「つらいなら学校へ行かなくていいよ」子どもの心への寄り添い方とは
子どもがつらいとき、親はどのようにその心に寄り添えばいいのでしょう。大人も子どもも、傷ついた心や体を癒すことはそう簡単ではありません。少しでも苦しいことから子どもを開放してあげたい、一番近くにいて子どもを見守っているママがそう思うのも無理のないことです。子どももママも、その数だけ多かれ少なかれ、悩みや問題を抱えています。どう向き合うか、どう子どもを守るか。そのことについて考えさせられる声がママスタコミュニティに投稿されました。
『「辛いなら学校行かなくてもいいよ」ってみんななら言える?』
子どもを思うからこそのジレンマ
学校という社会に入ると、人間関係や集団生活や学習面など、さまざまな要因から子どもが辛いと感じることがあるかもしれません。解決策があればよいのですが、なかなかそうはうまくいかないもので……
『わが子は、アトピーや自家中毒(自分の体内に発生した毒性物質のために起こる中毒)になりやすく疲れやすいです。学校でも人間関係がうまく行っていないようで最近休みがちになってきました』
『朝になるとしんどい、お腹痛い、吐いた。と言い、確かに不整脈もでているので休ませているのですが……』
投稿者のお子さんは、身体面でのトラブルを抱えているようです。その影響かどうかは分かりかねますが、人間関係の問題まで勃発してしまっているとは、同じ子どもをもつママとして、とても辛い話です。朝になると具合が悪くなるというのも、身体面だけでなくメンタル面の部分も影響しているのかもしれません。
『親として心配な反面、このまま学校に行けなくなるのでは、という不安もあります』
わが子に「辛いなら休んでもいいよ」と言ってあげたいのに、本当にそれが正しいのか悩んでしまうのでしょう。ママもこれから先の見えない子どもの未来について不安を抱えてしまい、迷うのも仕方ありません。この状態が長く続くことで、子どもの心もママの心も疲弊して身動きが取れなくなってしまいそうで心配です。
賛成でも反対でも、ママたちが子どもを思う気持ちは変わらない
投稿者の「学校を休んでもいいよ」と子どもに言いたいほどの状況に、ママスタコミュニティでもママたちが多くの意見を寄せていました。賛成する意見もあれば、反対する意見もあります。しかしどちらにせよ、子どもを思うママの気持ちというのは計り知れないもので、その愛の深さは変わらないのだなと感じます。
「学校に行かなくてもいいよ」という意見
『言える。そこまで症状が出てるのは可哀想』
『そこまで辛そうなら行かなくていい。その代わり家で勉強させて勉強に遅れないようにする』
『体調が悪いなら行かせられない』
「言える」、「休ませる」という意見のママたちは総じて、身体面・体調面の問題を考えると無理はさせられないという印象を受けました。数日休んで治るものであってもそうでなくても、その問題によって更なる不調をきたすのであれば、休んでちゃんと治すべきという意見も理解できます。
「学校に行けるなら行かせる」という意見
『人生調子が良いときもあれば悪いときもある。今悪いときのまま止めてしまうとそのままだよ。毎日通ってたら良いこともあるはずなのに』
『今までよくあったけど熱がない限り学校へ行かせてくださいって言われてるから無理にでも行かせてたよ』
『行かなくてもいいけど、勉強わかんなくなるよとか、仲良しの子が待ってるよとか少しずつ行かせながら、話を聞いてみては?』
無理強いをするのではなく、子どもの心に寄り添いながら学校へ行く方法を模索することも大切です。子どもの本音がどこにあるのか、まずはそれを知る必要がありますよね。もしかしたら、本音では学校には行きたいと思っているかもしれません。休ませる決断をすることは構わないけれど、決断した後の子どものその後をママたちは心配しています。
増加する不登校児童の数
文部科学省の平成28年度の不登校に関するデータをみると、長期欠席者は小学校だけで67,798人となりました。そのうち不登校生児童となる小学校の生徒数は31,151人と発表されています。小学校の在籍者数に占める不登校生児童の割合は0.48%となり、10年前の調査では0.33%だったことから、増加傾向であることが伺えます。
問題解決の道を探すには
年々増加する不登校児童の推移をみると、他人事ではないと考えるのも仕方ありません。休んでいいよと子どもに言うことがイコール「不登校」ではないと思いますが、このままわが子がずっと登校できないのでは? と不安を感じるのは当然です。
『担任や教頭、スクールカウンセラーや病院と相談して教室に来れなくても30分でも1時間でも学校には行こうってことになり、調子が悪いときは学校に行って職員室や保健室で先生と少し話をして帰る、調子がいいときは半日学校へ行って保健室や図書館で勉強して帰るとか、とにかく休まず1日のうちの数分でもいいから学校へ行こうって感じで通わせてる』
掲示板にはこのような体験談も寄せられていました。ママひとりで抱え込まず、誰かに相談してみるのも解決の糸口を探すことになるでしょう。
子どもの心に寄り添う方法
それでもダメな場合……何が解決策となるのか。それは子どもの声に耳を傾けることではないでしょうか。まずは子どもの心に寄り添い、子どもの声に耳を傾けてからでも何かを決めるのは遅くないのではないでしょうか。
『本人も学校がいや、とは何度聞いてもいいません』
投稿者の方はこのように続けています。もちろんすでに学校や小児科、行政にも相談し、小児精神科にも通院しているそうです。だからこそどうしたらいいか思い悩んでいるのでしょう。でもお子さんは「学校がいや」ではないと言っているようです。それなら「なぜ休みたくないのか」「どうしても行きたいのか」など、選択肢をどんどん与え、子どもの本当の気持ちをみつける作業をしてみるのはどうでしょう。
嫌ではないなら基本は学校に行く、でも体調が悪い日は思い切って休む。遅刻しても行ったのなら褒めてあげることが大切なのでしょう。その中で、ママが今日は体調が悪いと判断したら休んでいいよといってもいいのかもしれません。
正解・不正解を探すよりも大切なこと
「学校は無理していかなくていいよと言えますか?」そんな問いかけから始まったこの問題ですが、はっきりとした正解も不正解も存在しないのではと思います。答えは子どもの心の中にあって、それが実現できるのか、実現するにはどうするのか、実現した後どうなるのか……。子どもの声に耳を傾け、心に寄り添って一緒に考えてみませんか?
「辛いなら学校を休んでいいよ」と言うことはできても、それを実行するかどうかを、子ども自身が決めてもよいという選択肢もあります。できれば学校に行ったほうがいいけど、ダメなときに休むことは悪いことではない、それを教えてあげるのもママの役割ではないでしょうか。
これはママにもあてはまります。ママだってダメなときは休まないと心も体ももちません。子どもが辛そうにしているのをみて「学校を休んでいいよ」と言わないことでママ自身の心が疲弊してしまうなら、言うのもひとつの方法です。子どもの心に寄り添うにもパワーが必要です。だからママもしっかり休んで、心も体も元気でいてください。
文・櫻宮ヨウ 編集・横内みか
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