<いじめになる?>【前編】小学4年生の子どもが「あの子と放課後は遊びたくない」。これは仲間外れ?
気の合う人、苦手な人、趣味が合う人、子どもたちはきっといろいろな理由で友達を選ぶことがあるはず。中高生ならばある程度自分の考えが確立しているでしょうが、小学生の場合はどうでしょうか。「遊ぼう」と言われて遊ばない場合、いじめにつながってしまうのでしょうか? 小学4年生のママから、こんな投稿がありました。
『先日、数人でオンラインゲーム中にクラスのお友達(A)が入って来たのですが、一緒に遊ぶことをみんなが拒んだらしいのです。その場に私がおらず、どんな会話、状況かはわかりません。
すぐにAの親から、「お宅のお子さんたちから仲間外れにされてAが泣いている」と連絡が来たのでそのことを知りました。すぐに子どもの近くへ行って話を聞きました。仲間外れにした事実があるならいけないことなども伝えました。すると一緒に遊ぶのが苦痛だと初めて打ち明けられました。しつこいことを言ってくる、話が合わないなど一緒にいるとストレスになることが多く、嫌な気持ちになるとのこと。いじめる気持ちは一切なく、関わりたくないというだけです。仲がいいと思っていたのですが、今までは無理して遊んでいたそうです。
子どもから、「こういう場合どうしたらいいの? 遊びたくない人とも遊ばないとダメなの? どうやったらこの状況を解決できるの?」と聞かれました。私はとくに学校外の話なら、子どもに「遊びたくないなら、ごめん今日は遊べないんだと優しく伝えてね」や「その子がいる場で他の子と遊ぶ約束をしない気遣いをしたら?」などと言ったのですが……。
ただその子の親からも頻繁に「今日は遊べますか?」「土日はどこに集まって遊んでますか?」など連絡がくるので、嘘をつくのも気まずいし……という状況です。みなさんならどんな対処をしますか?』
相談者さんのお子さんは、同じ学校のAくんが苦手な様子。「学校では普通にするけれど、放課後は遊びたくない」という気持ちは、大人で言う「職場では同僚として接するが、プライベートを共にしようとは思わない」感覚に似ているのではないでしょうか。ちなみに相談者さんのお子さんが避けようにも、Aくんの保護者は一緒に遊ばせたいよう。「今日は遊べますか?」「土日はどこに集まって遊んでいますか?」相談者さんのもとに頻繁に連絡がきてしまうそうです。みなさんなら自分のお子さんが相談者さんのお子さんと同じ立場だった場合、どのような助言をしてあげますか?
「学校外では無理に遊ばなくてもいい」派のママたち
まずは「学校外では無理に遊ばなくてもいい」派の意見をご紹介します。
『無理に仲良くなんてさせられないし、合わないなら遊ばなくていい。ただ、学校で無視したり、休み時間のドッジやサッカーなどに入れてあげないとかはいじめになるからダメ。だけれど、放課後まで無理して遊ぶ必要はない』
『「ゲームはもう仕方ないにせよ、それ以外なら内緒で遊びなよ」って言うだけ。嫌われ者に構ってられない』
「学校内ではA君と普通に接しなさいと諭すけれど、プライベートでは個人の自由を尊重してあげたい」という声が多く聞こえました。たしかに小学4年生ともなると、もう大人に言われた通り「みんなで仲良く」という時期はすぎ、誰と仲良くしたいか自分で決めたくなってくる年頃なのかもしれませんね。ママさんたちも苦手な人と遊ぶことを強要されたくない気持ちがわかるため、なるべくお子さんの気持ちに寄り添ってあげたいと考える声が多いように感じました。
「いじめにつながるから仲間外れは良くないと説得する」派も!
ただ、「いじめにつながるため仲間外れは良くないと説得する」というママさんの声も無視できません。
『相談者さんの子が避けられて集団から仲間はずれにされたらどうしますか? あの子が嫌い! 避けたい! って言ったもん勝ちだよね。相談者さんの子がいじめの主犯者だね』
『きっと相談者さんの子どもたちが言い出して集団いじめが始まるんだろうね。相手が悪い、相手が嫌いって……わがままに育てたんじゃないの?』
相談者さんのお子さんがAくんを受け入れないことで、同じように受け入れないご家庭やお友達が増えることもでてくるかもしれません。もしそうなった場合、Aくんのご家庭が“いじめ”だと捉える可能性はきっと高くなるはず。Aくんのためにも、自分の子どもがいじめの中心にならないためにも、「みんなで遊ぶほうが良いと説得する」と話すママさんもいました。
もちろんみんなで仲良くできるのは理想ですが、苦手な子とプライベートを共にしないといけないストレスも相当な物でしょう。たまにならいいのかもしれませんが、毎日ともなると、お子さんも一緒に遊ぶことを強要されているようでつらい思いをするはずです。Aくんを避ければAくんが嫌な思いをする、Aくんを受け入れれば相談者さんのお子さんが嫌な思いをする。とても難しい問題なので、自分の見解だけでなく、どんな方法が子どもたちのためになるのか、じっくりと考えなければなりませんね。
文・物江窓香 編集・古川純奈 イラスト・Ponko
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