価値観の中で育っているためこのような質問をしたらしく、家の内情をこのように話しました。
『両親も「絶対にそんな(長男なのに家を買う)こと許さない」って兄に言っている』
『田舎のほうで働く場所がないとかで他に家を買うのは仕方ないかもしれないけれど、地元で就職できるのにわざわざ遠くに就職したり、地元で新たに家を買ったりっていうのは理解できないんだよね』
『数年前に兄が結婚しようと思っていた相手にその話(いずれ実家を継ぐ)をして破談になったことがあった。兄も彼女がその条件を受け入れられないってわかっていたらもっと早くに別れていたって言っていたよ』
『家とか土地を守るって大事なことだと思うんだけど、みんなあまり興味ないんだね』
相談者さんのお兄さんは、家を継がなければならないことから1度結婚の話が流れてしまった経験もあるようです。結婚より家を継ぐことを優先したかったお兄さんに後悔はないようですが、家を継がなければもしかしたら今頃家庭をもっていたのかもしれません。しかしお兄さんを含めた相談者さん家族にとっては、結婚をして新たな家庭ができることよりも、家を継ぐ人がいなくなってしまうことのほうが大問題だったようですね。
由緒ある家柄なら仕方がないけれど、結婚のリミットがあるなら……
けれど結婚相手がいなければ子どもはできません。「代々受け継がれてきたものを継いでほしい」という相談者さんのご両親の願いは、どちらにせよこのままではお兄さんの代で途絶えてしまう可能性もあります。そもそも子どもが家を継ぐための手段とみなされているのであれば本末転倒。家を継ぐのは、結婚相手の気持ちを差し置いてまで優先するべきことなのでしょうか。ママたちからは“価値観の受け入れ”を促す言葉も寄せられています。
『祖父が建てた家って昭和何年の家? そこに住めって冗談でしょ? しかも、なんで自分たちが死んだあとのことまで命令しているの? 兄も、なんで親が死んだ後まで従う気マンマンなの?』
『それこそ何代にも渡り家業や歴史のある家柄ならそう簡単な問題じゃないだろうけど、一般家庭でそこまで規制かけられるのもどうなの。長男でなくても、娘(相談者さん)と同居とかいろんな形があるじゃない』
『長男だけど子どもたちを優先して家を建てたよ。義両親には反対されなかったけれど、内心は面白くないかもね。田舎の人だから。でも私は両実家に住むつもりはないよ。きょうだいが住むって言ったら住んだらいいと思っている。そんなことに私の人生縛られたくない』
相談者さんのご両親の願いは「長男に同居をしてほしい」わけでなく、「この家を継いでほしい」。しかも「長女でなく長男に継いでほしい」というもののようです。相談者さんの気持ちに大きな変化はなかったようですが、「あまり無理なことばかり言って兄が結婚できなかったら将来どうなるのかとは心配している」とも話しています。価値観や風習などは、その家庭や土地によってさまざまではあります。もちろん相談者さん家族の、代々受け継がれてきた家と土地を守ろうとする使命感もとても素敵なことでしょう。ですが結婚は自分の事情を受け入れてもらい、相手の気持ちを受け入れることが大切です。最も優先すべきはどんなことなのか、今私たちは個々に考えて判断していける時代に生きているのでないか、と筆者は思います。
文・物江窓香 編集・古川純奈 イラスト・Ponko
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