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<行き渋りの記録>小学校へ行けなくなってしまった娘が初めてひとりで立ちあがった日の話【前編まんが】

小学1年生になった娘。ピカピカのランドセルを背負い、元気に登校する姿を見送る私は、少し寂しくもありつつ、大きくなった背中を見つめて目頭を熱くしていました。
しかし、新学期がはじまって1週間を過ぎたころから娘は学校に行けなくなってしまいます。
細かな理由はいろいろあるものの、大きな原因はやはり環境の変化でした。幼稚園の頃とはタイプの異なるお友達の中に入って精一杯頑張った1週間で、娘は疲れ果ててしまったのです。
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すると、学校の先生から「本人が慣れて落ち着くまで、お母さんが一緒にいてあげてください」との言葉が。その日から娘と私の登校がはじまりました。
朝から娘と手をつないで一緒に登校し、一緒に授業を受け、一緒に下校する日々。「徐々に距離を離していきましょう」というカウンセラーの先生の言葉通り、最初は娘のすぐ隣で一緒に授業を受けます。そして少しずつ、少しずつ距離を離し、数週間後には教室の後ろで見守るようにはなれたものの「学校へ行きたくない」という娘の意思は変わることはありませんでした。
そして同時に、私自身の気持ちも焦る一方でした。
「なんでうちの子だけ、できないんだろう」
「なにか育て方を間違えたかな……?」
「いつまで付き添いは続くの? それとも、このまま不登校になってしまうの?」
「終わり」の見えない戦いに疲れる私。娘の気持ちを誰よりも分かってあげなきゃいけないはずなのに……この状況にまず心が折れそうになったのは自分自身でした。
背中を押すことも、いったん休ませることもできず、ひたすら寄り添って登校する毎日。これが合っているの? もしかしたら他の方法があるんじゃないの? 「正解」が分からず、「どうしたら良いのだろう」と、毎日のように自問自答を繰り返していました。けれど、私と一緒であれば学校に行ける娘。だったら、ひとりで行けるようになるまでとことん付き合うしかない……。きっと、なにか「キッカケ」があれば、変わるはず。そう信じて寄り添い続けました。

一緒に登校し始めて1ヶ月半くらいたったある日、娘はまたもや朝から「登校したくない」と号泣しました。最近は、行きたがらないのは相変わらずなものの、号泣するまでではなかったのに。「また振り出しか……」愕然としてしまった私には、もう優しい言葉をかけてあげられる余裕はありませんでした。
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泣き叫びながら連れられる娘を、登校中の子どもたちが振り返りながら見つめます。でも、もう「恥ずかしい」とか「みっともない」とか、そんなのは関係ありません。そして教室へ着いて、娘の目を真っすぐに見つめます。
「行ってらっしゃい」
娘は涙をぬぐいながら、静かに頷き教室に入って行きました。その頃には、同じ教室内に私がいなくても授業は受けられるようにはなっていたのです。
「がんばれ……」
言いたいけれど、今の娘にとってはズシリと響くであろうこの言葉。私は娘の後ろ姿に向かって静かにつぶやきました。

【後編】に続く。

脚本・渡辺多絵 作画・イチエ

※この漫画は知人の話を元に作成しています。

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