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全国の公立小中学校のエアコン設置率は約4割。子どもができる「熱中症対策」とは?

Boy drinking water in a garden

夏の平均気温の上昇傾向が続いています。近年の暑さを一言で表すと「灼熱」、まさにこの言葉に尽きるのではないでしょうか。ニュースでは熱中症で救急搬送された人数が連日報道されているのを耳にするのではないでしょうか? 尋常ではない暑さの中、いまだにクーラーが設置されていない小学校が一定数あるというのです。「命にかかわる暑さ」とまで言われる中、教育現場ではクーラー設置による環境格差の明暗がはっきりとし始めました。子どもを守るために私たちができること、子どもに伝えておきたいことについて、一緒に考えてみましょう。

クーラーのない小学校は約3割超

東京都品川区に本社をもつ「アクトインディ株式会社」が企画運営している、国内最大級の子どもとお出かけ情報サイト「いこーよ」で、小学生の子どもを持つ全国の保護者97名を対象にしたアンケートが行われました。その中の問いに「子どもの通う小学校にクーラーは設置されていますか」というものがありました。

クーラーがないとの回答の割合は34%

97名からのアンケート結果のうち、なんと3割を超える小学校にクーラーが設置されていないという結果が出ました。この数字には驚きが隠せません。このような連日の猛暑……いえ、酷暑といっても過言ではない暑さの中、子どもたちは大変な現状に置かれていることから目をそむけて良いのでしょうか。

クーラーのない小学校に通わせる保護者の声

このアンケートの中から、さらにクーラーが設置されていない保護者のみに追加のアンケートが行われました。そのアンケート結果を基にどのような意見があるかをみてみましょう。

「夏の時期は学校に通わせることが不安ですか?」という問いに対し、「とてもそう思う」「そう思う」と回答した割合は45%となりました。通学路を歩かせるだけでも炎天下の影響で熱中症のリスクが高くなっている今、エアコンのない教室に大勢の生徒が一度に介し、長時間過ごすことに不安を感じるのは当然です。ただ、不安だと感じている保護者が45%という少なさには驚きが隠せません。

しかしこの結果よりも注目すべきは「学校にクーラーを設置してほしい」という問いに対する回答です。「とてもそう思う」「そう思う」と答えた割合は72%となりました。不安を感じるかどうかはさておき、やはりクーラーは必需品であると考える保護者が大半であることは事実です。

データでみる夏の暑さの変化

「年々日本の夏が暑くなっている」、そのように肌で感じているママたちも多いはずです。それを裏打ちするデータをいくつかご紹介してみましょう。

7月の最高気温の平均値を過去30年で比較

気象庁が発表している1988年・1998年・2008年・2018年(※7月22日現在)の最高気温の平均値を比較してみました。

1988年 25.2℃
1998年 29.0℃
2008年 30.9℃
2018年 32.6℃

30年前と比較し、年を追うごとに最高気温の平均値が上昇していることが分かります。1988年は冷夏の影響があり著しく低いですが、このような数字から昔と今は違うということを痛感できるでしょう。クーラーはぜいたく品だと言われた時代から、必需品へと変化していなければならないのです。

熱中症での入院患者数

気温の上昇に伴い、熱中症で救急搬送され入院する患者数も増加傾向にあります。平成30年7月9日~15日(速報値)のデータをみると、その数は全国で9,956人にも上っています。一昨年の同時期(確定値)は7,414人と、およそ1.3倍に増加しているのです。

命を守る!覚えておきたい「熱中症対策」

今回のアンケートでは約3割超の小学校にクーラーが設置されていないという現状でしたが、文部科学省が発表している平成29年度の「空調(冷房)設備設置状況等調査結果」では、全国の公立小中学校の設置率は普通教室・特別教室を合わせて41.7%となっています。

地方によっては100%に近いところもあれば、10%台の学校も少なくはありません。このような環境格差は財政などの問題ですぐに解決することはありません。そうなるとママたちにできることは、子ども自身ができる「熱中症対策」を教えることではないでしょうか。

夏休み、小学生の子どもはどのように過ごす?

冒頭でご紹介した国内最大級の子どもとお出かけ情報サイト「いこーよ」では、小学生の子どもが夏休みをどのように過ごすかというアンケートもおこなっています。最も多かったのは73%で「家で自由に過ごす」、次いで41%が「地域のプールや児童館などに行く」、39%が「習い事に通う」となりました。この結果をみて、保護者の目が届かない所でも自分の命を守る行動を覚えておく必要性はご理解いただけることでしょう。

子ども自身がおこなう熱中症対策

これは小学生以下の未就園児の子どもにも覚えてもらいたいことばかりですので、ぜひ繰り返し子どもに教えてあげたり、見えるところに注意書きを書いたものを貼っておくなどしておきましょう。

熱中症にならないために必要なことは、こまめな水分補給と、適度な塩分補給。そして休息と身体を冷やす工夫です。これを子どもに覚えてもらうには、いかに簡単に対策をとれるようにするかを考える必要があります。

水分補給

喉が渇く前に水分補給をといっても難しいかもしれませんので、「(毎時)○分になったら一口でもいいから飲み物を飲んでね」とルールを決めてしまうとよいでしょう。ママが家にいる場合は、率先して「はい、飲み物タイムです!」のように促すのもおすすめです。

手軽に飲める飲み物を用意するのもいいでしょう。大きな容器から飲み物をコップに汲むとなると面倒くさがって飲まない可能性がありますので、ママがお留守のときは紙パックなどのジュースなどを取り入れるのもおすすめです。

体を冷やす工夫

家で自由に過ごす場合、この時期は命を守るためと割り切ってエアコンはつけっぱなしにしておくほうが良いでしょう。子どもたちは暑くても平気でエアコンや扇風機を使用することなく過ごしてしまう可能性があります。ひどい場合は窓すら開けない場合もあります。防犯上のことを考えると、ママがいない場合は窓を開けておくのも心配ですよね。ですので、基本はエアコンなどはオンにしたままにしておきましょう。

並行して、体を冷やさないといけないよと教え、今自分のいる場所が何度なのか、湿度はどれぐらいなのかを気にするように促しましょう。温度計と湿度計が一緒になったものを用意するのもいいですね。目安で構いませんので何度になったら危険であるかなどを教えてあげてください。可視化することで子どもの理解度はぐっとアップします。

適度な休息

水分補給と同じで、子どもはついつい何かに夢中になると周りが見えなくなりがちです。熱中しすぎないように、無理をしないように繰り返し伝えることが大切です。未就園児や低学年の子どもには少し難易度が高いので、基本的にはママが管理してあげるのがベターです。ママが近くにいられないのであれば、タイマーやアラーム機能などを駆使し、一定期間を過ぎたら休憩を取るように促すなどの工夫が必要です。

家庭で出来る熱中症の処置方法

どんなに注意・工夫していても熱中症になってしまうことはあり得ます。とにかくその場合は重症化させないための早急な処置が必要です。そのためには子どもの調子や様子に注意を配っておく必要があります。

また定期的に体温を確認することもおこないましょう。風邪でもないのに高熱が出ている場合は注意が必要です。速やかに衣服を緩め、水分を与え、体を冷やして休ませましょう。水分を与える際は、できるだけ自分で飲むように補助をする形にしてください。おう吐の症状が出ていたり意識がない場合は、誤って水分が気道に入る危険性があるので、むりやり水分を飲ませることはやめましょう。

首や脇、太ももの付け根を保冷剤などで冷やすことも有効ですが、手っ取り早く全身を冷やしたいのであれば、冷たいシャワーを浴びるのも良いでしょう。そして最も大切なのは「すぐに医療機関へ相談」または「救急車を呼ぶ」ことです。ついついためらってしまい手遅れになるケースも珍しくありません。おかしいなと思ったら速やかに医療機関に受診をしてください。

知っていると知らないでは大違いな熱中症対策。ぜひ親子で繰り返し対策法を勉強し、子どもの命を守るためにママたちで頑張りましょう!

文・櫻宮ヨウ 編集・木村亜希

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