【第2話】夫が浮気相手を妊娠させた!?男性不妊のはずなのに…。私たち夫婦の選ぶ「幸せ」とは
私たちは、結婚当初子どもを望んでいました。私はもちろんですが、子ども好きだった夫が切望していたのです。
子どもが生まれたらアレをしたい、コレをしたい……と、たくさんの夢を膨らませては、2人で輝く未来を見つめていました。しばらくは自然に任せていましたが、ほどなくして不妊治療をはじめました。
そこで私たちに突き付けられた現実は、あまりにも厳しいものでした。
夫が原因で、自然妊娠どころか「妊娠」自体が不可能だと告げられたのでした。(あのとき、それを告げられたときの夫の顔を私は一生忘れることはないでしょう)
もちろんセカンドオピニオンで別の病院に行ってみましたが、言われる内容はどこも同じでした――。
「男性不妊」の重責に耐え切れなくなった夫は、憔悴しきった表情で私に「離婚」を告げます。その姿は、見るに堪えない状態でした……。「このままこの人をひとりにさせるわけにはいかない。私がついて支えてあげなくちゃ」そう思った私は、何があっても夫を支えていく決意をしました。
しかし……。
子どもはいなくても、一緒に生きて行こう。そう決意していたのに。
私は夫の不妊を告げられてから、夫とのセックスに違和感を感じるようになっていたのです。ずっと「妊活」を目的としてきたセックス。その先に「子どもが望めない」と分かり、互いに肌を重ね合わせることに、どことない虚しさを感じていました。そしてそんな風に考えてしまう自分に失望しました。
……セックスの度に、私に謝ってくる夫。「ゴメン。ゴメン」と謝られる日々が続くと、一体何のために肌を重なり合わせるのか分からなくなり、喧嘩になってしまいました。
子どもができなくて、苦しんでいる夫に「一生そばにいる」と言った言葉に嘘はありません。でも心のどこかではまだ子どもができないことに納得していなくて、いつも「どうして……」と思っていました。
セックスは子どもを作るためだけの行為じゃないと分かっているのに。どうしても気持ちがついていかなかった……。
最低なのは夫じゃなくて私。子どもを諦められないのに、夫のためとかいいながら彼を手離す勇気もなかった。夫に痛いところを付かれて、思わず売り言葉に買い言葉で酷いことを言ってしまった……。
私は布団をかぶりながら、声を押し殺して泣きました……。
原案・ママスタコミュニティ 脚本・渡辺多絵 作画・んぎまむ