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50才でパパになった登坂淳一さんが語る「不妊治療のプレッシャーと本音 」【後編】

長年NHKアナウンサーとして活躍し、現在はYouTuber、TikToker、フリーアナウンサーとして活躍している登坂淳一さん。50歳を迎える今年、第1子となるお子さんが誕生予定です。前編に続き、後編では不妊治療における「タイミング法」についての男性の本音、非協力的な夫への働きかけ、生まれてくるわが子への思いなどについて、語ってくれました。

タイミング法は男性にとってものすごいプレッシャー!

――ところで不妊治療でタイミング法をするとき、男性側はプレッシャーに感じると聞きます。実際のところ、どうですか?

登坂さん(以下、敬称略):僕も体験しましたが、相当なプレッシャーですよ! ドクターは「この日だと妊娠確率〇%、この日だと…‥」とものすごく具体的に言ってくれるんですよ。もうその日が「Xデー」みたいな(笑)。それがものすごいプレッシャーになりました。

もちろんこれまでも仕事でさまざまなプレッシャーを感じることがありました。しかし仕事のときとはまったく違うんですよ。たとえば仕事であれば念入りに事前準備をするなど、自分の努力でなんとかなります。それに対して不妊治療は自分の努力だけではなんともならないんです。

それこそ「失敗したらどうしよう!」など、変なプレッシャーを感じてしまうんです。たとえば30歳くらいの夫婦だったら、まだ先は長いから時間的にも気持ち的にも余裕があると思います。ただ僕ら夫婦の場合は、それほど時間はないわけです。それもあってプレッシャーは大きかったです。仕事の比じゃないですよ!

そんなときに「なにやってるのよ!」なんて言われたら、男性はシュンってなっちゃいますよね(笑)。

――当日はムードを作ったほうがいいですか?

登坂:人にもよりますが、かえってそれがプレッシャーになることもあるでしょうね。確率の問題であって「どうしてもその日じゃなければできない」というわけでもないから。男性がプレッシャーを感じているようであれば、1日ずらすなどしてもいいんじゃないかな。

非協力的な夫はドラマ『コウノドリ』を見るべし!

――不妊治療中に、奥さんやまわりの人に言われたくない言葉はありますか?
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登坂:自分は言われたことないからわからないんですけど、どうだろう……。もし旦那さんが協力的じゃなかったときに、妻から「あなた、本当に子どもが欲しいと思っているの!?」と言われたら、きついでしょうね。「やる気がない!」と責められているような気分になるので。ただでさえプレッシャーを感じているのに、そこにダメ出しされたら、こたえるでしょうね。

――不妊治療では、治療を受けたり薬を飲んだりと、どうしても女性主体にならざるを得ないこともあると思います。旦那さん側にも興味をもってもらう方法はありますか?

登坂:治療方針などを一緒に調べることでしょうね。

――男性側の意見として「仕事が忙しいから調べる余裕はない」という話も聞きます。

登坂:それは言い訳でしょうね。どんなに仕事が忙しくても、移動時間や一息つくときに、ネットで5分だけでも調べられますよね。ただ正直まだ実感もわかないし、目の前の仕事で手一杯になっている旦那さんも多いと思います。そんなときは、夫婦でドラマ『コウノドリ』を見たらいいですよ。

――俳優の綾野剛さん主演のドラマですね。産婦人科の医療やそこにまつわる人間関係が描かれていますよね。
登坂:はい。僕もあのドラマを見たんですけど……泣けました。ドラマだとリアリティーがあるからいいですよね。妊娠について興味や関心をもつことで、旦那さんも自然と調べるようになってくると思いますよ。

「無事に育っている……」じんわりとした感動が胸に広がった

――もうまもなくお子さんが誕生しますね。2回の流産を経ての妊娠なので、喜びもより大きいと思います。妊娠が分かったときの気持ちは?

登坂:正直「やった!」というよりも、「なにかを成し遂げた」ような、じんわりと喜びが広がっていった感じでした。

――予定日はどのくらいですか?

登坂:今春を予定しています。無痛分娩を予定しています。ちゃんと事前に調べて、理解し、お互いに納得したうえでの決断なので、静かに見守っていただけるとありがたいです。

――奥さんの妊娠を実感したときは?
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登坂:3ヶ月未満の頃、妻にひどいつわりが始まったんです。それを見たときに「あ、子どもができたんだ」と実感しました。しかもけっこう長く続いて、食事ができないのに吐き気だけが続く。夜も眠れない。僕は妻の背中をさするくらいしかできなかったんですけど、その大変さを見たからこそ「妊娠というのは、本当に大変なことだったんだ」と、改めて感じました。毎日そうめんを作り、ほかにも栄養があって食べられそうなものを調べて妻のために作っていました。

限られた時間だからこそ子育てを楽しみたい

――妊娠中は体重管理も大変ですよね。

登坂:奥さんの体重管理は僕がやっていました。というのも、妊娠中、増えてもいい体重に上限下限があると、どうしても上限に合わせたくなりますよね。そうならないように、毎朝僕が自分の体重管理と一緒に、妻の分も記録していました。そのため妻から「オニ!」って言われてました(笑)。

――楽しそうなご夫婦ですね! 生まれてくるお子さんに対して望むことは?

登坂:とにかく健康であってくれたら、という思いだけです。やはり健康は何ごとにもかえられない宝なので。実は僕の父は54歳のときに亡くなっています。妹も、彼女が41歳のときに亡くしました。健康であることは当たり前ではないし、何歳であっても、いつ別れのときが訪れるかわかりません。そういう意味でも、健康というのは本当に大切にしたいことだと思います。

僕自身も今年50歳です。子どもとはこの先50年も60年も一緒にいることはできません。それを考えたとき、限りある時間が短いからこそ、子育てを楽しみたい。改めてそう感じました。

 

取材、文・長瀬由利子 編集・Natsu

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