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家族よりも趣味を優先するパパ……ママついに怒りの家出【後編】

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最大10連休! ……と世間が賑わった頃のお話。夫はサービス業で休みが飛び飛びで、その飛び飛びの休みも、家族をほったらかして趣味のフットサルにあてました。

せめて連休最終日は家族でささやかに晩御飯をファミレスで食べよう! と約束したのですが、夫は約束をすっぽかしました。

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そこで私は、近場で一番栄えている街へと行きました。新宿や渋谷、とまでは行きませんが、首都圏のターミナル駅で繁華街があります。

到着したのは、21時ちょっと前。夜のネオンが煌めく繁華街を、私は0歳の息子を抱っこし2歳の娘をバギーに乗せて、ふらふらと彷徨いました。

周囲の人たちがちょっともの珍しそうな目でこちらを見ます。こんな時間に小さな子どもを2人連れて繁華街を歩いているなんて、どう見ても「わけあり」です。夫の暴力から着の身着のまま逃げて来た、くらいに見えているかも。そう思うとなぜか、クスッとしてしまいました。

縲仙セ檎キィ縲・2

それと同時に、昔の、子どもを産む前の自分を思い出しました。

ああ、そうだ、昔の私は夜、友達と飲み屋に行ったり、夜遅くまでカラオケしたり、レイトショーの映画を見たりするのが好きだったな。楽しかったな……。

ほんの一瞬でしたが、まるであの頃の自分に戻ったみたいでした。

こんな時、子ども達はぐずってしまいそうですけれど、その日は私に気を遣ってくれたのか、全然騒いだり泣いたりしませんでした。

3人で、夜のファミレスでご飯を食べました。2歳児の食事のお世話をしながら、離乳食を食べ終えた0歳児をおんぶしてあやし、私は立ってごはんをかきこみます。ファミレスとはいえ、夜も21時を過ぎると若者ばかり。子どもをあやしながら立って食べる私を見て、若者たちがぎょっとしています。視線が痛いなと思いつつも、

「フフ……君たちも子持ちになったら、いつかわかる日がくるよ」

と言いたいところ、心の中でつぶやいていました。

その間、夫から電話やメールがたくさんきましたが、無視。

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その後、ネットを検索していた時「プチ家出」という単語が目に入って来ました。

あれは今思えば、プチ家出だったなぁ。家を飛び出した時は絶望でいっぱいだったけれど、遊んでいるうちにどんどん楽しくなっていったなぁ……プチ家出も悪いもんじゃないな。

今もあの時の事を思い出すと、胸が躍ってちょっと興奮してきます。

またストレスが溜まって、どうしようもなく辛くなってしまったら、夜の街へフラリと飛び出してみようと思います。

 

 

脚本・大島さくら 作画・イチエ

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