副反応が怖くて打てない?日本脳炎のワクチン・予防接種のリスクとは?
数ある予防接種の中でもよくニュースになっているのが、日本脳炎です。死亡例もあるので、副反応が怖くて予防接種ができない! と仰る方も少なくありません。
しかし日本脳炎は、かかってしまうと重い症状が起こる可能性がある、非常に怖い病気なのです。
しっかり知っておきたい日本脳炎。どんな病気なの?
日本脳炎は、日本脳炎ウイルスにより発症します。ウイルスに感染しても症状が現れないケースがほとんどですが、発症した場合はその20%~40%が死に至る病気です。
日本脳炎の症状
数日続く高熱、頭痛、嘔吐など。その後意識障害や麻痺等の神経系の障害を引き起こし、後遺症が残るケース、死亡するケースもあります。
日本脳炎の感染経路
蚊を媒体にして感染します。豚などの動物が感染→蚊がその動物を刺す→蚊がヒトを刺す……という経路です。一般に農村部での感染リスクが高く、特に豚は感染が多いと考えられており、養豚場が多い西日本では、早く予防接種を受ける方がよいという意見があります。
日本脳炎の治療
特効薬はありません。抗生物質も効果がなく、対症療法となります。
日本での日本脳炎発生状況
1966年には2,017人もの患者数が報告されています。この年をピークに減少し、平成4年(1992年)からは患者数は10人以下となり、平成26年(2014年)では2人です。大部分は九州・沖縄地方と中国・四国地方で発生しています。
日本脳炎の予防接種は「定期接種」多くの地域では3歳から
現在ではかかる人は少なくなりましたが、かかってしまうと重症になる日本脳炎。かかる前の予防が重要であり、予防はワクチン接種が基本となっています。ワクチン接種により、罹患リスクを75~95%減らすことができるとのことです。
2018年現在、日本脳炎の予防接種は定期接種となっており、ワクチンには不活化ワクチンが用いられています。
予防接種の「接種回数」「スケジュール」
生後6か月から接種可能ですが、多くの地域では3歳からの接種が推奨されています。
第Ⅰ期:1~4週間隔で2回、2回目の約1年後に追加接種
第Ⅱ期:9~12歳に1回
予防接種スケジュールを立てるときのポイント
おたふくかぜや水ぼうそうのワクチンと同時接種ができます。
ただ予防接種スケジュールを順調に消化していれば、他の予防接種が終わっている時期の接種となるので、案外忘れがちです。特に追加接種にはご注意を。
気になる日本脳炎の予防接種の副反応は?
予防接種といえば副反応の心配がつきものです。日本脳炎の副反応はどのようなものでしょうか?
予防接種の副反応の症状
発熱、注射部位の発赤・腫れ・痛みなどで、接種後3日以内にみられます。ごくまれにショック、アナフィラキシー様症状、ADEM(後述)などの重大な副反応がみられるとのことです。
ママスタには副反応の体験談が寄せられています。
『1回目の日本脳炎の予防接種後に熱が出て、1週間くらい体調が悪かった。1カ月後の2回目の予防接種は大丈夫だったけど、1年後の追加接種のときはやっぱり熱が出た』
『うちは、関節痛がありましたよ』
『長男の時に打った後すぐに39度くらいの高熱が出てすごく怖かったよ……。
次男の時も受けるのは受けたけど、受けるまで怖かったし、受けてからも怖かった。
でも受けないという選択肢はなかったな。』
『別の予防接種の副反応で、全身にじんましんが出てパンパンになりすごく怖かった。だからどの予防接種にも可能性はあるよね』
予防接種には副反応がつきもの!副反応を見逃さないためには
予防接種後30分程度は、接種した場所で待機しましょう。急な副反応はこの間に起こることがあります。その後も当日は激しい運動をさせないようにし、当日~数日間は子どもの様子をよく観察するようにしてください。
過去の予防接種で起きた重篤な副反応
以前使われていたワクチンの接種後に、ADEM(アデム:亜急性散在性脳脊髄炎)という病気の重症例が起こり、平成17年(2005年)5月から一時積極的な推奨が差し控えられました。その後推奨が再開されており、現在では2種類の新しいワクチンが用いられています。この間予防接種を受けていない人は特例措置でワクチン接種が可能です。
予防接種推奨が控えられていた人への特例措置の内容
・平成7年(1995年)4月2日から平成19年(2007年)4月1日までに生まれた人
…20 歳になるまでの間、定期接種を受けることができます。
・平成19年(2007年)4月2日から平成21年(2009年)10月1日に生まれた人
…推奨再開前後など何らかの理由で接種機会を逃していたり、必要な回数を受けていない場合、定期接種として受けることができます。様々なケースがあるので、詳しくは厚生労働省のサイトをご参照ください。
覚えておきたい!予防接種の副反応が出たときの救済措置「予防接種健康被害救済制度」とは
万が一、予防接種後に重篤な副反応が出た場合、「予防接種健康被害救済制度」を受けることができます。これは予防接種と健康被害との因果関係が認定された人を迅速に救済するものです。詳しくは厚生労働省のサイトをご参照ください。
それでも予防接種の副反応が怖い!という場合は?
予防接種には副反応がつきものとわかっていても、怖さはなくならないかもしれません。そんなときは不安はさておき、先に予診票を入手してみるのはいかがでしょうか。
予防接種の予診票とは
予診票は接種可能かどうかを判断するためのチェックシートです。接種の際の注意事項も書かれています。
どんな状況の場合に注意が必要なのか、具体的にどの部分が疑問なのか、時間をかけて情報を整理することができるでしょう。
予防接種の予診票はどこでもらえる?
予診票は病院からもらえるのはもちろん、インターネットからも入手できます。ワクチンの種類やワクチンを提供する会社によって書式が異なるので、予防接種を行う予定の病院が使っているワクチンの予診票を入手するよう、ご注意ください。
最後に残った疑問は、信頼できるお医者様と相談するのがいちばん。不安な点はありますが、わからないことは納得できるまで調べ、そして行動しましょう。
参考:厚生労働省 日本脳炎
関連記事
※0〜2歳の予防接種期間を過ぎて……油断して忘れていた「日本脳炎」- 参考トピ (by ママスタコミュニティ)
- 日本脳炎