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横澤夏子:第3回「子どもを預けてまで働く意味は?子育てと仕事との両立に悩む日々」

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子どもが生まれると嬉しい反面、仕事との両立に悩むママたちもいます。お笑い芸人として、タレントして活躍する横澤夏子さんもそんなママの一人です。「子どもを預けてまで働く意味って何だろう。自分はいい母親なのかと考えてしまう」と語る横澤さん、どう折り合いをつけているのでしょうか?

仕事のために子どもを預けるのが心苦しい

――横澤さんは、2月にお子さんが生まれたばかりですよね。仕事復帰についてはどう考えていますか?

仕事と育児って両立している人もたくさんいますが、私の場合は基本的には両立できないと思うんですよ。私はまだ子どもを預けることに慣れていないんです。今はレギュラーの仕事ではなくスポットでその都度お仕事をいただいていますが、仕事をするために子どもをベビーシッターさんに預けるのは、すごく申し訳ないと思ってしまうんです。

「シッターさんに子どもを預けるのは別にかわいそうなことではない」と、頭ではわかっているんですけどね。シッターさんのほうが上手に遊んでくれるし、決まった時間に食事をさせてくれて、寝かしつけもしてくれる。すごくありがたいんですけど、「子どもを預けてまで働く意味ってなんだろう」って考えてしまうんです。

もちろん生活していくためのお金は必要だけど、お金以前の問題で「子どもを預けてまで働かなければいけない仕事ってなんだろう。絶対にしなければいけない仕事とは?」と自問自答してしまうんです。だから前よりも仕事について、働く意味について考えるようになりました。

「仕事を続けるのは私のワガママ?」と考えてしまう

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――今一番やらなければいけないことは、母親として子どもの世話をすることかもしれない、仕事をしていていいのかな、って考えちゃいますよね。

そうなんですよ。それで「今日も解決しなかったな」と思いながら寝ています。全然解決しない。働く母親の永遠の課題ですね。今日こうやってインタビューをしてもらい、人と話せることが私にとっては息抜きにもなっているし、自分を保つことにもなっています。だからこそちゃんと働きたいと思う気持ちはあるんです。「でも、それって私のワガママなのかな?」って思ってしまうところもあるんです。

――お子さんを仕事先に一緒に連れていくのは難しいのでしょうか?

今は新型コロナウイルスの影響があるので、なかなか外には出せなくて。それにもし「職場に連れてきていいですよ」と言われても、公私混同しているみたいでいやだなって思っちゃうんですよね。

「子どもを預けるのはかわいそうなこと」なの?

――「自分は子どもを預けてまで仕事に行くんだ」と思って通勤電車の中で泣けてきたりしますよね。

やっぱりそういうものなんですね! もうその話を聞いただけで泣けてきます……。子どもが2人、3人と増えてきたら「預けちゃえばいいんだよ」と思えるようになるんでしょうけど、今はまだ……。子どもを人に預けることにすごく抵抗があるんです。

――でも預けることで子どもができることもいっぱい増えていきますよね。たとえば保育園では同じくらいの年の子とも仲良くなれるし、自宅にいただけでは身につけてあげられない社会性も身につくと思います。保育園やシッターさんに預けるのは子どもにとってのメリットもあると思いますよ。

今、私の心の安定のためだけに仕事をして、子どもを預けているんじゃないかという気持ちになってしまって。「過渡期なんだな」「ホルモンのせいだ」と思いながら、やっています。なにか子どもを預けて仕事をする理由、「タイトル」のようなものがあれば落ち着くんですけどね。今はまだ育児との両立には悩みますが、信頼できるシッターさんにお願いしながら仕事をしていくつもりです。

子どもが病気。どうしても仕事を休めない日に旦那さんは代わってくれる?

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――仕事があると子どもが病気のときも病児保育などに預けなければいけないから、それも心苦しいですよね。子どもの具合が悪くて「その日どうしても仕事を休めない」というときに、旦那さんは対応してくれますか?

旦那に「この日は仕事だから子どもを見てね」と言っていたのに、急に前日になって「仕事だから見られない」と言うんですよね。「え、子どもはどうするの?」ってなるんですよね。男の人は子どもがいる認識はあるけれど、自分のスケジュールの中には組み込まれないんですよね。カレンダーにどんなに大きな丸を書いても、ダメですね。

――今この仕事を断ったらこの先の仕事がないかもしれない、と思うこともありますよね。そこで旦那さんの協力が得られないのはつらいですね。

結局、そこですよね。なので、仕事と子育ての両立は難しいなと思いながらやっています(笑)。

工作1日1パーツでもいい。毎日「なにか」を達成したい

――ところで、横澤さんは工作がとても上手ですね!

昔から保育園の先生に憧れがあって、子どももすごく好きだから、以前からやっていたんですよ。できれば家のなかも保育園っぽくしたいというか(笑)。インスタやYouTubeの動画をみながら、かわいいなと思う工作をマネして作っています。私は、どちらかというとボーっとしている時間がもったいないと思っちゃうタイプなんです。夜寝る前に「今日、何をしましたか? 自分!」と思って、何も思い浮かばなかったときは「だったら、工作1つでもいいから作ろう」と。なにかを達成することで気持ちが楽になるなと思ってやっています。

――子どもがいたら、なかなか自由に工作をする時間も取れなさそうですね。

時間は取れないですね。「今日はウサギの耳が1つできた」とかそんな感じですよ。だから完成までに1カ月近くかかります(笑)。育児の場合は自分がやりたいことがあって、それができないとイライラするんですよね。子どもにイライラするくらいだったら「やらない」と思ってやめちゃうんです。家事はそうもいかないからやっていますが。なので、極限までやりたいことをなくしています。毎日子どもを9時に寝かせて、私が自由に取れる時間はそこからわずかな時間しかないので。

ただ、今週からついに夜泣きが始まっちゃったんです。夜9時に寝かしつけて、朝6時に起きますけど、それまでに2回起きるから。これまで夜泣きはなかったからそれだけでもラクだったと考えた方がいいですね(笑)。

(編集後記)
仕事と育児の両立、多くのママたちが悩むところだと思います。預けることに罪悪感を感じるママも多いでしょうが、プラスの面を見れば、いろんな人との関わりを持てますし子ども自身も成長します。新しい遊びを覚えたり、新しい友達ができたりするかもしれません。気持ちがマイナスに落ち込んだときは、プラス面も同時に見られるようになるといいかもしれませんね。次回は横澤さんが取り組んでいる、よしもとの「託児所付劇場」についてお話を伺います。お楽しみに!

取材、文・長瀬由利子 編集・井伊テレ子

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