ゲームの家庭内使用を条例で規制?香川県のネット・ゲーム規制条例案にママたちの意見は
やるべきことをそっちのけで四六時中ゲームやスマホに夢中な子どもに、日々不満をつのらせているママも多いのではないでしょうか? 家庭で時間制限をしたり、ルールを設けたりするなどさまざまな工夫をしているにも関わらず、守らない子どもと日々対立してしまう……といった家庭もあるのでは思います。
そんなスマホやゲームについて、香川県では家庭内での利用を制限する「ネット・ゲーム依存症対策条例(仮称)」の制定を目指しているようです。一体どんな内容なのでしょうか。
「ネット・ゲーム依存症対策条例」案とは?
香川県議会が条例の制定を目指している「ネット・ゲーム依存症対策条例(仮称)」。こちらは18歳未満のインターネットやゲームの使用を制限する全国初の条例案です。その内容は、家庭内での使用ルールの基準として「18歳未満のコンピューターゲームの使用は1日60分(休日は90分)まで」、「中学生以下は午後9時、高校生などは午後10時までにスマホなどの使用をやめる」というもの。保護者は子どもをネットやゲーム依存から守るために、これらのルールを守らせようと努める必要があるのだそう。この条例案に対して、ママたちのさまざまな意見も飛び交っていたのでご紹介します。
子どもに説明しやすい?賛成派の意見
まずは条例案に賛成のママたち。どういった理由から賛成しているのでしょうか?
『親が管理できないから、いいんじゃない?』
『スマホ規制した方がいくらか効果あると思う』
『条例で決まってるから! って、子どもに説明しやすくていいわ』
親がどんなに言っても、中高生ぐらいになれば言うことを聞かない子どもも増えそうですよね。それぞれの家庭で制限するより、「条例で決まっているから」と理由を明確にできるので、親にとっても説明しやすいという声もありました。
『ゲームはともかくとして、子どものスマホは規制されても不思議じゃないと思ってる。
事件も多いし』
『ゲームやスマホのために人間が操作させられているようになってきてるもんね。
時間の無駄だしやらなくて後悔することは無さそう』
『いいと思う。せっかくの子ども時代をAIやスマホに乗っ取られている子どもが多いと思う。やらなくても困らない、やっていても何も得ない、子どもには必要ない』
SNSを使ったトラブルや事件を心配して、利用時間などが制限されることに賛成のママたちもいました。そもそもスマホやゲームなどは子どもに必要ないと考えるママもいるようです。
『実効性はさておき、依存症を知る機会になるからいいんじゃない』
条例を必要とする背景には、世界保健機関(WHO)が「ゲーム障害」を新たな疾病に認定したことも挙げられています。これをきっかけに、ゲームのやりすぎは依存症につながることを子どもたちも知る機会になるのではと考えるママもいました。
守る人いるの?反対派の意見
一方で反対意見も多々寄せられています。
『何いってんだか。誰が守るの?』
『できないから困ってる。
中学生なんてホント言うこと聞かないからな。
こんな口だけの取り決めを守れるか』
『えー、ないない、こんなの意味ない。
極端すぎだよ。小学生にネット環境を与えて制限なく見せてる親なんて、こんな条例ができても気にしないし、ゲーム時間が減っても勉強時間が増えるわけでもない』
大人の言うことを素直に聞かない年頃の子どもたちが、条例を守るのか疑問を持つママもいました。そもそもこの条例案には罰則がないため、実効性は低いかもしれません。また、ゲーム時間が減ったところで勉強時間などが増えるわけでもないと感じているママもいました。
『そういうのを自分で管理できるようにするのも成長に必要なことでは?』
使用を制限するのではなく、自分で管理できる力をつけさせるほうが必要だという声もありました。
ネットやゲームの利用制限をするだけでいいの?
子どもたちがネットやゲームにのめり込むのは、遊ぶ環境にも問題がありそうです。
『夏は暑いし何時間も遊べるような公園もない、ゴールデンタイムにアニメもやってないし、子どもらは何をしたらいいんだかね』
『この条例はいいと思うけど、公園で遊べば騒音がどうたら言われ、ボールは禁止され、昔とは比べ物にならない猛暑で激アツの滑り台は使えず。今の子どもたちは可哀想だよね』
『自分が子どもの頃は自宅前の道路にチョークで落書きしてたけど、今は道路族だ放置子だと言われ、迷惑非常識と叩かれる。
何してれば文句言われないんだろうと時々思う。
ゲームくらいだよね。騒音もなく落書きなどもしない遊び』
夏は猛暑で外で遊びづらい、外遊びしても騒音と言われることがあるなど子どもたちが遊ぶ環境も変化していますよね。大人が子どもたちに静かに遊ぶことを求めがちになってしまう今の環境も、問題の一つかもしれません。一概に利用を制限をするだけでは、子どもたちがネットやゲームにのめり込むことを止められないのではないでしょうか。
こちらの条例案については、県民や事業者から意見を募るパブリックコメントを実施した後、2月の定例県議会に提出。定例会最終日の3月18日には採決される見通しで、成立すれば4月から施行されるとのこと。どのような結果になるのか注目ですね。あなたはこの条例案についてどう思いますか?
文・山内ウェンディ 編集・井伊テレ子