学校で「マスクを外してよい」基準とは?気温・湿度や暑さ指数が高い日のマスク着用ルールが変更に
2020年度は新型コロナウイルスの影響を受けながらのスタートとなってしまいました。子どもたちは、マスクをつけるなど「新しい生活様式」を取り入れながら学校生活を過ごしています。しかし日中の気温が35度を超える猛暑日も出てくる季節になると、マスクのせいで身体に熱がこもりやすくなってしまう恐れがあります。筆者の知り合いの新1年生の男の子は、猛暑日にマスクをつけたまま下校していて熱中症になりかけ、嘔吐したとのことでした。幸いすぐに休むことができ、その日のうちに回復しましたが、親としてはいつまた熱中症になるか心配な状況ですね。
熱中症と新型コロナウイルス、それぞれのリスクを考えたとき「マスクをつけるかどうか」は悩ましい問題でしょう。2020年8月6日、文部科学省からマスク着用に関するひとつの指針が出されました。
※この記事は2020年8月時点の情報を元に作成しています。
学校生活でのマスクの取り扱いについて新たな指針とは
『学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル~「学校の新しい生活様式」』の一部が、2020年8月6日に改訂されました。マスクの着用に関する部分を具体的に見ていきましょう。
身体的距離が十分とれない場合には着用すべき
学校では子ども同士の距離が近くなるシーンが少なくないでしょう。改訂版マニュアルでは児童生徒・教職員ともに
『身体的距離が十分とれない場合は、マスクを着用するべき』
(引用:学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル~「学校の新しい生活様式」32ページ|文部科学省)
とされています。
気温・湿度や暑さ指数(WBGT)が高い日にはマスクを外す
さらに改訂版では、熱中症を予防するための記述が追加されていました。
『気温・湿度や暑さ指数(WBGT)が高い日には、熱中症などの健康被害が発生するおそれがあるため、マスクを外してください』
(引用:学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル~「学校の新しい生活様式」32ページ|文部科学省)
新型コロナウイルスの感染予防は大切ですが、熱中症も命に関わる危険性をはらんでいます。気温や湿度が高いなかで、いつ、どのようなタイミングで子どもたちにマスクの取り外しを指導するかは、現場で臨機応変に判断するように示されています。また子ども自身が暑さで息苦しさを感じたときには、マスクを外したり、一時的に片耳だけにかけたりして呼吸を確保するよう指導していくそうです。個々のケースに合わせた対応を、ということですね。
暑さ指数(WBGT)とは
ところで衛生管理マニュアルにも出てきた「暑さ指数(WBGT)」とは、何を示す指数なのでしょうか。
1954年、熱中症の予防を目的にアメリカで提案されたのが暑さ指数です。人体が外気から受ける熱のうち、①湿度、②日射・輻射(ふくしゃ)など周辺の熱環境、③気温の3つを取り入れています。2020年7月1日には、この暑さ指数(WBGT)に応じて住民に警戒を呼びかける「熱中症アラート」の試行がスタートしました。まずは関東甲信地方1都8県(東京都、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、神奈川県、山梨県、長野)にて先行実施されましたが、2021年夏からは全国で「熱中症アラート」の本格的な実施が予定されています。
天気予報などで簡単に知ることができる気温と、暑さ指数(WBGT)の数値は同じではないものの、近い数値であることが表からわかりますね。全国で熱中症アラートが開始されるまでは、上図の表を参考に熱中症への対策をとっていきましょう。
暑さのなかでの「新しい生活様式」にママたちは不安を募らせている
「新しい生活様式」にのっとった学校生活がスタートして初めての夏、ということもあり、子どもたちの熱中症を心配するママたちは少なくないようです。「文部科学省がマスク着用に関するルールを改訂」というニュースを受けて、ママたちが偽らざる心境を明かしてくれました。
良かった!熱中症のリスクを下げられる
『マスクを外せるなら、そうしてあげてほしい』
『登下校は外してほしい。暑すぎる。エアコンがついている教室でなら着用してもいいと思うけど』
暑さで顔を真っ赤にしながらマスクをして登下校する子どもたちの姿は「かわいそう」のひと言ではないでしょうか。親もどうにもできない状況だけに、暑さ指数(WBGT)による条件はあるものの「マスクを外してよい」という方針を歓迎するママたちもいました。
マスクをとった状況はやっぱり心配……
『うーーーん。登下校は暑いし(マスク)なしにしてほしいけど、子どもたちを見ているとくっついて話しながら歩いているし心配にはなるよね。難しいわ』
『マスクをしていれば必ず感染を防げると思っているわけではないけれど、全員がマスクをしているからまだ何となく安心感もあったからなぁ。だけど熱中症も怖いし。マスクなしで外歩くのも暑いのに、マスクをして登下校だもんね。子どもたちが本当にかわいそうでならない』
『えー、マスク必須でなくなるなら学校を開けてはダメでしょ。ただでさえクラスター続出なのに』
熱中症も心配だけど、やっぱり新型コロナウイルスのリスクも軽視できない……そんなママたちの苦しい胸中が伝わってきます。
マスクを外してよいシーンも出てきた。外しっぱなしにならないように注意したい
慣れないマスク生活に疲れてきた子どももいるかもしれません。しかし子どもたちの健康を守るためには「基本はマスクをしたまま生活すること」が求められるでしょう。「一時的にマスクを外してよい」という方針は示されたものの、あくまで「一時的」であることを子どもたちには理解してもらう必要がありそうです。
熱中症を予防しつつも、新型コロナウイルスへの対策もこれまで通りやっていきたいですね。
文・しのむ 編集・千永美
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