保育士さんが保育園を掃除する時間はどのくらい? アンケート調査と元保育園スタッフの体験談
毎日、子どもたちを預かってくれる保育園。子どもたちが安全に楽しく過ごせるように、保育士さんたちは頑張ってくれていますよね。しかし、その保育士さんたちの毎日の努力については、なかなか保護者は知る機会がありません。「1日どのくらい掃除をしているんだろう」、「園内の衛生環境を保つためにどんなことをしているの?」といった疑問を持っているママも少なくないのではないでしょうか。
先日、ロボット掃除機「ルーロ」などを展開するパナソニックは20~60代の保育士100人に調査を実施。今回はこの調査結果をご紹介するとともに、保育士さんの業務について覗いてみます。
保育士さんは1週間で3時間以上を掃除に費やしている!
調査では保育士さん100人を対象に保育園における業務について聞いています。最初の「毎日の保育園での業務について、忙しい/時間が足りないと感じることはありますか?」という質問に対し、88%の保育士が「ある」と回答。
保育士さんたちは特に「掃除」には長い時間を費やしているようです。「1日あたりの園内の掃除時間」は平均で約40分、これを1週間分(5日)で換算すると約3時間20分に相当します。子どもと遊んだり事務作業をしたりする以外に、かなりの時間を掃除に充てている保育士さんの大変さがうかがえます。
調査によると、「子どもと接する時間を除いた保育園業務」のうち、園内の掃除が占める割合は平均で約23%。連絡帳記入、イベントの準備、砂場や遊具の整備など、子どもと接する時間以外にも、保育士の業務はさまざまあります。その業務の約4分の1を掃除が占めているというのは、驚きではないでしょうか。
掃除業務が保育士さんの負担になっていることも
次に、園内の掃除でかなりの時間が取られている保育士さんたちに「普段の業務において、掃除が負担になっていると感じることはありますか?」と聞いたところ、約7割(66%)が「ある」と回答。
掘り下げると、調査をした保育士さんの全体の65%が「時間的な負担」を、55%が「精神・身体的な負担」を感じていることがわかりました。具体的には、
『部屋が大きいので掃除をする箇所も広い。また、1クラスにつき1人のみで掃除をするので時間がかかる」(27歳・女性)』
『保護者から見られる場所でもあるため丁寧に掃除をしているので、どうしても時間がかかる」(25歳・女性)』
『砂やホコリがたまりやすいので、隅々まで掃除をするのが大変。ゴザや椅子を動かすのもひと苦労(26歳・女性)』
『掃除は子どもの安全のために必須の業務なので、責任を感じる」(32歳・男性)』
といった声がありました。
体験談・掃除は乳児の誤飲を防ぐ意味でも重要な業務だった
筆者は以前、0~2歳を預かる保育園で働いた経験があります。当時の園では、早番は開園する1時間以上前に出勤をし、園全体の掃き掃除と子どもが触る場所のアルコール除菌を行っていました。子どものお昼寝中とお迎え後の夜にも、同じように掃き掃除とアルコール除菌をしていたので、1日3回は誰かが掃除に徹する必要がありました。
子どもが走り回る園内は、とにかくホコリやゴミが溜まってしまいます。乳児であれば園内のゴミを誤飲する可能性もゼロではないため、徹底した掃除と除菌は子どもたちの安全のために絶対にしなくてはならないことでした。保護者の方から見られる入口付近も、掃除が必要でした。
今回の調査結果でも、保育士さんたちの毎日の掃除に関するリアルが見えてきます。こうした実態を見てみると、送迎時に保育園の見方が少し変わるのではないでしょうか。また、これから保育園入園を考えているママは見学の際に園の掃除について質問してみると、その園の方針をうかがい知ることもできるかもしれませんよ。
文・AKI 編集・しらたまよ