【ブラジャー事件その後・後編】どうして嫌がらせをするの?判明した思いがけない事実
ある日、祖母とふたりきりで話していると、かつて私に嫌がらせをしてきた「ブラジャー事件」の上級生女子の話になりました。「上級生とはもう会ってないよね?」と聞いてきた祖母は、何かを思い出すような遠い目をしていました。
祖母「あの”ブラジャー着けるな!”ってしつこく言ってきた子はもういないよね?」
私「もう卒業したからいないよ」
祖母「そう……ならいいけど」
私「何かあったの?」
祖母の告白にビックリした私。あの上級生女子は、祖母の家から歩いて2分のところに住んでいたとのこと。
祖母「あの子、小学校になってから言葉使いが荒くなっていってね。あなたに”小学校2年をなめんなよ!!”って捨てゼリフ吐いてたのよ……」
私「……あ! なんかそれ覚えてる」
私が小さい頃、大きな女の子にいきなりどなられた覚えがあります。それがまさか、あの上級生だったとは。
祖母「……でも家庭環境がとても複雑だったみたい。中学に入ったばかりの頃、よくいじめられたって聞いたよ」
私「え? あの上級生が??」
あのみんなから恐れられていた上級生が、かつてはいじめられる側だったということに私はびっくりしました。
祖母「体が大きいことをからかわれたりというのはあったみたい。生まれつきの容姿をからかうべきじゃないのにね」
私「……だから、私のブラのこと、しつこかったのかな?」
祖母「かもしれないね。だけど……」
相変わらず学校では、嫌がらせが続いていました。でも私は、すべて無視。暴言には傷つきましたが、全て聞き流していました。万が一殴ったり蹴ったりなど、過度な暴力があれば、容赦なく報告するつもりでした。
「危なかったらすぐ逃げる」
そう割り切ってからは、すごく気持ちが楽になれました。
進路は好きな絵の勉強をするための高校を選び、絵の勉強や面接対策に集中。その後、見事推薦をとることができました。嫌味を言ってくる人もいましたが、すべて「ふーん、そっか」で返すのみ。中学校を無事卒業したときは、ものすごい解放感でした。「負けないでよかったー!」心からそう思いました。
個人的にいじめは狭い空間で起こりやすく、負の連鎖が続きやすいと感じています。その空間は、学校だったり職場だったりさまざまで、誰でも巻き込まれる可能性があります。もし自分や、大事な家族が巻き込まれたときに、どう対処すればよいのか考えさせられた出来事でした。
文、作画・猫田カヨ
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