「家族旅行はNO!」反抗期の娘を留守番させるのは、アリ?
反抗期(思春期)の子どもを持つ家庭では、毎日が親子バトルということもあるかもしれません。家族そろってのお出かけに、つきあってくれなくなる子もいるでしょう。せっかく計画した家族旅行にも、「行きたくない」と言い出すこともありえます。もし我が家でそんな事態になったとしたら、どうしますか? 無理矢理にでも連れて行く? それとも、ひとりで留守番をさせますか?
ママたちに共通する意見は、「留守番させるのはNO!」
反抗期真っ只中の中学1年生の娘さんを持つママからの、相談です。
『娘が「家族旅行なんて行きたくない。ひとりで留守番をしている」と言い出しました。娘の下にはふたりの小学生がいて、旅行を楽しみにしています。「みんなで行かなきゃ、楽しくないよ」と説得しましたが、「みんなの空気を悪くするから、ひとりで家にいたほうがいい」と言います。いわゆる娘の”パパが嫌い”な時期に入っているせいもあるのかな、と。
もう少しでキャンセル料が派生するので、娘だけキャンセルか、全員キャンセルかで迷っています。全員キャンセルは下のふたりがかわいそうな気がしますが、でも娘だけほうってもおけない……。私の親は他界しておりダンナの親も遠方なので、預けるのも難しいです。みなさんなら、どうしますか?』
相談がアップされたママスタコミュニティには、たくさんのママたちからの意見が寄せられました。ほぼすべての声に共通していたのは、「娘さんひとりを留守番させるのは、ありえない」。
『娘だけキャンセルするという選択肢があることに、びっくりだよ。ひとりにして平気なの? 私なら自分と娘だけキャンセル、もしくは全員キャンセル。娘には「大事な娘をひとりになんてするわけないでしょうが! 選択肢はふたつ、どっち?」って聞くよ。旅行先の部屋にこもってもいいし。できればいっしょに、旅行の思い出を作りたいよね』
『無理にでも連れて行く。反抗期も含めて家族なんだし、旅行中に学ぶこともたくさんある。旅行先で反抗的なふるまいをして叱られる姿を下の子たちが見て感じること、空気が悪くなることも。すべて家族の問題として経験して、成長できるところもあると思う』
『何泊するの? 中1でもさすがに留守番はだめじゃない? 昼間に留守番するのとは、違うと思うよ。説得してどうしても行かないと言うなら、私なら実家にお願いするかな。子どもにも「行かないなら、おばあちゃんの家だよ」って言う』
『大地震が起きるかも、泥棒が入ってくるかも。なんらかの理由で「家に女子中学生がひとりだとバレたら怖いよ」と、ビビらせる。何かあってもすぐ駆けつけられないから、ひとりでは置いていけないと話す』
中学1年生といえばつい数ヶ月前は小学生だった子です。「絶対にひとりで留守番はさせない」と、ママたちの意見は一致していました。
ママたちだって通ってきた道。反抗したい気持ちもわかる
とはいいつつも、自分自身が思春期だった頃を振り返ると「娘さんの気持ちはわかる」というママもいました。
『私も中学生の頃、強制的に行かされて心底苦痛だったな。観光地に行くと、たまに上の子がムスッとしていてつまらなそうな家庭って、見かけるよね。年頃なんだから家族と旅行なんて行きたくない。その気持ちをわかってあげてほしい。今回は投稿者さんと娘さんで、留守番。小学生ふたりが楽しみにしてるのなら、下の子たちと父親だけ行かせてあげればどう?』
『私も同じような時期に似たようなことがあったけど、現地では別行動をしたよ。海外だったから、妹弟は父親とプールや海へ。私は母親と買い物したりしてた。今思うと感じ悪かったな~』
『家族旅行に行きたくない、娘の気持ちもわかる。私も中学生のときに旅館に着いたら、母といっしょには温泉に入らなかった。深夜にひとりで入ってた。でもひとりで留守番は、なし! ずっと家にいるとは限らないし、夜に出歩くかもしれないと思うと怖い。自由をはき違える年頃だから、なおさら。泊まり旅行はキャンセルで日帰り旅行にして、娘には恩きせがましく言わずサラッとしておけば?』
なんと、実際に「ひとりで留守番した」経験のあるママも!
『私がそうだった。中学3年生のときだったかな? 家族みんなでハワイ旅行に行ったけど、私だけ家にいたよ。家族がいないあいだは悪いことをしたわけじゃなく、図書館で勉強したりといつもどおりに過ごしてた。反抗期で家族が嫌いだったし「私がいるとみんな楽しめないから」という、自分なりのやさしさのつもりだったよ』
『私も中学のとき、旅行当日になにかの言い争いになって「行かない!」と言ってしまった。反抗期だしもう意地になっちゃって、説得されても「行きたくない!」と。でもまさか本当に置いていかれるとは思わず、無理にでも連れて行ってくれると思っていたら車が出ていくエンジン音が……。あれは悲しかった(笑)。祖母が留守番でいたから、ひとりじゃなかったけどね。今その話をすると、「本当に行きたくないんだと思ったわ~」て大笑いされるけど』
親としても娘としても、共感できる。導き出された答えは?
反抗期の程度の違いはあれ、誰もが一度は通る道なのかもしれません。さて、ではどうすればよいのでしょうか? ママたちからはさまざまな案が寄せられました。
『ひとりで留守番はなし。下の子たちには、日帰り旅行を計画してあげて。そのときは多少帰る時間が遅くなっても、お姉ちゃんは留守番でいいと思う』
『ダンナと娘で留守番させてみたら? そういう話をすれば、いっしょに来るんじゃない? っていうか、反抗期やワガママに屈してどうすんのよ。無理矢理でもいいじゃない。「もういっしょに行く機会もなくなるから、最後につきあいな」ってさ』
『行きたくない娘を無理矢理連れて行っても、家族が機嫌の悪い娘に気を遣うのが目に見えているから心底楽しめないと思う。預けられるじいばあがいるなら、お願いするといいんじゃないかな。近くにいない場合は、仕方ないから娘を説得する。旅行先では家族と別行動で、少しでも娘が楽しめるプランを立てるとか。下の兄弟のことも考えてあげないといけないから難しいよね』
『私なら、キャンセルしないで連れて行く。現地で好きにさせておく。ひとりのワガママのために全員がイヤな思いをするなんて、社会に出たら許されないことだからね。旅行に行って、進展があるといいね。素直になれない時期なんだよね』
そうなんです。親としての気持ちもわかる、そして思春期の頃を思い出せば娘さんの気持ちもわかる。ママたちの声を受けて、投稿者さんが出した答えはこうでした。
『今朝、娘に「あなたをひとりで置いていくことはできない。”なにかあったら”と考えると、心配で楽しめない。だから今回は全員キャンセル。下のふたりには悪いけど、先にお姉ちゃんが行きたい場所を聞くべきだったのに、勝手に決めたお母さんが悪かった」と言いました。するとしばらくしてふてくされながら、「わかった。私も行くけど、どこにもいかずに部屋にいるだけだから」と。なんだかヘンですが涙が出て、娘には「ありがとう」と言いました。みなさんに聞いたことで、娘目線からも考えることができてよかったです』
「行ったら行ったで、けっこう楽しんでいた」「いや、本人には苦痛でしかない」とさまざまな意見が入り乱れましたが、これもあとになれば笑える家族の思い出になるのかもしれませんね。
文・鈴木麻子 編集・しらたまよ