「生理がつらいなら子どもを産め」!?あり得ないアドバイスを受けた筆者の体験談
「妊娠・出産すると体質が変わる」という話を耳にしたことのあるママは少なくないのではないでしょうか。女性特有の悩みの一つとして生理前、生理中の辛い症状がありますよね。筆者も20代前半のころは生理のつらい症状に悩んでおり、鎮痛剤を飲まないと仕事もままなりませんでした。経血の量も多く、就寝時にシーツまで経血が漏れてしまうこともしばしば。毎月生理が来るのが本当に憂鬱だったのです。
当記事では受診した病院から受けた衝撃的な出来事を通して、「妊娠・出産すると体質が変わる」説を紐解いていきます。生理痛に悩んでいた筆者は、出産後どうなったのでしょうか。
意を決して受診した病院から衝撃のアドバイスが……
生理の症状のせいで仕事に支障が出ることもあり、筆者は病院で診てもらうことにしました。まだ若かったため産婦人科に行く勇気がなく、高齢の男性医師が開業している内科を訪ねました。一通り自分の生理の症状を医師に伝え、どうにかならないかと助言を求めました。すると医師は少し沈黙したのち、こう言ったのです。
『僕が思うにね、最近の女性は結婚、妊娠、出産するのが遅すぎる。早めに結婚して妊娠出産すれば子宮が整って生理の症状は軽くなるから』
医師のアドバイスの内容に動揺を隠せなかった筆者は、思わず……。
『はあ……では今の辛い症状をなくすためには妊娠出産をするのが一番いいと言うことですか?』
と聞きました。そこで医師ははっきりとこう答えました。
『そういうことだね。はい、お大事に』
診断の結果、薬も処方されず診察料だけ払うことになりました。まだ妊娠どころか結婚の予定もなかった筆者は、「デタラメなことを言って! 何の解決にもなりゃしない!」と怒り心頭で病院をあとにしたのでした。
その後3人の子どもを出産した筆者。生理の症状はと言うと……?
疑惑の受診から数年後、結婚した筆者は3人の男の子を出産しました。3回の妊娠・出産を経て生理の辛い症状はどうなったかというと……ウソのように軽くなりました。ひどかった生理痛はほぼなくなり、経血量も気にならない程度まで減りました。はからずも例の医師のアドバイスどおりの結果となり、悔しいやら嬉しいやらで複雑な心境になったのを覚えています。
妊娠・出産を経験すると体質は本当に変わるのか?
母になり、妊娠、出産、子育ての情報を得る機会が増えると、例の医師が言っていた「妊娠・出産すると体質が変わる」という説を耳にするようになりました。なかには独自の見解を主張する専門家の方々もいました。しかし「妊娠・出産すると体質が変わる」という説を立証する科学的根拠はないようです。ではなぜ筆者は妊娠・出産を機に体調が改善されたのでしょうか。
妊娠前の生活を振り返ってみて気付いたこと
ふと妊娠前の自分を振り返ってみると、体調に悪影響を与える習慣が山ほどあったと気付きました。乱れた食生活、寝不足、不規則な睡眠時間、身体を冷やす服装……数えたらキリがありません。
一方子どもを出産してからは、家族の健康を考えた献立の食事を食べ、子どもと一緒に早寝早起きの毎日を送るようになりました。身体を冷やすスカートやローライズのボトムスは全て処分し、子どもと活動しやすいウエストの深いパンツルックが増えました。
例の医師が言っていたとおり、妊娠・出産を経験することで子宮の機能が整い、生理の症状が軽くなることがあるのかもしれません。しかし妊娠・出産を経験したことで、体調が悪くなったり、体質が変わってしまった話も耳にします。筆者の場合は、出産を機に不健康な生活から健康的な生活になったことで体調が改善されたのではないかと感じています。子どもが産まれるということは生活だけでなく、人生も変わると言えるかもしれませんね。実際に筆者は妊娠・出産を機に生理の症状が軽くなったので、例の医師に憤慨したことを今は少し反省しています。
せっかく手に入れた健康な身体を大事にしつつ、子どもとの時間を楽しみたいと思います。
文・子持ち鮎 編集・荻野実紀子 イラスト・カヲルーン