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職員室が大好きな居場所だった私。見守ってくれていた先生方には感謝しています

私が幼稚園年中ごろの話です。
私は一時期、自由あそびの時間を職員室で過ごしていたことがありました。職員室に行って特に何をするでもありません。部屋の奥の、窓際にあったソファーに座って、先生方の仕事の様子や園庭で遊ぶ園児たちをただ眺めているだけ。はじめこそ、先生方に「遊びにいかないの?」と声をかけてもらうこともありましたが、私はそのたびに「ここがいい」と答えたので、そのうち先生方もそっとしておいてくれました。

私が職員室に入り浸るようになったきっかけ。それは、自由あそびの時間に突然、階段で友だちに突き飛ばされて、2階から落ちてしまいそうになったことでした。

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私は怖くてたまらなくなって、先生がいる職員室へ向かったのです。先生に助けてもらおう。その一心でした。けれど、いざ職員室について先生方の顔を見ても、自分に起こったことを話すことができませんでした。怖いという気持ちでいっぱいになってしまって、言葉が出てこなかったのです。

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このとき、職員室の入り口で黙ったまま立っている私の相手をしてくれたのは、園長先生でした。何も言えない私に「中へどうぞ」と招いてくれて、ソファーに座らせてくれたのです。私は結局そのまま、事情を説明できずにいましたが、先生が沢山いて静かな空間にとても安心感を覚えました。そこにいると気持ちが落ち着いて、自由あそびの時間が終わると、またクラスの中に戻ることができました。

職員室は居心地がいい。私はすっかり気に入って、時間があれば職員室で過ごすようになりました。

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私は最後まで先生方に真相を話すことはできませんでしたが、いつの間にか階段に「かいだんで おさない はしらない あそばない」という張り紙がされたことに気がつきました。もしかしたら、あのときの様子を目撃した友だちの誰かが先生に知らせてくれていたのかもしれません。

こうして職員室が大好きな居場所となった私。その後も、小学校から大学まで(苦笑)、学校生活や人間関係のトラブルの中で「疲れたな」と感じたときには、休み時間や放課後を職員室や教授室で過ごすことが多くなっていました。

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小学校では教材作成のお手伝い。中学校では配布する予定のプリントの帳合。高校では職員室の先生方のお茶汲みや水場の掃除。大学ではお茶を飲みながら講義内容を話し合ったり教授の昔話などを聞いたりして過ごしていました。どの時代の先生方も、私に戻れと強制することはなく、仕事を探して役目を与えてくれていました。

自分が教室や友だちの中にいづらいと感じたとき、学校に居場所があった安心感はとても大きなものでした。理由もうまく話せず何も言わなかった私を、黙って受け入れ見守ってくれていた先生方には感謝しています。

文、イラスト・Ponko

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