自分のことは後回しにしがちなママは要注意!”感冒後の嗅覚障害”を知っていますか?
”感冒後の嗅覚障害”という症状を知っていますか? 風邪をひき、風邪の症状が治まったあとに嗅覚が徐々に失われていく症状です。風邪が治ったあとに体に残ったウイルスが嗅覚をつかさどる器官を侵すことで異常があらわれるとされています。「嗅覚? ニオイがわからなくなるだけでしょ?」と思ったママ! 要注意です! この記事では筆者が”感冒後の嗅覚障害”に罹患したときの体験談を紹介します。
単なる風邪から鼻炎?感冒後の嗅覚障害によって起こった症状とは
ある年の秋から冬へと季節が変わるころに、私は風邪をひきました。とくに鼻の症状がひどく、止まらない鼻水にくしゃみ、咳とのどの痛みもありました。久しぶりのつらい風邪でしたが、病院も薬も嫌いな私は「よく食べ、よく寝て治そう!」と病院には行きませんでした。幸いにもつらい症状はすぐに治まり安心していたところ、風邪が治ってから徐々にニオイと味がわからなくなっていったのです。
数日でニオイも味も感じなくなった
もともとアレルギー性鼻炎や蓄のう症によく悩まされていたこともあり、今回もそうなのかな? と思い様子をみることにしました。しかし「なんだかいつもの蓄のう症のときと違うなぁ……」と思っていると、ものの数日でニオイも味もまったく感じなくなってしまいました。
嗅覚を失ってみてはじめてわかった不便さ
ニオイを感じることができないと、子どもがオムツにウンチをしていても気付くことができません。ニオイでは気付けないので何度も子どものおしりをのぞき込んでウンチをしていないか確認していました。ニオイがわからないことで料理の味もわからなくなってしまいました。味がわからないとまともに料理を作ることもできません。実際、家族に「味がしない」と言われ、作った料理を残されたときもありました。味を感じる味覚は、嗅覚と非常に深く関係しているため、ニオイを感じにくくなると味も感じにくくなる、とされています。
そのことを知っていたので私はやはり原因は鼻にある、と考えました。「体調はどこも悪くないのに嗅覚だけおかしいなんてはじめてのことだぞ」と不安を覚えた私は自分の症状をインターネットで検索してみました。そして”感冒後の嗅覚障害”という病気を見つけたのです。
治らないかもしれない病気にかかった不安と絶望でおもわず涙が……
感冒後の嗅覚障害は、風邪の原因となるウイルスによって鼻の嗅細胞や嗅神経が侵されることによって引き起こされます。さらに困難なのは治療についてです。原因がウイルスへの抵抗力の低下によるものなのかなどがはっきりしていないため、治療が難しく高度な障害を残る可能性もあるとのことです。
自分の症状について調べた結果、私は不安や絶望に襲われて旦那さんの前で泣いてしまいました。心配した旦那さんは仕事の休みを取り「治らないと決めつけないで、まずは病院に行っておいで。末っ子は僕がみておくから」と言ってくれました。
嗅覚を感じなくなってから一週間ほどで受診。服薬開始から一週間で嗅覚が戻った!
旦那さんに1歳の末っ子を預けて病院へ行き、耳鼻咽喉科で診察を受けた結果、やはり”感冒後の嗅覚障害”と診断されました。医師の判断でまずは軽めの薬の服用で、一週間様子をみることになりました。処方された薬を服薬した結果、幸運なことに服薬開始から一週間で嗅覚が戻り、ニオイも味も感じるようになったのです。嗅覚を感じなくなってから一週間くらいで受診したことが、良い結果につながったのかもしれません。
日々の忙しさを理由に自分の健康を後回しにしないで
毎日家事や育児で忙しいのに、自分の風邪くらいで子ども連れで病院に行くなんてめんどくさい! と思っていましたが、あのまま放置していたら一体どうなっていたのだろうと思うと今でも背筋が凍るようです。
家族のために毎日頑張るママはどうしても自分のことは後回しにしがちかもしれません。でもママの体調を気遣わないと一生に関わる事態にもなりかねないこともあることを経験しました。子育て世代のママを襲う恐ろしい病気といえば乳がんや子宮の病気を思いつくかもしれませんが、感冒後の嗅覚障害もその一つです。
体調が「なにかおかしい」「いつもと違う」「どこかおかしい……」と感じたら迷わず、すぐに病院を受診することをおすすめします。家族の健康はもちろん大事ですが、家族の健康のためにママの健康をないがしろにしていいわけはありません。家族も自分も大事にすることを”感冒後の嗅覚障害”に罹って痛感しました。同じ症状で苦しむ人が出ないことを願ってやみません。
文・子持ち鮎 編集・しのむ