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【前編】実は私、親子の幽霊と一緒にアパートに住んでいました

これは私が独身だったころの不思議なおはなしです。
私には、付き合って2ヶ月になる彼氏がいました。ドラマのようなロマンチックな出会いをしたから、運命の相手だと信じていました。年齢的にも焦りが出てきた時期で、彼と絶対に結婚したかった。彼の方も「お前と結婚する」と口癖のように言ってくれていて「はやくプロポーズしてくれないか」とワクワクしていました。
『親子の幽霊と一緒に住んでいました(前半)1

『親子の幽霊と一緒に住んでいました(前半)2
彼は帰ってくるなり、仕事で業績が落ちたことを私のせいにし、ストレスをぶつけてきました。「お前は働いてないのに生活費を使いすぎだ」「バカだもんな、しょうがないか」
理不尽な罵倒をし、言葉の暴力で私を苦しめました。
しまいには「出て行け」と言われ、わたしは目の前が真っ暗になりました。なんとか彼の機嫌を損ねないように必死に取り繕う毎日。
そのくせ「夜だけは優しくなる彼」。私に選択肢は無く、体を許してしまいます。

『親子の幽霊と一緒に住んでいました(前半)3
ひどい扱いをうけてもまだ「彼と共に人生を歩きたい」と思っていました。だから私は憔悴していく自分に気づかないふりをしました。
そんな私の異変に気づき、心配した姉から「別れるよう」忠告されました。しかし私は「家で私が支えてあげて、外で仕事が上手くいけば、また前の彼に戻る」と固く信じていました。

ある日また時計が落ちました。
そして、また始まるモラハラ。会話がなくなり、目が合わなくなり、しまいにはまた……「出て行け」

もうだめだ……。私では彼の支えになれないのだ……。全部私のせい。
このころはもう鬱状態の私。楽になりたくて、自殺をしかけたそのとき、急にケータイの着信音が鳴り、ハッと我にかえりました。
「危なかった……」
ケータイを見ると電話もメールもなにもない状態でした。
どうして鳴ったの……?

その後、すぐに姉に泣きつき。全てを話しました。
慌てて駆け付けてくれた姉夫婦と荷物をまとめ、家を去り、そのまま彼とも別れました。
『親子の幽霊と一緒に住んでいました(前半)4

あれはやっぱり幽霊のしわざだったのか……

後編へ続く。

※この作品は事実を元にしていますが、完全なノンフィクションではありません。

文、イラスト・善哉あん

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