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職場復帰に備えて断乳する?授乳を続ける?復帰する前に考えておきたいことは


仕事に復帰したら、今までのように赤ちゃんが欲しいタイミングで授乳することが難しくなりますね。職場復帰に備えて断乳するか、復帰後も授乳し続けるかで悩むママは多いのではないでしょうか? そこで今回は職場復帰と母乳育児について助産師の太田愛さんにお伺いしました。

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職場復帰と同時に必ずしも断乳する必要はない

仕事に復帰するため母乳を続けるかどうか悩むママはたくさんいらっしゃって、私もよくご相談をいただきます。このようなとき、職場復帰時に必ずしも断乳する必要はありませんとお伝えしています。授乳の時間はママと赤ちゃんがスキンシップをとれる大切な時間です。保育園に入れば、ママと離れている間は赤ちゃんも集団生活をしながら頑張っています。家に帰っておっぱいが飲めるのは、ママに甘えられる幸せなスキンシップの時間になりますね。
WHO(世界保健機関)では、母乳には赤ちゃんを守ってくれる免疫成分が含まれていたり、おっぱいの時間が赤ちゃんの精神的な安定につながったりするなどの理由から、補完食と並行して2歳以降でも母乳を続けることを勧めているんですよ。

でも、さまざまな理由から断乳を決めるママもいらっしゃると思います。ママが色々と考えて決断することは決して悪いことではありません。断乳した場合も、抱きしめる、一緒にお風呂に入る、絵本を読むなど、授乳以外の方法で赤ちゃんとスキンシップをとる方法はたくさんあります。ママと離れて頑張っている赤ちゃんに、お家で甘えられる時間を作ってあげてくださいね。

母乳育児を続ける場合、1日の流れは?

育児休暇中に母乳をあげてきたママは、特に1歳前のお子さんを保育園に預ける場合、昼間何もケアしないとおっぱいが張ってきてしまうことが多いです。職場復帰後も授乳を続けるとしたら、朝仕事に行く前に授乳してから保育園にお子さんを預け、職場ではおっぱいの状態に合わせて搾乳をした方がいいでしょう。夕方保育園のお迎え後、帰宅したらまず授乳して、その後はママとお子さんのペースで授乳する流れになります。

職場復帰後も授乳を続ける際に、前もって考えておきたいこと

職場で搾乳するときは、搾乳する時間と場所、搾乳した母乳を保存するのか捨てるのか、保存する場合は保存場所をどうするのかなど、さまざまな調整をしておく必要があります。また、母乳の臭いは意外と残ることもあるので、搾乳後に換気したり、使い終わった搾乳器やタオルはビニール袋に入れるなどしておきましょう。乳頭への刺激が少なくなればなるほど母乳の分泌は減ってくるので、昼間の搾乳回数は徐々に少なくなると思いますよ。

夜間断乳する場合は、ママ以外の人のサポートを

夜間の頻回な授乳で寝不足のママから、夜だけ断乳したいというご相談を受けることもあります。でも、母乳を作るプロラクチンというホルモンは夜に多く出るので、授乳を今後も続けていきたいというときは夜間の授乳も大切です。このプロラクチンはママの体をリラックスさせて眠気を誘う働きもあるんですよ。どうしても夜間の授乳をやめたいときは、お子さんが離乳食からしっかり栄養が取れるようになってからが安心だと思います。

夜どんなに泣いても授乳しなければ、子どもはそのうち夜はもらえないとわかるようになります。でも、それまで夜も飲んでいた母乳を、お母さんが近くにいるにもかかわらず突然飲めなくなるのはお子さんにとって辛いですよね。夜間断乳する際には、パパなどママ以外の人の手を借りる必要があります。ママ以外のどなたかに抱っこやおんぶをしてもらえるように事前に話しておいて、協力してもらいましょう。

ママから真剣に子どもへ話すことも大切

ママから真剣にお子さんへ話してあげることも大切です。保育園に行くときや断乳をするときなど、どうして自分は保育園に行くのか、ママは昼間自分と離れて何をしているのか、夜におっぱいを飲めないのはなぜかなど、しっかり話してあげましょう。お子さんがママの話が分かる・分からないということではなく、ママが真剣に大切なことを話しているということは子どもにも伝わります。それまでの習慣が変わるときには、ぜひママは真剣にお子さんの目を見てお話ししてあげてくださいね。また、いきなり「今日」ではなく、少し前もって話しておき、お子さんの心の準備ができるようにしてあげるといいと思います。

私が関わる「産婦人科オンライン」では、このような職場復帰後の授乳についての相談も含めて、妊娠中から産後に関することをスマホで気軽に医師や助産師へ無料で相談いただけます。現役産婦人科医や助産師が、どんな些細な内容についても丁寧にお答えしますので、不安なことがもしあれば、お気軽に利用してみてください。

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取材、文・山内ウェンディ イラスト・水戸さゆこ

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