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【繁田和貴さん第2回】家での学びが加速する!ネット上で仲間と一緒に学習できる「オンライン自習室」とは

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コロナの影響による休校延長で、自宅待機を余儀なくされた子どもたち。長引く自宅学習を上手に乗り切るためにはネット上の自習空間「オンライン自習室」を活用するのが効果的だといいます。お話を教えてくれたのは、個別指導塾「TESTEA」塾長の繁田和貴さん。子どもの塾選びをサポートするサイト「塾シル」代表の古岡秀士さんとの対談で、今子どもたちに必要な学習について考えてみました。
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ゲームで遊ぶだけじゃない。オンラインは子どもの居場所づくりにもなる

古岡秀士さん(以下、古岡):新型コロナウイルスの影響により、休校の期間が続いています。繁田さんは今の子どもたちの状況をどのように感じていますか?

繁田和貴さん(以下、繁田):まず子どもたちのことについていえば、勉強リズムを作るのが大変だと思います。学校があるときは朝8時頃に家を出て、8時半頃から授業がスタート。そのあと午前中は授業をやって、お昼ご飯を食べて、午後に授業があればそれもやって帰るという、毎日一定のサイクルがあります。しかし学校が休校になったことで、子どもたちの生活リズムの作り方は各家庭にゆだねられています。当然、家庭によっては不規則な生活になるところもあり、子どもたちの中にはなかなか勉強に集中できていない子も多いんじゃないかと思います。

古岡:一日中、子どもを家で見ている親自身もストレスがたまりそうですね。

繁田:親も子どももストレスが相当たまると思いますよ。一軒家で広い部屋があればまだしも、マンションやアパートだったらなかなかそうもいきませんよね。コロナのために外出も控えているから一層ストレスもたまる。いくら愛情たっぷりの親子関係でも耐えられないときはありますよ。お互いにイライラしてぶつかってしまうこともあると思います。

子どもにとって友達とも会えず、家庭以外に居場所がないというのは相当なストレスです。
こういうときに「オンライン」が役立つんですよ。僕ら親世代からしたら、オンラインはゲームをして遊ぶところのように思えるかもしれませんが、オンラインというのは子どもの居場所作りにもなるのです。

「Zoom」を使った「オンライン自習室」が大反響!そのワケは?

古岡:オンラインを使った子どもの居場所づくりというのは、どういったことがいいのでしょうか?

繁田:うちの塾ではずっと個別指導をやってきて、コロナの感染防止のためにそれを全面的にオンライン授業に移行したのですが、それに加えて今回「オンライン自習室」を立ち上げました。

古岡:ここ最近、ネットを使った「オンライン授業」のことはよく耳にしますが、「オンライン自習室」とはどういうものなのでしょうか。

繁田:オンライン自習室では、Zoomというオンライン会議ツールを使って、みんなで一緒に自習をする場を提供しています。このオンライン自習室を「算数道場」という名前にしたんですが、だいたい学校の1クラスくらいを定員にして、時間を決めてオンライン上に集まり、各自やっているドリルなど持参して一斉に勉強をするんですよ。

古岡:学年別ですか?

繁田:学年は小学1年生から中学1年生まで混ざっています。それぞれ自分で課題を決めてやるので学年が違っていても問題ありません。無学年制にしたことにより、上級生の姿勢に下級生が良い影響を受けたり、逆に下級生の頑張りに上級生が刺激を受けるといった良い効果が見られます。最初に15分、講師が生徒一人ひとりから今日の目標を聞き、自習時間が終わった後に15分程度の公開フィードバックをします。これをトータル1時間半くらいで行います。

古岡:生徒の反応はどうですか?ママたちからの評判は?

繁田:みんなかなり集中してやっていますよ。もちろん中には遊びだしてしまう子もいますが、音を消しているため周囲に迷惑をかけることはありません。やってみて驚きだったのは、普通に家で勉強するよりもオンライン自習室の方が勉強が進む! とかなりの割合の生徒の親御さんから感謝されたことでした。「こんなに集中している姿は見たことがなかった」「下の子の面倒を見なくてはいけないからとても助かる」といった声も。オンラインで画面越しに仲間とつながるだけで、子どもたちが家で自主的に勉強し、高い集中力を保てていたことは、親御さんにとって新鮮な驚きだったんじゃないかと思います。

「みんながやっているから自分も集中しなきゃ」で自ら学び始める子どもたち

古岡:この「算数道場」の成功の秘訣はなんですか?

繁田:「子どもには集団の影響力が大きい」ということを理解したコミュニティづくりです。一人でやっていると、ちょっとつまずいて集中力が途切れるなんてことはよくあります。そんなとき、まわりを見渡すと(この場合Zoomなのでパソコンのモニターやタブレットですが)ほかの子どもたちが真剣に取り組んでいるのが目に入りますよね。それを見て「自分も集中しなきゃ」と思い、また課題に取り組めるのです。この「集団でやっている感」がポイントです。もちろん場を盛り上げるような工夫も織り交ぜつつ、子どもたちを楽しませるのが大切なのは言わずもがなです。

古岡:このオンライン自習室は「算数道場」という名前がついていますが、算数に絞ったのはなぜですか?

繁田:実は算数以外をやってもいいんですけどね(笑)。算数は中学受験の核となる教科で、休校期間に特訓するには最適なのでそう名付けました。そして「この機会にみんなで算数を鍛えるぞ!」というちょっと体育会的なノリも出したく「道場」と。あと道場には、きちんと時間を守って礼儀を大事にという思いも込めています。学校がない分、そういう役割も塾が担う必要があるかなと。ですから算数道場は開始時刻になるとみんなで一斉に挨拶をするところからスタートします。

古岡:授業の最初に、生徒一人ずつに目標を発表させるんですね。

繁田:はい。実はこれがすごく大事です。目標を立てることで自分が今日やるべき課題が明確になるし、自習の後には講師からフィードバックがあります。目標に対してどのくらい達成できたのか、目標達成できなかったとしたらどこを改善したらいいのか。目標設定と振り返り。これをセットで行うことが大切なのです。

家庭でもできる「オンライン自習室」。できないことよりもできたことに目を向ける

古岡:家庭でも、ママたちが数人集まってオンライン自習を開催できそうですね。

繁田:ぜひやってみてください。家にいると、どうしても生活リズムが乱れがちになります。そのときにママ友同士の持ち回りでもいいので、オンライン自習を定期的に開催すると、学習する習慣が身につきます。自宅にいてひとりでやる勉強はなかなか集中できないかもしれませんが、オンラインで仲間とつながって取り組めばそれだけでやる気がアップします。また子どもが勉強に集中している間は、ママたちも自分の時間ができるからストレス発散にもなります。親子ともにいい時間が過ごせますよ。

取材、文・長瀬由利子 編集・北川麻耶

参考サイト:失敗しない塾選び「塾シル」

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