横澤夏子:第2回「新米ママとして奮闘中!産後の家庭訪問に救われました」
現在8カ月になる娘さんのために工作をしたり、笑わせたりする動画をインスタに投稿し、話題になっているお笑い芸人でタレントの横澤夏子さん。産後1、2カ月目で子育てについて行き詰まってしまうこともあったと話してくれました。普段テレビで見るのとは違う、横澤さんのママとしての本音に耳を傾けてみましょう。
子どもが笑うツボを知りたい!
――子どもの前でぬいぐるみを動かしながら、歌を歌ってあげる動画をインスタにアップしていましたね。
やっている時間は本当にわずかなんですけど、子どもがとても喜んでくれたんですよ。子どもって本当にちょっとしたことで笑うから、「この子はどんなことをしたら笑うんだろう」という、笑いのツボを探したいんです! 「この子はなにがおもしろいと感じるんだろう」「どこでどういう感情になるんだろう」というのが知りたいです。
――子どもって意外なところで笑いますよね!
私がただ単に「え?」と驚いただけでも、すごく笑うんですよ! 驚いている顔がおもしろいのか、「え?」という声がおもしろいのか。驚いた顔をしただけでは笑わないんだな。「え?」という声だけでも笑わない。ダブルでやらないとだめなのか、とかね。
子どもを見ていて楽しいんですよ。新しいことをどんどんできるようになるから、飽きません。家事をやりつつなので、そんなに相手ができているわけでもないんですけど。
ベビーシッターとして子どもを見るのと、母親として見るのでは全然違った!
――家事をしながら子どものお世話をするのは大変ですよね。
子どもがハイハイしたり、つたい歩きをするようになって、「あ、ほこりがすごいから掃除しないと」と思って、朝から掃除をしています。
20代の頃にベビーシッターの資格をとって、実際に子どものお世話をしていたので、ある程度は慣れているつもりだったんです。でも、人の子どもを預かることと、自分の子どもをお世話することは全然違うんですよ。
――ベビーシッターとしてお世話をするときと、自分の子どもをお世話するときは、どう違いますか?
ベビーシッターをしていたときは、何時から何時までというスポットでみていたんですけど、母親となると24時間つきっきりですよね。それに、ベビーシッターは、お母さんから指示されたことをやっておけばいいけど、母親の場合は預ける前のおむつや離乳食作りから全部やらなければいけませんよね。しかも、休みはなし!
産後のモヤモヤ。区の産後家庭訪問に救われた
――産後数カ月の間はモヤモヤした気持ちがあったそうですね。
まず母乳がうまくでなくて、最初はどこに行ったらいいかもわからない状態だったんですよ。産んでからの1、2カ月は本当にひどくて、「この先、私はどうなるの?」という感じでした。ずっと涙が止まらなくて泣いているし、心の整理整頓ができない。自分がなぜ泣いているのかもわからない感じでした。
ネットで検索すると「かわいすぎて寝かせるのがもったいないです」というお母さんもいれば、「本当にやだ! 大変すぎる!」と言っているお母さんもいて。「私は神様みたいなお母さんにもなれないし、大変すぎるわけでもない。このモヤモヤを誰に言ったらいいんだろう」と思っていました。
産後1カ月目に、区の保健師さんが家庭訪問で来てくれたんです。そのときに「病院にいるときや、産後ケアセンターに行ったとき、私ヤバかったですよね! けっこうあのとき荒れちゃってて」といったら、その保健師さんに「みんな心配してましたよ!」と言われたんです。
――気にかけてくれている人がいたんですね!
そう! 全部バレてたんです(笑)。そのときは何もできないし、したくない、という感じだったので、マネージャーさんにそう伝えて、仕事をお休みさせていただきました。でも保健師さんの言葉を聞いて、つらいことがあったら「なんでも言えばいいんだ」と思ったんです。「なにかあったら電話してください」といわれて、保健センターの電話番号が書いた紙を渡されて、「ここに電話したら疑問もなんでも聞いていいんだ。つらい気持ちも言ってもいいんだ」と思えて、救われました。
病院で出会ったお母さんや先輩ママさんに助けられた
――赤ちゃんがいる生活に慣れてきたのは、産後どれくらいたってからですか?
出産後、3か月くらいたってからやっと「子どもはこれくらい寝るんだ」「これくらいのタイミングで泣くんだ」ということがわかってきたんです。子どもとの意思疎通まではいかないけど、なんとなくお互いのタイムスケジュールがわかってきて、慣れてきたんですよね。それで心が落ち着いてきました。
ほかにも病院で出会ったお母さんや先輩ママさんに助けられました。ただ連絡を取っているだけなんですが、それが命綱のような感じでした。
つらい気持ちを人に話すことは大切なこと
――ご飯などは作っていましたか?
いや、ご飯は作れていなかったですね。絶対に作らないというか、「ご飯を作るのも休ませてください。コンビニでもなんでも食べられればいい」という感じでした。あとは、旦那が作ってくれたこともあります。
――旦那さんは家事を手伝ってくれましたか?
新型コロナウイルスもあって実家の親がこれなくて、お手伝いもいないという状態だったので、だいたい旦那がやってくれていた気がします。でも、それも1カ月くらいの間だけで、旦那も仕事があるのでやっぱり自分でやらないといけなくて。そのためスキマを見て、家事はできる範囲でやっていました。出産後、1、2カ月は気持ちが落ち込んでしまっていてすごくつらかったんです。だけど、ママ友だったり、産後家庭訪問だったりと、話を聞いてくれる人がいて、それですごく救われました。つらい気持ちを人に話すことって大切なんだなと、改めて感じました。
(編集後記)
出産後は、子どものことをかわいいと思う反面、慣れない生活で疲れてしまうママもいます。もし、今同じようにつらい思いをしているママがいたら、友達や、最寄りの保健所などに連絡して、ヘルプを求めることも大切です。さて、次回は、育児と仕事の両立について。「短時間子どもを預けるだけでも罪悪感がある」という横澤さんに、今感じていることを話してもらいました。
取材、文・長瀬由利子 編集・山内ウェンディ