子どもが自転車事故の加害者になることも!?続々と加入義務化になっている自転車保険って?
2020年4月1日「東京都自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例」が改正・施行され、自転車の損害賠償保険等への加入が義務化されました。東京都以外の都道府県では兵庫県や大阪府、政令指定都市ではさいたま市や名古屋市など、すでに施行されている地域もあります。
自動車は運転免許が必要ですが、技術さえあれば誰でも乗れてしまうのが自転車。気軽に乗れるものだけに、事故につながる可能性も少なくないはずなのですが……?
大人の自転車運転もそうですが、ママやパパが心配なのは子どもの運転かもしれません。万が一事故になったときのために、頼れるのが保険。東京都でもその加入が、自転車利用者とその保護者に義務づけられたのです。
子どもの自転車運転は不安だけど……。危機感の薄い保護者も
我が子の自転車運転を見ていて「スピード出しすぎ!」「どうして一旦停止しないの?」など、不安に思ったことのあるママもいるかもしれません。ふだんは安全運転でも、お友達と一緒になったとたんに注意が散漫になったり……。ときと場合によっては自転車での「うっかり」が、とんでもない事故につながることもあります。
ママは「うちの子が事故に遭わないように」と一番に考えるかもしれませんが、実際は子どものほうが加害者になることも。2013年には自転車事故を起こした11歳の子の保護者が、1億円近い賠償金を請求されたケースも話題になりました。
そんな「いざ」というときのためにも、加入しておきたいのが自転車保険ではあるのですが……。
国内最大級の子どもとお出かけ情報サイト「いこーよ」(アクトインディ株式会社)が先日行ったのが、自転車保険に関するアンケート調査。小学生以下の子どもを持つ、全国の保護者699名を対象にしたものです。
それによれば、自転車事故で高額な賠償金請求をされることがあるのを知っているのは、全体の約9割。
次に「知っている」と回答した中から「自転車保険を契約しているか?」と問いに、「はい」と答えたのは約半数です。
さらに現在保険に加入していない人に「今後加入を考えているか?」と聞いたところ、その気がある人は75%と多くいたものの、1年以内で加入を検討する割合は1割とかなり少なめでした。
自転車保険はまだよくわからない?すでに加入している可能性もアリ
調査に協力した人たちの、自由回答がこちらです。
「子どもは視野も狭く注意力も欠けていると思うので、自転車保険へ加入が義務化されるのはとてもよいと思います。大人もですが、被害者・加害者どちらの立場になっても心や身体に傷を負うと思うので、せめて金銭面では心配のないようにできる対策をするに越したことはないと思います」(6歳男子・10歳男子のママ)
「幼稚園入園時に、資料とともにすすめられた。そこで義務があることを知って調べたので、加入のよいきっかけになった」(1歳女子・4歳女子のママ)
必要性を感じていても、あまり乗り気でない声もありました。
「あまり自転車に乗ってないので、後回しになってしまっている」(9歳男子のパパ)
「事故が起きないに、越したことはないのですが……。少しでも節約したいので、痛い出費です」(0歳男子のママ)
「自動車保険と同じぐらい細かい保証のある保険があまりないし、説明してくれる会社も少ない」(10歳男子のパパ)
「会社によって証券や約款が届かないことがあり、信頼できるかどうかよく確認することが必要」(1歳女子のパパ)
たしかに自動車保険に比べると、自転車保険はまだ内容に改善の余地があるのかも。現時点で加入を考えるのなら名前が広く知られているところが安心といえそうです。多くは毎月数百円からと、掛金も手頃なよう。
すでにクレジットカードの付帯、自動車保険や火災保険などの特約として、個人賠償責任保険がついていることもあります。PTAの保険など、学校で加入募集をする団体保険も同様です。まずは、現在加入している保険の内容を確認してみてはいかがでしょうか?
調査期間:2020年3月2日〜23日
調査対象:小学生以下の子どもを持つ、全国の保護者
調査数:699名
調査実施機関:「いこーよ」(アクトインディ株式会社)
文・鈴木麻子 編集・しらたまよ