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横澤夏子:第1回「出産のときは世界一わがままになりました!」

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お笑い芸人、タレントとして活躍している横澤夏子さん。今年2月に待望のお子さんが生まれて、すっかりママの顔に。横澤さんには、4年間で100回以上参加した婚活パーティーの話から旦那さんとの出会い、恐怖の出産体験、ネタになるほど強烈に印象に残った看護師さんの話まで、たくさん語ってもらいました。

婚活100回参加して身についたのはコミュニケーション力

――積極的に婚活を行っていたそうですが、旦那さんとの出会いについて教えてください。

旦那とは、100回目の婚活パーティーで出会いました。21歳から4年間で100回行ったんですよ。20回、30回目で「なんで私まだ結婚できないんだろう」って思い始めるんですよ。40回超えたあたりから、友達から連絡がきて「一緒に連れていって」と言われるようになって、仲介業者みたいになるんです。60回くらい行くと「この会社はここを改善した方がいいな」というコンサル目線になってきて、80回目くらいで、自分は素のままでいったほうが楽だなと気づきました。トータル1000人くらいに出会ったと思います。結果、コミュニケーションスキルが磨かれました。このスキルが今後のママ友づくりで活きてくるんじゃないかと思っています(笑)。

――旦那さんとはどんな会話から始まったんですか?

旦那は私のことを”横澤”ではなく、”斜め澤さん”と言ってきたんです。それで「この人だったら楽しく飲めそうだな」と思ったんですよ。彼と出会う前は、「身長185センチ以上で、田中圭さんに似ていて、関東近郊に住んでいて、次男で」と考えていたんですが、婚活パーティー100回目になったときに、最後に残ったのは「楽しく飲める人」だったんです。

早く子どもが欲しかった

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――何歳までに出産したいという希望はありましたか?

本当は24歳で結婚して、26歳で第一子を生みたかったんです。でも、こればかりは縁なので。私、いつも生き急いでいて、「早く子どもが欲しい!」と思っていました。そのためブライダルチェック(妊娠前に受ける婦人科検診)も早めにしました。

――ブライダルチェックはどのタイミングでやったんですか?

結婚してから私だけやりました。結婚したらすぐに妊娠したいと思っていたので、「じゃあ、ちょっとブライダルチェックしてみようかな」という感じで受けました。だから妊娠したこともすごいし、無事に生まれたこともすごくて、すべてに感動しちゃうんです。

気持ちが追い付かず、出産が怖くて仕方がなかった

――出産が近づくと怖くなってきませんでしたか?

そうなんですよ! 出産まであと8カ月、7カ月となっていくわけじゃないですか。だからもうすごく怖くて、出産が近づくとずっと泣いてました。予定日が近づくにつれて、動画でもお産のシーンを見てしまい、また泣いて。見ては泣き、見ては泣き、という感じでした。

妊娠がわかってから出産まで、気が休まるときはありませんでした。どこか体調不良だし、どこか不安だし。妊娠中は、生まれてくる子どもの小さな手袋を編んで穏やかに過ごしたかったのに全然できなくて。妊娠したら幸せな気分になると思ったら、実際の妊娠生活は思った以上に過酷だったんです。

一度、尿漏れと破水を間違えて病院に行ってしまったことがあったんです。それで病院で「すみません、本当にすみません」と言って謝ったら、看護師さんが「謝らないで。私たちはこれが仕事だから。ちゃんとその分のお金をもらっているから大丈夫」と言われたときに、「すみませんって言わなくていいんだ! ありがとうございます!」と、その一言で気が楽になったんですよ。

鏡に、ゴーグルに、見たくないのに見えてしまった自分の出産シーン

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――出産のときは大丈夫でしたか?

予定日を過ぎても全然出てこなくて、結局、陣痛促進剤をつかったんですよ。1日目に促進剤を使ったら陣痛はきたけど、出産につながらなくて「また明日やりましょう」となったんです。それで2日目に生まれてよかったんですけど。おなかにモニターを付けて赤ちゃんの心拍数をはかるときも、モニターをおなかにつけていることすら痛くて「外してください!」「でもこれをつけないと」「やめてください!」って、看護師さんとやりとりしていました(笑)。

――陣痛のときは、モニターをつけることですら痛いんですよね。

私はとにかく怖がりだから、出産間際に「赤ちゃんの頭が出てきたよ」とかも言われたくなかったんです。目の前に姿見があって、「その鏡に布をかぶせてください! 全部見えます!」と言ったんですよ。布をかけてもらったものの、下5㎝くらい足りなくて、そこから自分が見えるんです! だから「まだ見えてます! 布を5センチ下げてください!」と言って……。

――その状態だと出産に集中できませんね(笑)。

スタッフの人が来るたびに「もうすぐですね。赤ちゃんの頭が見えてますよ!」と言うから「言わないでください!」となり、先生も「あ、言っちゃだめだからね」と看護師さんに注意してくれてたんです。

最後のいきみのところで、大きなゴーグルをつけた助産師さんが「はい、今息を吐いて」と言ってこっちを見たときに、ゴーグルに反射して見えてたんですよ! それで「ゴーグルを外して! 反射して見えてるんです!」と言って、大騒ぎでした! いままで先生や助産師さんの言うことなどにも「はい、はい!」と言っていたのに、こんなに先生たちに指示しちゃうなんて(笑)。

出産で印象に残ったのは「釘をさす助産師さん」

――出産は、一人ひとり違うから、その時々によって大変さも変わってきますね。

私の場合、子どもがお腹の中にいる位置がよくなくて、陣痛の一番痛みがピークのときが続く感じだったんです。結局、子宮口が7センチひらいたところで、痛すぎて麻酔を使った分娩にしてもらい、それでなんとか生まれました。「いろんな出産があるよ」と言われていたけど、本当にそうなんだなと思いました。

出産後、仕事で「出産にまつわるネタはありますか?」と聞かれるんですけど、助産師さんのことしか思いつかなくて(笑)。出会った人たちがすごくいい人ばかりで、スペシャリストばかり! キャリアウーマンですよ。すごくかっこいい!

――印象に残っている助産師さんはいますか?

「釘をさす助産師さん」がいました。「お父さん、お母さんは赤ちゃんが生まれると本当に何もできなくなっちゃうんですよ。釘をさしておきます」、「旦那さんが家事などをしっかりやってあげてくださいね。釘を刺しておきます」と言って、ずっと釘をさしてくるんですよ。もう張りつけの刑ですよね! すごくいい助産師さんなんですけど、その話がおもしろくて。ネタにできるなと思って聞いていました(笑)。

(取材後記)
出産にまつわるエピソードは、人それぞれの物語があり、人生の中でもハイライトかもしれません。とても楽しいお話をしてくれた横澤さんですが、次回は実際にお子さんが生まれてからの生活についてお伺いします。産後初めての子育ては、なかなか理想通りにはいかないようです。お楽しみに!

取材、文・長瀬由利子 編集・山内ウェンディ

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