【登坂淳一さん・第3回】「50歳で娘の離乳食作りやお風呂に奮闘中。将来食事をすることを好きになってくれたら」
「生後5カ月になる娘とコミュニケーションを取るのがとても楽しい」。そう語るのは、長年NHKアナウンサーとして活躍し、現在はフリーアナウンサー、YouTuber、TikTokerとして活躍中の登坂淳一さん。2021年度の「イクメン オブ ザ イヤー」に輝きました。50歳目前で育児に奮闘する登坂パパ流子育てとは? インタビュー3回目では、離乳食やお風呂の入れ方、わが子とのコミュニケーションの取り方について詳しく伺いました。
娘の離乳食づくり、妻と一緒に学習中
――今、娘さんは生後5カ月ということで、もうそろそろ離乳食を始める頃ですよね。グルメな登坂さんはどんな離乳食を作るんですか?
登坂淳一さん(以下、登坂):本当にどうやってやるのかなって(笑)。自分たちで一から作るのか、市販の離乳食を使うのか。何を食べさせたらいけないのかなど、わからないことが多いです。
ただ僕も妻も、娘にとって食べることが楽しい、嬉しい気持ちにつながったらいいなと思っています。将来、食事をするのが好きになってくれたらいいなと思います。
離乳食については本当にわからなくて、育児雑誌をみながら「何か調理道具がいるのか。うちにはすり鉢がないな」など、妻と話しながらやっています。
――離乳食は、一人目のときはがんばるんですけど、子どもの人数が増えてくると……(笑)。
登坂:そういいますよね! 楽しく食べてくれたらいいかなと。あまり凝りすぎないようにしようと思っています(笑)。
――普段は、お料理は誰が作っていますか?
登坂:普段は妻ですね。
――離乳食は全部手作りしますか? それとも市販のベビーフードなども使う予定はありますか?
登坂:状況によりますよね。今、市販のベビーフードのクオリティは高いですよね! トマトとほうれん草のリゾットなどおしゃれな離乳食があって、しかもびっくりするくらいおいしいんですよね! そういうのは利用するのもいいかなと思います。
まずはご飯をすりつぶして一番初めの段階から少しずつ試してみようと妻と話しています。
バスタイムは家族それぞれの癒しの空間
――奥さんは出産後、毎日赤ちゃんのお世話で自分の時間が取れないと思います。奥様をサポートするために心がけていることはありますか?
登坂:妻は、今育休を取っているため、毎日子どもと一緒にいます。子どもとの時間は大切にしたいものの、自分一人の時間もないと疲れちゃいますよね。だから妻がネイルに行ったり、好きな俳優さんの舞台に行ったりするときは、僕が子どもを自宅で見ています。
自宅だったら、娘をお風呂に入れるときは僕がやるので、妻は一人でゆっくり入ってもらう。たったそれだけでも気持ちがすごくリラックスできると思うんですよね。
――娘さんとの入浴は楽しいですか?
登坂:楽しいですよ。娘がお風呂好きということもありますが、湯船に入るときどんな入り方が好きかな、抱っこして入れるのがいいか、足から順番に入れるのがいいか、子どもの反応を見ながら楽しんでいます。もう少し大きくなったら、娘を家族風呂のある温泉施設に連れて行ってあげたいなと思っています。
――娘さんが楽しくお風呂に入れるように心がけていることはありますか?
登坂:湯船につかりながら、「今日もたくさん遊んで汗をかいたね。体を洗おうね」など、娘が楽しくなるような言葉がけをしています。湯船に入れるときも、娘を抱っこしたまま足を少しずつ湯船につけていくのが好きか、それとも膝の上に座らせて一緒に入るのが好きか、娘の反応を見ながら、何をしたら喜ぶかということを見ています。
「お風呂に入ったら楽しい気分になれる」ということを、娘に感じてもらえたらいいなと思って、工夫しています。
「生後5カ月の娘とのコミュニケーションが楽しい」ワケ
――出産前に育児書などを読んで勉強していたんですか?
登坂:ドイツ出身の発達心理学者が書いた本を読みました。それによると、娘の発達にはコミュニケーションを取ったり、話しかけたりすることが大事なんだなということがわかりました。
娘からしたら「この世界は信頼できるものなのか」と思っているんだろうなと思うんです。僕たちは娘から信頼されるために、娘の興味を引くことを発見したり、声をかけてあやしたりしているんですね。
――登坂さんは、娘さんが生まれてからずっとコミュニケーションを取ろうとしてきたんですね。
登坂:そうです。娘がなんで泣いていて、何を伝えようとしているのか。娘と接するときは、娘の表情や泣き方、様子などから、できる範囲のことを理解しようと心がけています。娘はまだ5カ月で言葉を話すことはできません。ただ、表情や全身を使って気持ちを伝えようとしてくれます。僕もその気持ちを受け取って、全力で娘をあやし、娘とのやりとりを楽しんでいます。
――登坂さんは、娘さんへの言葉がけが圧倒的に多いんでしょうね。
登坂:そうかもしれません。おむつを替えるときも、まずは娘におむつを見せて「おむつを替えるよ」と声をかけてからやります。あとは「これ好き? これは楽しい? これはいやだ?」と、娘の気持ちを聞いてあげるような声かけもしています。
――それで娘さんの表情を見て判断しているんですか?
登坂:そうです。娘も僕に一生懸命伝えようとしてくれているなというのがわかるので、少しずつやっています。娘が僕の顔を見てニコッと笑ってくれたら、僕も笑顔を返してあげる。そうやって娘とのコミュニケーションを取ることが大事だと思うんですよね。
(編集後記)
登坂さんの話を聞いていると、常に娘さんの表情を見て、語りかけて、どんなことをしたら喜ぶのか、どんなことをしたら笑うのかを観察しているんだろうなということがわかってきました。私たちママやパパは、つい忙しくて「離乳食を食べさせたら、次はお風呂に入れて」と流れ作業のようにやってしまうことがあります。でも、ほんのちょっと手を止めて、子どもがどう感じているのか観察してみると、もっと楽しくコミュニケーションが取れるようになるのかもしれませんね。
取材、文・長瀬由利子 編集・山内ウェンディ